ソフトウェアイノベーションシンポジウム(SIS2019) プログラム詳細

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基調講演
デジタル経済を巡る諸課題と政策面の対応 
~ DXを巡る取組、デジタル・プラットフォームを巡る課題 ~
10:30~11:00
成田 達治(内閣官房 デジタル市場競争本部事務局 次長)
2018年9月のDXレポート以降の、企業におけるDXを後押しするためのDX推進指標等の政策展開の動向について解説するとともに、デジタル・プラットフォーマーを巡る様々な政策課題や取組についても紹介する。

【プロフィール】 
1992年4月(当時)通産省入省。2011年10月原子力損害賠償支援機構執行役員、2012年8月日本貿易振興機構ニューヨーク事務所産業調査員、2015年7月大臣官房参事官、2016年6月資源エネルギー庁長官官房総合政策課長、2017年7月商務情報政策局情報産業課長、2018年7月大臣官房審議官(商務情報政策局担当)などを経て、2019年7月より現職。


基調講演
DX時代のデータ利活用 
~OpenIoTを活用した人材育成や地域が抱える課題解決について~
11:00~12:00
越塚 登(東京大学大学院情報学環 教授)
現在、データを最大限利活用したデータ駆動型社会に向けた取組が盛んに言われている。IoTやAIはその中核を占める重要な技術である。ところがこうした技術を用いた地方経済の活性化や地域課題の解決への取組はまだ十分であるとは言えない。本講演では、こうした地方における情報通信技術やデータ利活用の課題に触れながらも、いくつかの具体的な成功事例なども含めてお話したい。

【プロフィール】 1994年 東大院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。1994年、東工大情報理工学研究科・助手等を経て、2009年東大院情報学環教授、2019年 同 学環長となる。専門は計算機科学、特に、IoTやLoD、OS、ネットワーク、ブロックチェーン、スマートシティなどに取り組んでいる。


DX関連 招待講演
コンテナを用いたアサヒビールの小売向けデータ分析プラットフォーム 
13:30~14:30
清水 博(アサヒプロマネジメント株式会社 マネージャー)
 
消費財市場の変化、ニーズのサイクルの短期化と多様化により、アサヒビールは期待を超える価値のためにスピードとバリエーションを兼ね備えた提案に様々なデータを活用して小売向けに最適な棚割りを提案しています。その多様なデータ分析基盤をコンテナ上で運用しています。
           
【プロフィール】アサヒビール業務用セールス、アサヒグループホールディングス国際部門にて中国戦略、M&Aに従事。現在アサヒプロマネジメントITイノベーション戦略部にてアサヒグループのIT戦略に携わる。


DX関連 招待講演
ゼロから始める新規ビジネス創出のプロジェクト実践ノウハウ
14:30~15:30
大川 英敏(株式会社NTTデータ 戦略ビジネス本部食農ビジネス企画担当)
ITサービスによって新規ビジネスを創出するプロジェクトの実践ノウハウを、リーンスタートアップなどの新規ビジネス創出方法論と、農業分野の新規ビジネス創出事例(NTTデータ 営農支援プラットフォーム「あい作」TM)を交えて紹介する。特に、不確実性が高く失敗事例も多い、ビジネス創造の初期段階であるアイデアの具現化から商用サービス開始までの期間を中心に、キーワードや実務におけるポイントを事例に沿って紹介する。
           
【プロフィール】プロジェクトマネージャーとして金融システムの大規模更改プロジェクトや基幹系システムの維持運用を経験した後、ビジネススクール修了を契機に新規ビジネス企画の業務に携わり現在に至る。専門は金融と農業。


ワークショップ
デザイン思考要求工学IoT体験ワークショップ
カスタマージャーニーマップ(CJM),ユースケースモデリング,ObnizでAgileに実現するデジタルサービスの創出
13:30~17:45
講師/コーディネーター
木戸 康平(株式会社CambrianRobotics Co-Founder)
位野木万里(工学院大学,エンジニアリング部会要求工学グループリーダ)
天野めぐみ(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社,エンジニアリング部会要求工学グループ委員)
北川貴之(東芝デジタルソリューションズ株式会社,エンジニアリング部会要求工学グループ委員)  
デジタルサービスの要求獲得から実現までの体験ワークショップを開催します。
グループワークで、カスターマージャーマップによる要求獲得、ユースケースモデリングによる要求可視化、クラウド中心のIoT開発をAgileに実現可能なobnizを用いて、考案したアイデアを実現し動かすことで、新たな気づきを得て拡張改善を反復する一連の開発を体験します。
今回、obniz Co-Founderである木戸 康平氏をお迎えして、obnizの技術的な仕組みや活用事例についても解説いただけます。要求獲得と仕様化のモデリングは、エンジニアリング部会要求工学グループにより解説します。
短時間に盛りだくさんのワークショップとなりますが、混乱や失敗を恐れず、とにかく楽しく取り組みます。どうぞ奮ってご参加をお願いいたします。
 

