契約、管理システム、管理文書などの標準

管理的な標準化の対象も多岐にわたるが、次に列挙するようなテーマがある。

IT投資の基準

システム開発、ソフトウェア開発がどのような規模とコストで行われるべきかは難しい問題だが、何らかの基準に基づいて行われることが望ましい。そこにIT投資の考え方の基準を設定するメリットがある。

契約の標準

システム開発、ソフトウェア開発の契約内容は近年かなり標準化が意識されるようになってきた。契約の質の向上の面でこのような標準化の実効性が期待される。また、オフショアア開発は現在重要な課題であり、そのガイドラインも重要となる。

知的財産権と個人情報など機密情報

契約の内容にも含まれるが、開発されるソフトウェア、データ等に関する知的財産権の妥当な取扱い、個人情報等の取扱いが標準化の視点からも検討されることが期待される。オープンソースソフトウェアの取扱いにおいては、技術面の問題のほかに、それらの知財権やセキュリティ面をしっかり管理するという課題がある。

事業継続と社会的責任

顧客や一般利用者に対する契約上および社会的責任の観点から、ITセキュリティの面や災害対応の面からの事業継続体制構築の標準化視点も管理面での標準化のテーマとして注目されるようになってきた。

監査と管理システム

社会的責任の一環として、適正な企業運営を果たしていくための管理システム(MSS)やその監査がいろいろなテーマで取り上げられる傾向にある。システム監査やセキュリティ監査が制度化されている。ISO 9000などのマネジメントシステムの規格適合性審査も同様のニーズに基づくものだともいえる。

報告など文書類

社内業務、開発プロジェクト、マネジメントシステム運用と審査など、多くの文書、報告、連絡、記録を扱う局面があり、その作成、利用、集計活用の機会は増加している。これらの標準化も重要な管理面での課題である。手順の標準化と様式の標準化が含まれる。

(2013年12月)

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