「e-Japan重点計画(案)」に関する意見書の提出について

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社団法人 情報サービス産業協会

「e-Japan重点計画(案)」に関する意見書の提出について

政府・IT戦略本部では 「e-Japan重点計画(案)」に関するパブリックコメントの募集をおこなっておりましたが、(社)情報サービス産業協会では以下の意見について、3月16日、政府へ提出いたしました。
当協会といたしましては、官公庁の「情報システム調達方式」の現状に強い問題意識を持っており、1月29日にも政府に対して意見書を提出したところであります。今回も政府調達方式の問題に絞って意見を述べることといたしました。

1.表題

情報システムにおける政府調達方式の見直しについて


2.該当分野

5.行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の促進


3.意見

ページ番号5-10「d)システム開発に係る評価指標の策定・普及」に関して、以下のとおり意見を申し上げる。

(1) 案に記載されている「ソフトウェア開発・調達プロセス評価指標モデル」については、早急に策定し、政府調達への速やかな導入・普及を図られたい。
(2) 併せて、以下に述べる現行の情報システムにおける政府調達方式の問題点を解決しない限り、重点計画で述べている「IT社会に対応した成熟度のあるシステム開発・調達を官民に広く普及する」ことは不可能であると考える。

安値落札問題について

問題点

  • 現行の除算方式(技術点を価格で除する方式)に基づく総合評価方式は、技術より価格に偏重した評価制度であり、異常な安値落札を助長している。
  • 新規開発時は競争入札であるが、後年度は随意契約になる場合が多いため、当面の採算を度外視できる部大企業のみが落札する結果となっている。このことは、技術力の高い中小・ベンチャー企業の参入障壁になっている。
  • また、複数年度で当該情報化プロジェクトを評価した場合、国民の税金が有効に使われているか疑問がある。

解決策

  • 価格に偏重していない加算方式(価格点と技術点を加算する方式)の評価方式を採用すべきである。
  • 最低落札価格を設定すべきである。
  • 開発費用をソフトウェア・ライフサイクル全体の総費用を基準にして評価すべきである。
  • 情報システム調達における中小企業枠を設定すべきである。

競争契約参加資格制度について

問題点

  • 平成13年1月10日付け官報(号外政府調達第1号)に掲載された「競争参加者の資格に関する公示」は、企業の外形的要素(売上、自己資本、営業年数等)によって参加者を制限するものであり、一定規模以上の政府調達においては、中小・ベンチャー企業を不当に排除するものである。
  • しかしながら、「ソフトウェア開発」及び「情報処理」分野については、近年のITの急激な進展により、比較的小規模の企業が少数精鋭かつ短期間で高価値のソフトウエアを開発し、あるいは優れた情報サービスを提供する事例も多くあり、必ずしも企業の外形的な要素が当該企業の実力を反映していない。
  • 例えば、近年重要視されているインターネット技術、ネットワークセキュリティ技術などは、我が国においてはわずか数年程度の歴史しかなく、これらの最新技術を持つ新しい企業を(営業年数不足等のため)切り捨てることは、政府の情報システム構築を不十分なものとし、政府が目指す世界最高峰の電子政府の実現は不可能である。

解決策

  • 「ソフトウェア開発」及び「情報処理」分野については、外形的要素のみで判断される現行の「競争契約参加者資格制度」を適用除外とすべきである。
  • 外形的要素が必要な場合でも、情報技術および情報産業の実態に即したものに改めるとともに、「ソフトウェア開発・調達プロセス評価指標モデル」を採用し、企業の技術力も評価指標として採用すべきである。
  • 単独の企業に対して応札を認めるのではなく、技術力の高い中小ベンチャー企業等の複数企業によるジョイント・ベンチャーについても、積極的に応札の機会を与えるべきである。

行政機関における情報システム調達担当職員について

問題点

  • 行政機関においては、情報システム担当職員の育成が近年の急速な情報通信技術の進展に追いついていけず、結果として情報システムの構想立案当初から実質的に大手ベンダに依存している場合が多く、人的資金的に余裕のある大手ベンダーに有利になっている。

解決策

  • 情報システムの導入に関して外部から適切な助言が得られるよう、「アドバイザリ制度」を導入すべきである。
  • 企画立案工程を分離して予算化し、開発工程からの独立性を確保するとともに、コンサルタント等外部人材を積極的に活用すべきである。

情報システムの大規模一括調達問題について

問題点

  • 大規模な情報システムを一括して調達する制度は、ハードウェアベンダ等購買力のある大手企業にとって有利になっている。

解決策

  • 予算上で、ハードウェアとソフトウェアを分離する「アンバンドリング」を採用すべきである。
  • 中小ベンダにも、より多くの受注機会が開かれるよう、可能な場合は、ハードウェアとソフトウェアの分離に限らず、積極的に分割調達を行うべきである。

以上

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