日本工業規格(案) 高齢者・障害者配慮設計指針情報通信機器・サービスについて

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JIS(素案)「高齢者・障害者等配慮設計指針情報通信機器・サービス」に対する意見書提出

JISAは12月5日の正副会長会議の了承を得て、首記のJIS(素案)について、(財)日本規格協会情報技術標準化センター・情報バリアフリー調査研究委員会に対して、添付の意見書を提出した。

本JIS(素案)は日本規格協会で策定しているもので、主に、高齢者や障害者が情報通信機器やサービスを使用する際のアクセシビリティを向上させるために配慮すべき設計の指針である。平成14月11月1日(金)12月15日(日)の期間、公開レビューに付されていた。

JISAでは、情報バリアフリー調査研究委員会に委員を派遣するなどして、情報の収集にあたるとともに、標準化委員会および情報システム・アクセシビリティ部会において、本JIS(素案)の分析と業界への影響について検討していた。

いまや社会のあらゆる分野を情報が支えており、情報アクセシビリティの向上をはかることは、きわめて重要な課題であるとの観点から、そのための規格を整備することに意見書は賛成の立場をとっている。

しかし、情報アクセシビリティを向上させることはきわめて重要であるだけに、今後の技術の進展にも耐えうるようさらなる精査をお願いするとともに、産業界が活用できる規格にしていただきたいとの立場から、今回の意見を提出することになった。


平成14年12月5日

財団法人日本規格協会
情報技術分野共通及びソフトウェア製品の
アクセシビリティ向上に関する調査研究委員会(情報バリアフリー委員会)
委員長 山田 肇 殿

社団法人 情報サービス産業協会

日本工業規格(案) 高齢者・障害者配慮設計指針情報通信機器・サービスについて

貴委員会において、現在作成中の首記規格案について、弊協会でも今年の夏以降、検討してまいりました。

以下に私どもの意見を申し上げますので、今後の審議ならびに日本工業規格へ反映されますようご検討賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、具体的な修正案として、資料を添付いたしますので、ご参考にしていただきますようお願い申し上げます。

1.基本的な観点

高齢者や障害者を含め誰でもが容易に使用できる情報環境を整備することは、今後の社会にとってきわめて重要な課題である。現在、作成中の日本工業規格案(JIS)は、そのような基盤整備の一つであり、今後の社会とって重要かつ有意義なものと考える。

それだけに、我々は、本規格案が情報通信機器やサービスのユーザーやベンダーにとって、できるだけ有効な指針となることを期待している。

日本工業標準調査会が平成10年6月に発表した「高齢者・障害者に配慮した標準化政策の在り方に関する建議バリアフリー社会を目指して」は、指針の制定の在り方として、「指針では、目的とその理由、設計における配慮事項等を定め、個々の製品及び環境の設計においての具体的な解決方法は、設計者の主体的取り組みに任せるべきである」としている。

我々は、建議に盛り込まれたこの精神を踏まえ、かつ本規格案をより有効な指針として、規格化していただきたく、以下の点について見直しをお願いしたい。
第1に、本規格案は、その序文が示すとおり、「設計する際に配慮すべき指針」であることから、文末は基本的に「なければならない」や「できる」ではなく、「望ましい」などに改めていただきたい。また、本規格案では「共通的な要件」など「要件」という文言が多用されている。「要件」は、一般には欠くことのできない条件の謂いであり、本規格案ではこれを「事項」に改めていただきたい。
第2に、「配慮すべき指針」の「配慮」について、その意味するところを本文中で明確にしていただきたい。本規格案における「配慮」とはどのようなことを意味するのかについて、定義あるいは備考で記述していただきたい。本規格が発行すると政府および地方自治体は、調達時に規格を尊重する義務が生じる。その際に「配慮」するとは、本規格案で記述されている事項が実装されているであろうと一般に思われるからである。規格作成に係わった専門家以外の人にも、誤解されることがないように説明を加えていただきたい。
第3に、本規格案は適用範囲を「設計する際の指針」としている。しかし、本文中には「設計・開発」というように、適用範囲を超えた記述がなされている。これらについても、他のJIS規格との整合性をはかる観点から、「高齢者・障害者配慮設計指針消費生活製品の操作性」(JIS S 0012)などの他の高齢者・障害者に関する規格と同様に、「設計する際」に適用する指針と限定していただきたい。


2.「4.一般的原則」について

他のJIS規格との整合性をはかる観点から、ここでは、設計指針としての一般原則だけを記述すべきである。

「一般原則は次による」として、a)高齢者・障害者の立場を考慮する、b)安全性が確保されるよう考慮する、c)何らかの障害に対しては、代替機能が提供されるよう考慮する、d)機器やサービスのアクセシビリティを評価できるように考慮する、にとどめていただきたい。

規格案の「4.2基本的要件」は代替機能の例示である。例示を残すとしても、そこに記述されていない障害があることを考慮すれば、2例あるいは3例を記述するにとどめるべきである。


3.重複の整理、規格案の構成、具体的な記述について

本規格案には一般原則と同等の記述や代替手段に関する部分に重複があるが、これについては、削除するなど整理すべきであり、また、4.以下の構成として、重要な事項から順に並べたほうが、本規格案を読む人の理解が得やすいと思われる。

また、唐突に具体的な記述におよんでいる部分などは奇異な印象を禁じ得ない。

以上の観点から、本規格案を再度、精査し、削除および構成を変更していただきたい。


4.評価について

本規格案「5.8評価に関する要件」は、一般原則のd)として記述していただきたい。その際、後半の「その評価は、高齢者・障害者によって確認された方式とする事が望ましい」については、確認方法など具体的な記述は一般原則としては不要かと思われる。

これを残す場合には、確認方法の例示とし、高齢者・障害者自身が評価しなくとも彼等が認めた方法であれば可とするものであることを明記していただきたい。

以上

(本件に関する連絡窓口)
(社)情報サービス産業協会 調査企画部 田畑
〒135-8073 東京都江東区青海2-45 タイム24ビル 17階
TEL:03-5500-2610 FAX:03-5500-2630 E-mail:webmaster@jisa.or.jp

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