2017年に浦田理恵さんの講演を聞いて感動し、それ以降、パラスポーツ支援コミュニティで浦田さんを応援し続けてきました。(講演レポート)
そして、もっと多くの人に浦田さんの話を聞いてほしくて、田中ウルヴェ京さんとの対談を企画しました。
浦田さんとウルヴェさんは初対面でしたが、控室で顔を合わせるなり、瞬間的に打ち解け合い、まるで以前から知り合いだったかのようにストーリーが共有されました。
本番のステージは、想像していたとおり、示唆に富んだ感動的なものでした。
さらに、控室に戻ってからも、話は尽きません。その場限りの貴重な話をたくさん聞くことができて、まさに役得!
そんな控室でのやり取りの中で、最も心に残ったエピソードです。
車いすバスケットボール男子日本代表チームのメンタルトレーナーをされているウルヴェさんに、浦田さんが質問しました。
「個人競技のメンタルトレーニングは想像ができますが、チームスポーツのメンタルトレーニングでは何をするんですか?」
「チームスポーツで最も重要なことは、メンバー間で信頼関係を築くこと。絶対的な信頼関係が出来ないと勝てない。そして信頼関係の根源は『この人は絶対に嘘をつかない』と思えること。つまり、人間関係に尽きるのです。」
ウルヴェさんはシンクロのデュエットパートナーだった小谷実可子さんとは、なぜ完璧にシンクロする演技ができたのか。
それは信頼関係があったから。
大学時代のウルヴェさんと小谷さんの間には「絶対に互いの陰口を言わない」という一つのルールがあったそうです。
言いたいこと、思うことがあったら、直接言い合う。
腹の立つことが日常茶飯事であっても、ちゃんと話すことで信頼関係は逆に深まったそうです。つまり、相手が何を考えて、どうしたいのかが分かったことが信頼関係につながったのです。
信頼関係は、好き・嫌いや、合う・合わないとは関係ないとウルヴェさんは明言しました。競技の中で「この人は嘘をつかない」と思えることが極めて重要なことだそうです。
ゴールボールは、目でコミュニケーションができないスポーツなので、尚更、チームメンバーとの信頼関係が欠かせません。普段から信頼関係構築に尽力されている浦田さんには「陰口を言わない」ことの重要性が心に響いたようです。
アスリート同士が通じ合った瞬間を目撃できて感動しました。