※obniz(オブナイズ)は、ON/OFFやUART通信などのIO制御をクラウドのAPI経由で行える仕組み。センサーやアクチュエーター、既存機器をネットワーク経由で直接操作でき、クラウド中心のIoT開発が可能(https://obniz.io


JISA技術革新委員会 報告 【技術革新部会】
社会のDX推進に貢献する情報サービス企業のあり方
15:45~16:15
端山 毅(株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 テクノロジーストラテジスト)
平成30年度先進技術実践委員会報告書の大要を説明する。
デジタル技術の発展によって社会は大きな変革期にあり、情報サービス産業はその先導役を果たすべき立場にある。事業と技術の両面から情報収集に努め、多様なパートナーとの連携を模索し、機会を捉えて積極的に挑戦する姿勢が求められる。さらに継続的な教育訓練活動も重要である。情報サービス企業は、顧客の業務に踏み込み一歩先の技術で顧客の提供価値拡大を共に実現していく使命がある。

【プロフィール】(株)NTTデータにおいて全社QMSの構築運用、CMMI適用とプロセス改善施策、PM育成/支援施策、定量データ分析などを推進。同社品質保証部長(2010-2015年)。(株)NTTデータユニバーシティ社長(2015-2017年)。JISA技術革新部会長、PMI日本支部副会長、博士(工学)、PMP。

JISA技術革新委員会 報告 【技術革新部会 情報技術マップグループ】
1千人のエンジニアアンケートから探るデジタルビジネスの取り組み状況
~情報サービス産業における情報技術マップ調査に関する調査報告より~
16:15~16:45
山口 陽平(みずほ情報総研株式会社 経営・ITコンサルティング部)
情報技術マップ調査は、技術者へのアンケートを通じてSI 要素技術の普及動向を調査分析し、情報サービス産業界としての現状と今後の方向性を明らかにすることを目的としている。本演では、2018年度に調査対象としていた119の要素技術の中から、デジタルビジネスで注目される技術をピックアップし、業界内の認知具合や今後の取り組み動向などを報告する。

【プロフィール】情報システムの調達や評価など従来型のシステムコンサルティング領域を手がけつつ、ソーシャルメディアや位置情報などのビッグデータ分析などデジタル技術の利活用に関するコンサルティングや調査を担当。

JISA技術革新委員会 報告 【エンジニアリング部会アジャイルグループ】
アジャイルに向かう組織に聴いてほしいアジャイルへの第一歩
16:45~17:15
今井 貴明(NECネクサソリューションズ株式会社 技術開発事業部 デジタル技術グループ)
DX時代に向けてアジャイルの必要性は確固たるものとなり、その存在が企業活動の一部として確立された企業も少なくない。一方で、アジャイル導入の取り組みを進めるものの、思うように浸透せずに滞ったり、導入を断念するケースも未だ多く存在する。こうした状況は、アジャイルの表面的なイメージやプラクティスが先行し、なぜ、アジャイルなのか、という問いがなされていないことが要因の一つと言える。本講演では、アジャイルを導入するにあたりまず何をすべきなのか、その導入までに考えなければいけないことを紹介する。

【プロフィール】2015年、NECネクサソリューションズ株式会社に入社。
技術統括部門としてシステム開発プロジェクトに参画する傍ら、生産性、品質向上のための標準化、およびその展開活動に従事。現在は、アジャイル、スクラムにおける社内の第一人者として、その推進を中心に活動している。JISAアジャイル開発グループ委員。
 

JISA技術革新委員会 報告【サイバーセキュリティ部会】
「最低限のサイバーセキュリティ対応」という考え方
17:15~17:45
柴崎 正道(株式会社 網屋 取締役)
日々増大するサイバーセキュリティリスクのすべてに対して、包括的・網羅的な対応をとることは人的リソース・予算の面で難しい。大企業はまだしも中小企業にとってはなおさらである。
そこで、サイバーセキュリティ対応における効率性と有効性に着目した「最低限のサイバーセキュリティ対応」という考え方を探ってみる。

【プロフィール】外資系金融機関勤務を経て、平成10年株式会社網屋に入社。ISMS構築、個人情報保護法対応支援など情報セキュリティに関するサービスを事業化する。JISAサイバーセキュリティ部会部会長。

