情報サービス産業の動向

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JISA会員企業アンケート調査結果に基づき、AIと人材を巡る情報サービス産業の動向について整理しました。
(出典:情報サービス産業白書2026「AI時代における情報サービス産業の人材問題を考える」)

現状認識

1) AIの急速な浸透と強い危機感

  • 市場への影響感:6割以上の企業が今後10年で業界や市場が「極めて大きな影響を受ける」と回答しています。「ある程度大きな影響を受ける」を合わせると9割以上の企業が市場環境の大きな変化を予測しており、AIの急速な浸透が業界全体に波及すると考えられています。

  • 競争力維持への危機感:現在のビジネスモデルで競争力を維持できる期間について、5年程度以内とする回答が全体の4分の3以上を占めており、長期間そのままのビジネスモデルを維持することは難しく、比較的短い期間で競争力が失われるという強い危機感が広がっています。
  • 2) 開発効率化でのAI活用が先行

  • 導入状況:一部または全体で「生成AI」を導入している企業は7割強に上り、「AIエージェント」の利用も3分の1強に達するなど、AIの利活用が急速に進展しています。
  • 主な活用領域:現在はコスト削減や生産性向上を目的とした「ソフトウェア開発プロセスの効率化・自動化」が先行しています。具体的には、プログラミング時のコード補完やコード生成、テストコード作成、ドキュメント作成支援といった用途で広く活用されています。


  • 3) 深刻な人材不足と獲得競争の激化

  • 人材の不足感:直近3年の課題として、約9割の企業が「人材が不足している」を挙げており、他を大幅に引き離して最大の課題となっています。特にプロジェクトマネジャー、シニアSE、アーキテクトなどの上流・高度人材で不足感が顕著です。一方で、プログラマーや運用オペレーションエンジニアは相対的に充足度が高いものの、過剰感は少なく全体として人材不足が続いています。


  • 採用難と対応策:採用市場では「他社との競争激化」や「給与水準の高騰」により、人材の獲得が非常に困難な状況となっています。外注やオフショア開発の活用は限定的であり、多くの企業が中途・新卒採用の強化に加えて、既存社員の能力向上やリスキリングを重視して対応を進めています。


  • (2) 今後の見通し

    1) ビジネスモデルの抜本的な変革が必要

  • 経営層の変革意欲:経営層の99.2%が何らかの変革が必要であると考えています。「既存業務プロセスの大幅な見直し」が過半数を占めるほか、「ビジネスモデルの抜本的な変革」を掲げる企業も3割弱存在し、AIを活用した新しいビジネスや事業開発への期待が高まっています。

  • 社内認識のギャップ:危機感の共有度を層別に見ると、経営層や幹部社員層では約75%と非常に高いのに対し、中堅社員層は約15%、一般社員層は約9%にとどまっています。同じ組織内であっても立場によって状況認識に大きな温度差が存在しています。

  • 期待される活用分野:今後はソフトウェア開発工程だけでなく、経営判断の迅速化・高度化や、営業・マーケティングの高度化、新規事業の企画・開発など、経営やビジネスの変革に直結する分野でのAI利用に期待が集まっています。
  • 2) 人材構造のシフトとAIによる「代替」の現実化

  • スキルの価値変化:開発の自動化が進むことで、「プログラミング」スキルの重要性は下がると予測する企業が5割に達しています。一方で、要件定義・要求分析やシステムアーキテクチャ設計といった、上流工程や全体設計に係るスキルの重要性はさらに高まると見られています。

  • 3) 人材不足感の質的変化

  • 従来型IT人材の需給:1〜3年後までは不足感が続くものの、AIによる代替効果や省力化が進むことで、5年後には4割強の企業で「過不足感なし」「過剰気味」となり、量的な不足感は緩和に向かうと見込まれています。特にプログラマーの獲得を強化する企業は将来的に大幅減となる見通しです。
  • DX/AI人材へのシフト:他方で、DX/AI人材については5年後も4分の3以上の企業で不足感が続くと見られています。職種によって幅はあるものの1~3割の企業が獲得を強化するとみられ、質の高い人材を巡る争奪戦は今後も継続すると予測されます。

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