ITプロジェクトのベンチマーク供給者のためのガイドライン

要約

ソフトウェア開発の定量的マネジメントを行う場合、組織内の実績データから作成したベンチマークを利用することが望ましい。定量的マネジメントの経験が浅い組織では、第三者組織が作成した公開用ベンチマークを利用することができる。しかし、ベンチマークの作成・提供プロセスが明確でない場合、異なる解釈や評価が行われる可能性があり、定量的マネジメントの弊害となる。
このガイドラインは、ベンチマークの作成・提供する主体が、その活動に必要な事項を明確にしている。すなわち、ベンチマークの作成プロセス、供給プロセスにおける要求事項、推奨事項、及び共通に利用するための用語の定義、測定法・単位・換算方法等についてのガイドを提供している。

特徴

定量データに基づいてベンチマークを作成するプロセスとアクティビティについて定義している
  - 実施計画:ベンチマークを作成する上での目的や方針を立て、そのもとでベンチマークを作成するまでの実施計画を立てる。
  - データ定義:情報ニーズを定め、測定量を選定しその定義を行う。
  - データ収集と精査:データの収集源、収集する測定量を特定し、データを収集し精査する。
  - リポジトリ管理:データを維持管理するリポジトリの構築・維持方法を定め、その構築・維持を行う。
  - 分析とベンチマークの作成:評価方法(測定量、分析方法、評価・判定方法)、ベンチマークの形態を定め、リポジトリのデータを利用して分析を行う。
定量データのベンチマークを、公開資料として供給するプロセスとアクティビティを定義している。
  - 実施計画:供給する目的や方針を立て、内容を特定し、提供方法(供給のタイミング、手順、ツール、問い合わせ対応)を定める。
  - 供給コンテンツの作成:コンテンツを作成するための活動手順を定めリソースを割り当て、活動手順に従って作成し、コンテンツの内容を精査、確認する。
  - ベンチマークの供給: ベンチマークを供給する手順を定め、手順に従い供給する。
本ガイドラインは、ISO/IEC FCD 29155-1(FDIS)(ベンチマーキング・フレームワーク)、JIS X 0141:2009(測定プロセス)などの国際規格、国内規格に基づいて構成されている。

公開元

http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/softseibi/metrics/20110324process_metrics2010.pdf

(2014年9月)

  •  

このページの先頭へ▲