SIS2023 プログラム詳細

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基調講演
マイクロソフトがAIで描く未来
13:05-13:45
伊藤 信博 氏(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 パートナー事業本部 パートナー技術統括本部 統括本部長)
【プロフィール】
1993年 明治学院大学国際学部卒業、同年 日本NCR株式会社入社。航空や通信業界向けデータウェアハウス提案の営業活動を経て、1999年 日本マイクロソフト株式会社へ転職。日本、韓国、アメリカ、シンガポールを拠点として、マーケティング、営業、技術啓発チームを18年間リード。アジアにおけるAIやIoT等の最先端技術を活用したDXプロジェクト経験をもとに、2018年より、飲食サービスおよびホスピタリティ事業を展開する日本企業のChief Digital Officerとして、DXをリード。2022年5月より、現職。

基調講演
AIをめぐる倫理的問題とその先にあるもの
13:50-14:30
鈴木 貴之 氏(東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
 AIをめぐる倫理的な問題には、法制度や技術的側面に関する短期的な問題から、SF的な可能性に関する長期的な問題まで、さまざまなものがありますが、その中でとくに興味深い問題は、両者の中間にあると考えられます。この講演では、それらの問題を考えることが、人間とテクノロジーの望ましい関係や、幸福な生とは何かをあらためて考える契機となるということを見ていきたいと思います。

【プロフィール情報】
東京大学大学院総合文化研究科教授(科学史・科学哲学研究室)。専門は心の哲学。近年は主に人工知能の哲学に取り組んでいる。著書に『人工知能とどうつきあうか』など。

招待講演
PM Award2023優秀賞 /JISA DX 賞 受賞
ITモダナイゼーションプログラム
14:40-15:20
児玉 英一郎 氏(オリックス生命保険株式会社)
当社は2006年以降、急激に業績を拡大させてきましたが、その過程において構築した多くのエンタープライズシステムの老朽化が進んだ結果、業務・技術双方の知識継承不足に起因するシステム障害の発生や利用者の生産性が低下するリスクが高まり、一部においては顕在化した。この事態に基盤の維持・延命といった回避策ではなく、業務・システムの全体最適化や最新技術の継続的な享受と技術的負債発生の抑制が可能なライフサイクルマネジメントと事業戦略の実現を可能とする抜本的なシステムモダナイゼーションをプログラム化して推進しています。

経験報告セッション
①『DevOps実践を推進するWebアプリテンプレート開発』
当日10:00から公開します
三好 秀徳 氏 (株式会社日立ソリューションズ)
当社では2016年よりDevOpsを実践するための環境を社内提供した。その後、社内でのDevOps実践率を確認すると、1割未満という非常に低調な結果が得られた。そこで、社内でのDevOps実践率の改善を目的として、ヒアリング・原因分析を実施し、DevOps実践を推進するためのWebアプリケーションのテンプレートを開発し、今日に至るまで維持している。本報告では、取り組み内容とその定量的結果についてお話する。

経験報告セッション
②『Next Designを用いたDX推進ツールの構築プロセスの提案と実践』
当日10:00から公開します
不破 慎之介 氏 (株式会社デンソークリエイト)
【共同研究者】小林 展英
車載ソフト開発における要求仕様書の多くは汎用性の高いWordやExcelなどの形式となっていますが、記述の自由度が高いが故に、記述者ごとに記述がばらついたり、内容の完全性や一貫性を担保しにくいという課題があります。
この課題を解決するために、Next Design というツールを用いて要求仕様書のデジタル化※に取り組んだ事例を報告いたします。

※情報を単なる図表や文字列の集合として電子ファイルに記録するのではなく、個々の情報をデータベース化し情報の一元化・再利用を可能とすること

経験報告セッション
③『Large Language Model(LLM)を活用したソフトウェア開発の可能性と応用方法』
当日10:00から公開します
海浦 隆一 氏 (株式会社NTTデータグループ)
【共同研究者】村上 功修、関口 大輔、竹之内 啓太
GPTシリーズなどAIモデルの開発と利用が拡大し,AIを用いたソフトウェア開発技術は,近い将来標準的になる技術として期待されている.当社ではAI技術の活用の一つとしてソフトウェア開発での利用を推進している.本稿ではソフトウェア開発の各工程での活用の可能性と,製造工程への適用する場合に期待される効果,適用検証の結果を紹介する.

経験報告セッション
④『段階的再構築における依存関係分析を用いた費用対効果の試算』
当日10:00から公開します
横井 一輝 氏 (株式会社NTTデータグループ)
【共同研究者】崔 恩瀞、吉田 則裕、岡田 譲二、肥後 芳樹
レガシーシステムのモダナイゼーションの需要は大きい.
モダナイゼーションの失敗リスクを低減する戦略として,システムの一部を切り出す段階的再構築が提案されている.
しかし段階的再構築では,切り出した新システムと旧システム間の統合が複雑になり,再構築コストが増大する傾向がある.
本報告では,過去に段階的再構築を実施したプロジェクトにおいて,依存関係分析を用いた費用対効果の見積手法を適用した事例を紹介する.

