SOAとクラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングに関するISO/IEC JTC1での討議は、2009年に新たに専門員会SC38を設置することで本格的に動き出した。クラウドは動きが激しい市場であり、標準化にそぐわないとも言われたが、現在次のような標準化作業が行われている。
ISO/IEC 18384 SOA Reference Architecture(2013年現在でWD段階)
ISO/IEC 17788 Cloud Computing(用語、アーキテクチャ等の標準化、2013年現在でCD段階)

ところで、クラウドコンピューティングは、従来グリッドコンピューティングと言われていたテーマを含むが、日本工業規格でグリッドコンピューティングに関する基礎的な標準が決定された。これは、JIS X 7301 「グリッドシステム要求事項策定のための指針」であり、国際的な団体であるオープングリッドフォーラムに対する提案と連携して国際的な視野のもとに提案された。OGFが提供している標準化クラウドインタフェースOCCI等については、OGFサイトを参照されたい。

クラウドコンピューティングに関わるセキュリティは業界の大きな関心事である。その標準化は日本から推進しようという活動が経済産業省の後押しで組織され、その成果に当たるものとして、ISMS規格の一部として、次の規格が制定された。
ISO/IEC 27017:2012 Information technology -- Security techniques -- Guidance on the integrated implementation of ISO/IEC 27001 and ISO/IEC 20000-1

なお、クラウドコンピューティングの定義はわかりにくいという評価があるが、現在比較的標準的な定義とされているのは、米国NIST(国立標準局)が提供している定義である。 

(2013年12月)

  •  

このページの先頭へ▲