社会を支える「標準化」

元来、「標準化」はなぜ必要なのか?広く見れば、人と人とのコミュニケーション手段である標準語(日本語)なども標準化の手段であり、より意識的なものとしては、度量衡の標準化、通商形態・通商手段の標準化、電気通信の標準化など、社会でのコミュニケーションの高度化、ビジネスの高度化には必然的に標準化が伴っている。また、物を生産するときに、多くの素材や部品を集めて加工し、組み立てていくその過程で現れる仕様書、図面、その他の指示手段が標準化されていなければ大きな混乱の元となる。実物を組み立てていくときに、部品の整合性が取れていなければ、そもそも組み立て加工が成立しない。社会を成り立たせている仕組みがスムースに動く基礎には、多くの、また一貫した形での標準化という約束事が存在する。
ITの世界、ソフトウェアの世界では、コンピュータという標準的プラットフォームの上で動くシステムが開発されてきた。ソフトウェア開発の手段も、おおむねプログラミング言語、データベースアクセス言語、ネットワークプロトコルなどを利用した開発がおこなわれてきた。開発のプロセスや信頼性確保の手法のような、それなりに発展途上の標準化も多数存在している。また、システム開発の取引に関係する標準化や、エンジニアのスキル評価に関する標準化などもある。多くの標準化がある中で、どのような標準化が有用であり、またビジネス的にも魅力あるものなのか、幅広く的確な情報を把握し、見極めていく必要がある。

(2013年12月)

  •  

このページの先頭へ▲