経験報告セッション
⑤『生成 AI 活用による Rest-API コード生成品質向上』

当日10:00から公開します
梶野 晋 氏 (日本電気株式会社)
【共同研究者】赤塩 博、坂田 夏樹、呉 揚、牛 世娟
AIを使ったプログラミング支援においては、対象となる開発言語をAIが正しく学習していることが重要です。メジャーではない(=学習が十分ではない)開発言語において、生成されるプログラムコードの品質を上げるためにはどのようにすればよいのか、試行錯誤をして実用レベルの品質を確保した事例をご紹介します。

経験報告セッション
⑥『ソフトウェアサプライチェーンにおけるソースコード漏洩を防止するセキュアド開発環境の提案と評価』

当日10:00から公開します
斎藤 忍 氏 (日本電信電話株式会社)
【共同研究者】飯村 結香子(日本電信電話株式会社)、吉田 貴裕(開志専門職大学)、鈴木 源吾(開志専門職大学)、堀川 桂太郎(開志専門職大学)
ソフトウェア開発過程(サプライチェーン)でのソースコードの漏洩を抑止するため、機密性の高いコードは開発者から分離しつつ、コーディングやデバッグ等の実行を可能とする開発環境(MORDEn)を提案する。併せて、MORDEnを開発プロジェクトに適用したケーススタディの評価結果を報告する。

経験報告セッション
⑦『未来の基盤構築:オープンソース大規模言語モデルによるAIサービス開発の探求』

当日10:00から公開します
澤田 藤洋仁 氏 (伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)
【共同研究者】位野木 万里(工学院大学)
生成AIの時代が幕を開けました。OpenAI社のAIサービスが台頭する一方で、急成長を続けるオープンソースの大規模言語モデル活用は、今後のAIビジネス構築に欠かせません。本報告では、オープンソースの大規模言語モデルとソフトウェアを用いてプロトタイピングの開発を実践、セキュリティと拡張性を両立した未来のAIサービスを支えるアーキテクチャを提案し、その実現可能性を考察した経験を報告します。

経験報告セッション
⑧『高速機械学習器による現場での故障予知-新しいAI、ビックデータ、IoTなど新たなデータ収集、分析、活用のアプローチ-』
当日10:00から公開します
中村 彰 氏 (株式会社セック)
【共同研究者】長瀬 雅之
 弊社で開発・適用している「高速機械学習器による現場での故障予知」について発表させていただきます。
 ものづくり現場において、AIを適用する際に深層学習の適用では問題が発生するケースが多く主因は、「学習に必要な訓練データを十分確保することが難しい」ことにあります。
 この課題に対して、学習に必要なデータが少量で済むAI手法・モデルの開発を中心に取り組んでいます。
 さらに、実際のシステム化を考慮し、「対消費電力あたりのパフォーマンスの高さ・発熱を抑えるハードウェア上の工夫」やユーザーがモデルを開発できるような開発環境の提供」等を行いました。
 現状の総括としましては、「学習時間については良好な結果は残した」、一方で「特徴量の抽出や前処理・後処理にまだまだ試行錯誤が必要であり」と総括しています。
 今後は、前処理、後処理の事例蓄積と効率化を進め、「小型で高速な学習器」として、現場で使い易いAI装置としてさらに発展させていきたいと考えています。
 今回は、開発の背景、適用事例などを紹介差し上げ、製品化に向けた課題を報告します。

経験報告セッション
⑨『ソフトウェアドキュメント検証による生産性・品質向上の取組みと社内での推進』
当日10:00から公開します
吉村 直人 氏 (日本電気株式会社)
【共同研究者】柳沢 満
ソフトウェアの開発生産性と品質向上施策として、独自開発したソフトウェア開発ド
キュメントの曖昧表現や誤表記を機械的に検出するドキュメント検証手法を紹介しま
す。
また、構成管理システムと連携し、ソフトウェア開発プロジェクトのドキュメントに
本手法を用いた検証を一斉適用するドキュメント検証サービスと、本サービスのソフ
トウェア開発部門と協働した普及展開活動についても紹介します。


ワークショップ
生成AIによるDigital Transformationのための要求獲得実践ガイド(要求工学知識体系REBOK(DX編))の実践ワークショップ
14:40-17:30
企画・運営
技術委員会 エンジニアリング部会

 JISA技術委員会エンジニアリング部会(前要求工学グループ)は,2023年3月に,要求工学知識体系(REBOK)の第4弾として,「Digital Transformation(DX)のための要求獲得実践ガイド」を出版しました.本書は,社会にインパクトを与える問題発見のための要求獲得技術と価値創出のためのモデリング技術について,DXに取り組む技術者,開発者,経営者等へ向けた手引書です.

 生成AIが登場したことで,プログラムの自動生成だけでなく,要求獲得においても人間をサポートし,業務効率を向上させることが期待されています.生成AIを利用する際には,対話で使用する用語や質問の内容,質問の順序等,プロンプトの合理的な設計が特に重要です.合理的なプロンプト設計には,対象のドメインやタスク,成果物の種類に応じたきめ細かなノウハウが必要であると考えられます.

 本ワークショップでは,Digital Transformationのための要求獲得実践ガイドに基づき,生成AIを用いて効果的に問題発見や価値創出等の要求獲得タスクを実行する方法を、グループワークを通して体験します.

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