グローバル化が進んでいる今日、システム開発の分野も例外ではありません。システム開発工程の一部を海外の企業に発注する、海外のソフトウェアベンダーと協業して、お客様にソリューションを提供するなどの国際的なビジネスでは、共通な用語、プロセスで業務を進めることが重要です。本節では、多国の企業が共同でプロジェクトを進める参考となるガイドラインを紹介します。
現状・背景
すでにこの業界がシステム開発を行う場合、国内のみでなく海外の企業と共同で、国際的ネットワークを通じて作業を行うことが珍しくない。2007年の段階で40%の企業が業務の一部を海外企業へ発注し、2012年には18%の企業が海外法人を保有し、まさに「オフショア」が常態化した段階と言える。
しかし、言語・慣習の異なる諸国と協業することには、初期のころから様々な課題があった。特に開発するシステムが、最終的に何を構築するかの顧客の要求が不明確である場合や、開発途中で変更が多く発生する際には、コミュニケーション、品質管理など、先進的に「オフショア」開発を行ってきた企業は苦労をしたものである。
「オフショア」開発における問題発生を未然に防ぎ、円滑なプロジェクト運営をするためのガイドラインには、二つの種類がある。一つはどのような業種のプロジェクトにも適用できる国際的なプロジェクトマネジメントのガイドラインであり、他方はシステム開発に特有な問題に対する、国際的協業の方法やベストプラクティスに関するガイドラインである。
対象ガイドライン
(2016年8月)