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オープンソースビジネスに取り組むSI 企業のための企業ポリシー策定ガイドライン

16-J013

オープンソースビジネスに取り組むSI 企業のための企業ポリシー策定ガイドライン

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本報告書はPDFで全文公開しています。概要欄をご覧ください。
PDFファイル 49ページ
刊行日 2005/06/07
著者 社団法人 情報サービス産業協会 平成16年度オープンソース・ビジネス委員会
発行元 社団法人 情報サービス産業協会
内容紹介

 平成16年度オープンソース・ビジネス委員会では,参加企業間でのオープンソースへの取り組み事例の相互情報交換とオープンソースソフトウェア(OSS)特有の開発コミュニティへの関わり方について検討した.

 平成15年度オープンソース・ビジネス委員会においては,平成15年11月に大阪で開催された日中韓オープンソース・ビジネス懇談会の開催準備を行い,日中韓のOSSに関するフォーラムへの取り組みを進めた.その後フォーラムは,中国,日本,韓国と回を重ね,検討WGも多岐にわたり,日本をはじめアジア地域におけるOSSへの取り組みの急速な進展が実感できる.結果として,日中韓の情報サービス産業協会が中心となって開催した懇談会は,新たなOSSビジネス立ち上げの国際連携の枠組みの準備会議として歴史的イベントとなったといえよう.

 今日,各企業がこぞって基幹システムも含めた情報システムへのOSS活用に取組み始めている.これまでのソフトウェア・ビジネスと比べて,OSSではその固有の特徴でもある開発コミュニティとの関わりが各企業にとってはまったく新しい枠組みである.知的財産権の問題も含めて開発コミュニティとの関わりについては既に欧米のソフトウェア産業ではきちんとした社内ルールを制定して,コミュニティへの貢献を企業レベルで実行し,Give more than takeなどの標語に示すように自社の立場を鮮明にしている.本委員会への参加企業では,このような取り組みへの意識が希薄であったり,極端に恐れてOSSの活用を制限するなどの 問題があった.

 平成16年度オープンソース・ビジネス委員会開催にあたっては,他の団体等でのOSSへの取り組みとは一線を画した,JISAらしいテーマで本委員会を運営したいと考え,「企業ポリシー策定ガイドライン」としてオープンソースの特徴をふまえたコミュニティとの関わりについて事業戦略策定のあり方を方向付けることとした. 「企業ポリシー策定ガイドライン」の策定にあたっては,本委員会のもとにWGを設置し,主査には野村総合研究所でオープンソース・プロジェクトリーダーとして第一線で活躍されている寺田雄一氏を迎えて,検討していただいた.

 WGでの検討の結果をうけ,本委員会では本報告書のとおり,本編と付属資料として,オープンソース・ビジネスと企業ポリシーの考え方,及び事業戦略立案に活用するための実務解説という形で,公開することとした.

 本報告書が,情報サービス産業協会会員企業にとどまらず,日本OSS推進フォーラム等を通じて,世界の中における日本の産業競争力の向上に資することができれば,望外の喜びである.最後にWGに参加して議論していただき報告を取りまとめられた寺田主査をはじめとするWG委員の皆様のご苦労に感謝したい.

(本書「はじめに」より)

目次

Ⅰ.総論 ~OSSビジネスに取り組むための企業ポリシーの策定~

1. 背景 7
1.1 情報システムにおける環境変化
1.2 OSSがもたらすソフトウェアの変革
1.3 情報サービス企業における人材育成とOSS
2. 基本的な考え方
2.1 情報サービス企業のOSSへの取組み
2.2 企業ポリシーの重要性
2.3 企業ポリシーの策定を支援する
3. 企業ポリシー策定のためのガイダンス
3.1 位置付けと基本構成
3.2 策定および運営のための組織体制
3.3 ポリシー運用の方法と関連する組織
3.4企業ポリシーガイドラインの利用について

Ⅱ.企業ポリシー策定ガイドライン ~項目と解説~

1. 基本方針の策定(OSSへの取組み方針)
1.1 OSSに取り組む目的を明確にする
1.2 ポリシーを策定する目的を明確にする
1.3 OSSへの取り組みタイプと策定するポリシーの範囲を規程する
1.4 OSSコミュニティに関わる従業員の立場を規定する
2. コミュニティへの貢献に関する方針の策定
2.1 コミュニティへの企業貢献の目的
2.2 コミュニティへの企業貢献に関する規程
2.2.1 人的リソースの提供
2.2.2 ソフトウェア/ハードウェア資産の提供
2.2.3 ソフトウェア資産のOSS化
2.2.4 活動資金の提供
2.2.5 情報提供(評価結果の公開など)
2.2.6 コントリビュータの雇用
2.2.7 ドキュメンテーションの整備
2.2.8 サービス提供
2.2.9 人材育成
3. コミュニティに関わる従業員への支援方針の策定
3.1 コミュニティに関わる従業員を支援する方針を明確にする
3.2 コミュニティに関わる従業員の支援に関する規程
3.2.1 コミュニティ活動を考慮した勤務時間
3.2.2 コミュニティ活動を考慮した勤務場所
3.2.3 コミュニティ活動を考慮した雇用形態
3.2.4 従業員のリスクからの保護
3.2.5 従業員のトレーニング
3.2.6 コミュニティ活動を考慮した評価方法
4. OSSと関わる際の留意点と対策に関する方針の策定
4.1 ライセンスに関する留意点とその対策
4.1.1 OSSライセンス確認の必要性
4.1.2 OSS特徴の理解と必要性
4.1.3 使用するOSSの利用条件の確認
4.2 OSS使用時の知的財産権侵害リスクとその対策
4.2.1 当該OSS権利侵害可能性の認知
4.2.2 権利侵害回避の運用方法の検討
4.2.3 権利侵害における金銭的対応手段の検討
4.3 OSSの信頼性に関する留意点とその対策
4.3.1 OSSの信頼性評価と選定
4.3.2 入手したOSSの情報の保存
5. OSSコミュニティと関わる際の留意点と対策に関する方針の策定
5.1 OSSコミュニティの評価基準の策定
5.1.1 参加コミュニティの抽出
5.1.2 コミュニティの方針の尊重
5.1.3 コミュニティとの信頼関係の構築
5.2 機密情報の漏洩リスクとその対策
5.2.1 コミュニティのオープン性の認識
5.2.2 コミュニティ参加社員に与える権限
5.2.3 機密情報取り扱いルールの再確認
5.2.4 機密情報漏洩時の対応策
5.2.5 参加社員に対する教育
5.3 自社,又は他社への誹謗・中傷リスクとその対策
5.4 開発コードの権利帰属に関する規定
6. 自社開発ソフトウェアをOSSとしての公開する際の方針の策定
6.1 OSSとして公開する目的
6.1.1 コミュニティによるソフトウェアの開発
6.1.2 社会,業界,OSSコミュニティへの貢献
6.1.3 企業(ソフトウェア)の宣伝,アピール
6.1.4 ソフトウェアのシェア拡大
6.1.5 サポート,コンサルティング,構築ビジネスの実施
6.2 OSSとして公開する際の留意点と対策
6.2.1 ライセンス
6.2.2他社の知的財産権の侵害
6.2.3自社の知的財産権の漏洩
6.2.4 コミュニティの立ち上げ,育成における留意点

概要等公開資料
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お問合せ先

担当者:JISA企画調査部 鈴木
TEL:03-5289-7651
Email:report@jisa.or.jp

備考

本報告書はPDFで全文公開しています。概要欄をご覧ください。

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