JISAの提案が「Trusted Web の実現に向けたユースケース実証事業」で採択

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2022年9月13日

 一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)は、内閣官房デジタル市場競争本部がデジタル庁と連携し、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所が実施する「Trusted Web の実現に向けたユースケース実証事業」にコンソーシアムを組成して応募した結果、提案した「法人税制と工業会証明書」がユースケースとして採択されました。

1.応募の背景

 JISAは、事務局事業として中小企業経営強化税制A類型の対象ソフトウェアの工業会証明書の交付を2014年より手掛け、8年半が経過しています。
 これまでに交付した工業会証明書は、前身の生産性向上設備投資促進税制からの累計で10万枚を超えており、全国のITサービス企業を通じて、我が国の中堅・中小企業のICT投資の促進に貢献してきました。

 あらゆるものがデジタル化の流れにあり、政府においても押印レス・ペーパーレスをはじめ、デジタル化・DX化の推進が議論されるなかで、情報サービス産業の事業者団体事務局としてソフトウェアの証明書交付を担当する立場からは、本事業のDX化が課題と認識しておりました。

 こうしたなか、内閣官房デジタル市場競争本部が設置したTrusted Web推進協議会において、「法人と補助金」のユースケースが取り上げられていることを知り、JISA事務局が手掛ける工業会証明書事業も同様に、Trusted Webの具現化を目指すユースケースとして、公的証明分野のデジタル化・DX化の実現に資するとの判断から応募に至りました。

2.コンソーシアムの組成と今後の取組

 本事業は、Trusted Webの要件を備えたプロトタイプシステムの企画開発が中心となります。このため、JISA正会員の伊藤忠テクノソリューションズ株式会社及び、同社と協業関係にあるBlockBase株式会社と連携して本事業を推進いたします。両社は個人向けの次世代デジタルアイデンティティ基盤の実証実験で先駆的な実績を有することから、連携先として妥当と判断し、コンソーシアムを組成して応募しました。
 今後は、本ユースケースの実践を通じて関連省庁や工業会と連携しながら、Trusted Web推進協議会が先月公表した「Trusted Web ホワイトペーパーver2.0」が目指す世界観の実現を目指してまいります。
【参考】
・中小企業経営強化税制A類型
 中小企業者が対象設備を取得し、工業会証明書を添えて経営力向上計画を申請し、主務大臣の認定を受けると、資本金額に応じて、税額控除や即時償却/特別償却の選択適用が可能となる租税特別措置法上の措置。証明書を交付する工業会は中小企業庁より対象設備別に約150が指定されているが、JISAはカテゴリを問わず適用要件を満たすソフトウェアをすべて担当している。

・Trusted Web 
 内閣官房デジタル市場競争本部が2020年6月にデジタル市場競争会議における議論の成果として公表した「デジタル市場に係る中期展望レポート〜Society5.0におけるデジタル市場のあり方」において、中長期的なインターネット構造が目指すべき姿として打ち出された構想。
 デジタル市場の目指すべき姿として、”一握りの巨大企業への依存”でも、“監視社会”でもない第三の道として、
 • 多様な主体による競争
 • 信頼(Trust)の基盤となる「データ・ガバナンス」
 • Trustをベースとしたデジタル市場
の実現を目指すとの提言がなされた。 そして、その実現の一つの方策として、「データ・ガバナンスの在り方をテクノロジーで変える分散型の”Trusted Web”の実現」が提言された。この提言の具現化を目指して立ち上げられたTrusted Web推進協議会では、デジタル市場という視点に限らず、広くデジタル社会における様々な社会活動に対応できる信頼の仕組みを構築する(Trustの構築)という視点から、デジタル社会の一つの基盤となるインターネットやウェブの在り方について議論を行い、その成果をホワイトペーパーとして公表してきた。
 詳しくは、Trusted Web推進協議会が本年8月に公表した「Trusted Web ホワイトペーパーver2.0」をご参照ください。


 問い合わせ先:(一社)情報サービス産業協会 事業推進本部 広報担当 press@jisa.or.jp  

 

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