デファクト標準とは、元来は、市場において特定仕様の製品が普及し、市場競争の結果として事実上の標準となった基準・規格のことである。市場占有度が大きくなった技術であれば、特定あるいは複数企業の連合体が仕様を策定したものもデファクト標準となる。ビデオにおけるVHS、PC-OSにおけるWINDOWS、文字符号におけるEBCDICなどがよい例である。デファクト標準を策定した企業、企業群は市場競争で優位な立場となり高収益を上げることができ利用者・消費者も迷わない利益があるが、反対に市場での特定企業群の寡占化の結果他の技術が伸び悩み利用者・消費者も選択肢が狭まるといった弊害も生ずることがある。
最近は、特定技術分野の技術者、専門家、専門企業、研究機関が、その技術分野の標準化を目指すための団体を設立し、そこでの討議や提案がデファクト標準となる場合も多い。インターネットの技術基盤であるTCP/IP、DNS、XML、Web Serviceなど、ソフトウェアモデリング技法であるUML 、MDAなど、現在利用されているシステム技術の多くは、特定企業に偏らない国際的なデファクト団体が策定し、市場で大きなシェアを獲得したデファクト標準である。
ここで取り上げる国際デファクト団体は、中立・公平な代表的国際団体と評価されることが多い団体であり、インターネット基盤技術、Web関連技術、XML関連技術、モデリング技術、ITIL関連技術などの標準化を推進しているものを取り上げる。(下記の紹介記事中のデータは、2013年現在での公表値等に基づくもの。)
代表的な国際デファクト団体
W3C |
World Wide Web Consortium |
ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム |
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OMG |
Object Management Group |
オブジェクト・マネージメント・グループ |
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OASIS |
Organization for the Advancement of Structured Information Standards |
構造化情報標準促進協会 |
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IETF |
Internet Engineering Task Force |
インターネット技術タスクフォース |
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itSMF |
IT Service Management Forum |
ITサービスマネジメントフォーラム |
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(2013年12月)