第1回 社会の革新委員会

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令和4年8月24日、第1回社会の革新委員会(委員長:長坂正彦((株)ワイ・シー・シー代表取締役社長)をZoomによるテレカンファレンスにて開催した。出席者は18名。
 今回は、本年度第1回として、次の3点を議題として開催した。

 1.委員会企画案に関する検討
 2.「2030年に向けた大きな変化と社会課題等」に関する説明と意見交換
 3.デジタル社会推進部会活動状況報告

1.委員会企画案に関する検討
 当委員会は、昨年度、JISA2030の具体化を図ることを目的としてデジタル化社会の未来像を描く活動を開始した。活動にあたっては次の3フェーズを設定した。

フェーズⅠ:自然体で見た2030年の社会はどのような姿かを描く(AsISの未来社会)
フェーズⅡ:情報サービス産業からみた2030年の「望ましい社会の姿」をバックキャスティングで描く(ToBeの未来社会)
フェーズⅢ:「望ましい社会の姿」を実現するために情報サービス産業が努力すべきことは何かを示す。

 デジタル技術で人が輝く社会の創造とは、換言すれば、従来の企業(組織)を中心とした社会から、個人を基軸とした誰一人として取り残さない社会へのシフトをデジタル技術によって実現することといえる。この誰もが主役となり得る社会への転換をデジタル技術によって実現するには、100年に1度とよばれる変革を牽引する力を生むだけの大きくストレッチした未来社会像を具体的に描くことが必要である。

 昨年度第4回委員会後に共有した社内ディスカッション報告実施要領では、本年度は第5回で報告された社内ディスカッション結果をもとに社会に発信していくとしていた。しかし、上記の認識をふまえると、社会への発信材料とするにはまだ不十分であるとの認識をもたざるを得ない。

 そこで、本年度の活動では、フェーズⅡの「情報サービス産業からみた2030年の『望ましい姿』」をバックキャスティングで描くことに改めて注力することが事務局より提案され、特に異論なく了承された。

 なお、この事務局提案には昨年度最終回以降で約4ヶ月を要している。2030年の望ましい「社会」の姿、すなわち成り行きの未来(AsIS)ではなく、望ましい(ToBe)の未来社会の姿を、「個人」を基軸として描くことの認識を共有するのにそれだけの時間を要したことも事務局より報告された。

 本年度の企画としては、このほか会員への情報提供を目的として政策動向を紹介する政策セミナーを3回程度開催することとされた(第1回は既に5月24日に開催済。JISA会報第146号に報告記事掲載)。

2.「2030年に向けた大きな変化と社会課題等」に関する説明と意見交換
 当委員会は、上記の認識をふまえて、フェーズⅡの「情報サービス産業からみた2030年の『望ましい姿』」を議論するドラフト作成を(株)野村総合研究所(NRI)に第1回会合に先立って委託した。
 今回は、NRIより「2030年に向けた大きな変化と社会課題等」と題したドラフトの内容が説明された。描き方のアプローチとしては、JISA2030の「デジタル技術で人が輝く社会を創る」を最終的なゴールとし、その構成要件を、「人(個)」・「輝く」・「社会」に分解し、これらを「デジタル技術」を手段として解くというモデルを設定している。

 出席した委員からは、次のコメントがあった。
・従来は供給側だけで議論すればよかったが、現在は、需要側、特に若い世代が力をもってきている。10年後に社会の中核世代となる人達のニーズを把握する必要がある。
・非常に網羅性があるので2030年に向けて新しいことを考えるのに役立ちそうに思う。
・非常に網羅性が高いが、日本社会として優先度の高いテーマにフォーカスし、これに対する情報サービス産業の使命と役割を明らかにする必要がある。
・当社では10年前との変化を検討しているが、現在は課題として認識されてなくても、要素技術の出現で生じる変化もあることがわかった。技術の変化に留意すべき。

 今後は、年内にかけて、協会内外の有識者にヒアリングを実施しながら、ドラフトのブラッシュアップを図っていく予定。

3.デジタル社会推進部会活動状況報告
 加藤健デジタル社会推進部会長から、6月に牧島デジタル大臣に提出した提言書を中心に、これまでの当部会の活動について報告があった。

(田中)

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