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IETF(Internet Engineering Task Force)
IETF(Internet Engineering Task Force)
日本語名称
インターネット技術タスクフォース
発足
1986年
本部
IETFは1992年から、その年に設立された団体ISOC(Internet Society)のタスクフォースの位置づけになっているため、ISOCの本部を掲げる。
・アメリカ ワシントンDC
・スイス ジュネーブ
概要
IETFはコンピュータをネットワークで相互接続運用するための共通技術仕様を、コンピュータ関連組織の研究・開発者およびネットワーク機器の研究・開発者が議論するタスクフォースである。IETFの活動は、実運用および実開発に関わる研究・開発者が個人で行うボランティア活動であり、いわば草の根運動とも言える。この点がITU-TやISOなどのデジュール標準化組織がトップダウン型、国別代表制の側面を持つのとは異なるところである。現実に課題を持つ担当者がその課題解決のためにIETFに集まったため、実践的な議論と仕様策定が進み、TCP、POP3、UTF-8など日常的に利用するインターネット関連規格がIETFの規格として策定されている。
目的(ミッション)と方針
IETFのミッションはインターネットの設計、管理、利用方法に関する高品質な技術ドキュメントを策定することで、インターネットの使い勝手を改善させることであるとされている。このミッションは次のような特色と関連している。
・オープンなプロセス:ドキュメントの作成、WGのメーリングリスト運営、会議録の公開などを透明なプロセスで行う。
・技術的なコンピテンス:IETFの検討する課題に対して、すべての専門的技術能力のある情報源を利用し、専門技術的な人材が検討をする。
・ボランティア組織:IETFの参加者とリーダーは、インターネットの改善に問題意識を持ち、改善に寄与できることを願う人々である。
・ラフコンセンサスと実行可能性:IETFの標準は、参加者の実世界で実装した経験と、複合的な技術的判断に基づいて策定される。
・プロトコルの責任:IETFが定めたプロトコルに関しては、IETFがすべての側面に関して責任を持つ。
参加会員
IETFは会費が定まった会員制ではない。IETF への参加方法は、会合への参加とメーリングリストへの参加の二つがあり、誰でも自由に参加可能である。ここ数年、毎年開催される全体会議への参加人数は2000年前後で2500人、2013年では1200~1500人程度である。
法人であるISOC は145 以上の組織会員と65,000 人の個人会員によって構成されている。
規格対象
規格対象はInternetに関連するすべてのプロトコルであり主要なものは以下の通り。
・プロトコル関連
・メールアプリケーション関連
・ドメイン関連
・セキュリティー関連
・文字符号その他
これらの規格はIETFではRFCとしてまとめられている。RFCとは、元来は、Request for Commentsの略称であり、規格案について広くコメントを求めるドラフト文書という語義であったが、その後RFCで提案されたままで規格として運用されることが多く、現在では実際に運用される正式規格として厳密に管理されている(RFCの候補はProposed Standard、草稿段階はDraft Standardと呼ばれる)。これらの考え方については、JPNICのWeb記事(https://www.nic.ad.jp/ja/rfc-jp/WhatisRFC.html)などを参照。
規格の例
・プロトコル関連: TCP/IP、IPV6、HTTPなど
・メールアプリケーション関連: SMTP、POP、IMAPなど
・ドメイン関連: DNS、DHCPなど
・セキュリティー関連: FEP、公開鍵など
・文字符号その他:UFT-7、UTF-8など
組織構成
IETFの関連する組織は以下の通りである。
・ISOC(The Internet Society): インターネットの普及を促進する国際的な非営利の会員制の組織であり、IETFなどを経済的、法的に支援し、広報活動の窓口となっている。
・IESG(Internet Engineering Steering Group): IETFの技術的な面での管理とインターネット標準開発のプロセスに責任を持つ。
・IAB(Internet Architecture Board): IABはインターネットについての大局観にもとづいて行動し、長期計画や、IETFの様々な領域の活動に関する調整に責任を持つ。
・IANA(Internet Administrative Support Activity): IANAはIETF活動の中核的な登録機関であり、TCPのポート番号やMIMEタイプなどの登録運用を実施している。
・RFC Editor: RFCエディターはIESGと協力して働き、インターネット・ドラフトをRFCとして編集、書式整備、発行、保管の作業を実施する。
・IETF Secretariat: IETFを維持するため事務局作業を実施している。
日本の組織
IETFはインターネットの改善に問題意識を持つ個人が参加するものである。団体であるISOCの日本代表は当初平成3年にネットワーク協議会(JNA)が設立されたが、平成13年以降は一般財団法人インターネット協会が担当している。
特徴
IETFは、インターネットの発明当初から実際にその研究や開発、運用に携わった人々がネットワークの相互接続の問題解決に作ったという歴史がある。その歴史が現在でも継続し、続々と現れる課題を解決するために、実践的な仕様策定および議論が進められている。現在までに1500弱のRFC文書が策定され、実際にその文書の規格に基づいてインターネットが運営されている点が特徴的である。
※参加会員数2013年8月時点のものである。
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