経験報告セッション
発注者企業の若手社員に対するシステム開発研修の効果分析―ウォータフォール型開発とアジャイル型開発での学びの違い―
13:30~14:10
飯村 結香子(日本電信電話株式会社)
【共同研究者】斎藤 忍
発注者企業の若手社員向けに発注者の役割・責任の認識を促す研修を過去7年に渡り行ってきた。受講者らは実際にWebシステムの模擬開発を行い、その体験や気づき共有しフィードバックから発注者としての役割や責任について学ぶ。初期の研修では模擬開発はウォータフォール型で進めていたが、現場の動向や受講者の学びの傾向からアジャイル型へと変更した。開発プロセスによる受講者の行動や気づきの傾向の違いについて報告する。

経験報告セッション
複数プロダクトを一括開発するエンタープライズアジャイル開発方法の提案と実践での評価
14:10~14:50
田中 優之(ヤフー株式会社)
【共同研究者】青山 幹雄
エンタープライズアジャイル開発方法にはLeSSHugeをはじめは数多く存在し、日本国内においても事例が増えている。著者らが所属するヤフーにおいてはDevOpsの思想が組織全体に浸透しているが外部環境、内部環境の変化により柔軟に対応するため複数のプロダクトを同時に扱い大規模にアジャイル開発を行う必要があった。本稿ではLeSSHugeをベースに複数プロダクトを一括してアジャイル開発を行う方法を考案し、実際の製品開発で実践した経験を報告する。

経験報告セッション
カスタマージャーニーマップを活用した要求工学における実現可能性評価手法の提案
14:50~15:30
田邊 陽子(エリクソン・ジャパン株式会社)
【共同研究者】米谷 貫太郎、後藤 江里菜、位野木 万里
本稿では、Customer Journey Mapを活用したアイディア出しにおいて, 新規ビジネス創出につながるような顧客体験中心のインサイトを導出する手法の一つとして、インサイトの定義を明確する技法と実現可能性評価を活用したインサイトの見直し手法を提案した。インサイトを、課題に対するソリューションと事前に定義をすることで、導出されるインサイトはCustomer Journeyにおける想い(Feeling)や考え(Thinking)といった課題や事実ではなく、顧客体験からの気づきを元にしたアイディアが多く得られることが分かった。また、実現評価手法を取り入れることで、インサイトの見直しをより客観的に実施をし、事業創出に有用なインサイトへと発展させられる一定の成果を得た。

経験報告セッション
機械学習によるプロジェクトの健全性の評価
15:45~16:25
髙木 理恵子(株式会社デンソークリエイト)
【共同研究者】中澤 輝幸、小林 展英
品質管理部門がサポート要否判断などのために、プロジェクトの健全性を評価している。しかし、PMが納得できるような一律の基準で定量的な評価に難航している。
そこで、工数と日程の予実差がプロジェクトに与えるインパクトを計ってプロジェクト状況を数値化し、機械学習を用いてプロジェクトの健全性を評価する方法を定義した。
31プロジェクトで実験した結果、80.6%の高精度でプロジェクトの健全性を評価できた。

経験報告セッション
エンジニア能力差異によるプログラム品質低下抑止手法の検討-リンクレア開発メソッド linX-J の整備-
16:25~17:05
石戸 伸道(株式会社リンクレア)
【共同研究者】吉岡 亨、野口 和敬
品質・コスト・納期(QCD)を達成することがプロジェクトの大きな一つの目的である。しかし、一定の確率でQCDの何れか若しくは全てを達成できない、所謂、トラブルプロジェクトは発生してしまう。
それらはエンジニアの能力が原因となるケースも少なくなく、類似の技術的問題の存在することに気付いた。
今回はそれら技術的問題の発生を抑える為にどのような方策をとったか、またどのような効果があったかを報告したい。

経験報告セッション
ビジネスプロセスの3次元可視化アプローチ―ProcessCityによる業務・システム分析の報告―
17:05~17:45
斎藤 忍(日本電信電話株式会社)
DXの重要な成功要因は、情報技術の活用と併せて、ビジネスプロセスの標準化・効率化が挙げられる。一方、ビジネスプロセスは近年、大規模、且つ複雑化している。本報告では、ビジネスプロセスを都市のように3次元に可視化するアプローチであるProcessCityを提案し、企業の実業務に適用したケースを紹介する。3次元の可視化により、分析者は直感的、且つインタラクティブにビジネスプロセスの理解に寄与する。

情報交換パーティ・ネットワーキングセッション 18:00~19:30
・講演者/参加者の交流の場
・経験報告セッションのパネル展示
・経験報告の表彰


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