内容紹介
今日、我が国では情報システムを巡る急激な環境変化が起きています。特にクラウドコンピューティングの普及は大きなインパクトとなっています。また、システム開発そのものがコモディティ化し、ユーザー自らがソフトウェア開発を行う時代になってきています。
その結果として、従来の受託型SI ビジネスは今後ますます厳しくなると考えています。
このような情報サービス産業を巡る経営環境を見るに、今まさに自らがイノベーションを速やかに実践する時だと認識しています。そのためには、強力なリーダーシップが求められ、サービス化、知識集約化、パートナー化、グローバル化の4 つの視点を踏まえた改革を実践できる人材を生み出すための環境と仕組みが重要となっています。
イノベーションの推進には、IT 利活用の新たなビジネスモデルを創出し、今日まで業界各社や社会全体が抱えてきた課題に積極的に挑戦する、独創的な改革を具体的に実践できる人材が求められています。この様な人材について、JISA では数年前から「ハイブリッド型人材」として議論してきました。ハイブリッドとは、技術とマネジメントの両方の知見を有する人材であり、技術に立脚することにより新たな「ビジネス」を創造し、IT により顧客や自らの改革・改善を実現できる人材だと定義してきました。
しかし、改革は一人の突出した人材だけでは実現できません。そこには改革を支える多くの優秀な人材(ハイブリッド型人材を支える人材)が必要であり、彼らがお互いに連携・協働することにより、はじめて課題解決の糸口が見いだせるものと考えています。
これらの議論を引き継ぎ、人材部会では創造的改革(イノベーション)を実現する人材について検討を重ねてきました。業界各社ではイノベーションに対する考え方や目指しているところも様々な考え方があります。しかし、共通した認識は、現状からの変革のためには今いるリソース(人材)だけでは充分ではなく、イノベーションを実践出来る人材を見出し、彼らが活躍出来る環境を整えることが重要だということです。本レポートが同じ課題を抱え、同じ認識を有する業界各社とともに、創造的改革人材(イノベーション人材)が活躍する環境の実現を目指す契機となれば幸いです。
目次
1.変革期に求められる人材(昨年度までの検討)
(1)IT 融合を生み出す人材(「産構審情報経済分科会中間とりまとめ」より)
(2)産構審における次世代高度IT 人材
(3)JISA における「創造的改革を推進する人材」と実践プラン
2.イノベーション(創造的改革)人材とは
(1)イノベーション(創造的改革)を定義する
(2)イノベーション人材を「生み出す」環境と仕組みの整備
(3)実践のための人材的課題
3.イノベーション人材の発掘プロセス
(1)経営戦略と人材戦略
(2)人材像
(3)生み出すための仕組み(評価・選抜等)
(4)イノベーション人材が活躍できる環境
4.評価・発掘に関する各社の取組事例
(1)A社の取組
(2)B社の取組
(3)C社の取組
(4)D社の取組
(5)E社の取組
(6)F社の取組
(7)事例からの知見
5.イノベーション人材が活躍できる環境
6.最後に
概要等公開資料
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担当者:JISA 手計
TEL:03-5289-7651
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