要求工学知識体系(REBOK)とは
要求工学知識体系(REBOK: Requirements Engineering Body Of Knowledge)
は,要求工学を理解し,活用するための手引きとなる要求工学の知識を実践の視点から整理し,体系化したものである.
REBOK(アールイーボック)は,要求工学を適用する専門家のみならず,エンドユーザ,経営者を含めて,情報システムに関わるすべての人が要求工学を共通に理解できる基盤となることを目標としている.
要求工学知識体系のビジョンとミッション
要求工学知識体系のビジョンは,要求工学が理解され,正しく適用され,良い要求定義ができることにより,ソフトウェアの価値向上と社会活動の向上が実現されることである.
このビジョンを実現するために,次の二つをミッションとする.
(1) 要求工学の知識とスキルの体系化
要求工学の知識を整理し,初心者から高度な専門家に至る人材が必要とする知識の指針を示す.
(2) 要求工学の実践および人材育成のための指針を示す
要求工学を実践するために持つべき知識の内容と理解すべき知識水準を示すことにより,人材育成や学習の指針を示す.
要求工学知識体系 5原則
要求工学知識体系の作成にあたり,下記の5原則を基本方針とした.
(1) ベンダ,ユーザが共通に利用できる知識体系とする.
(2)要求アナリストに加えて,エンドユーザ,経営者など,要求工学に関与するアクタが必要に応じて習得すべき範囲と水準を整理した知識体系とする.
(3) ビジネス要求,システム要求,ソフトウェア要求の3つのスコープに応じた知識体系とする.
(4) エンタープライズシステム,組込みシステムの要求工学に共通する技術の知識体系とする.ただし,ドメイン固有の知識は個別に定義するものとする.
(5) グローバルに広く利用できる形態とする.
要求工学知識体系の知識構造
要求工学の人材
2013年3月に「要求アナリストの確立と育成~要求工学知識体系(REBOK)に基づく要求工学を主導する人材像とその育成~」を無償公開しています。こちらからご入手ください。
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