2016年1月8日
一般社団法人 情報サービス産業協会(JISA)は、このたび、『5年後に必要な情報技術』を予測しました。サーバ仮想化技術、スマートフォンなどがリストアップされ、IT業界全体がどのような変革の渦中にあるかを示す結果となりました。
JISAでは、2020年頃までに各業界でビジネスのデジタル化が一段と進展し、情報サービス企業の技術と経営に大きな変革が起きると予想していることから、業界を挙げてイノベーションに取り組んでいます。そこで、各社のイノベーションの指針となるべく、今回の予測を行ったものです。
JISA技術強化委員会は、技術者がどんな技術を身に付けようとしているか、業界全体として技術者はどんな環境に置かれているかを把握することを目的に、毎年「情報技術マップ調査」を実施しており、その中で情報技術の採用実績のアンケート調査を行っています(2015年度調査は現在実施中)。このアンケートの過去10年間、通算で約2万5千人分のデータと、同調査のワーキンググループ(以下WG)のディスカッションをもとに今回の予測を行いました。
■基盤技術ではサーバ仮想化技術が伸びる一方、IAサーバが低下
10年間継続調査している基盤技術の中ではサーバ仮想化技術のみが採用実績が増えると推計されました。IAサーバの採用実績は低下すると推計され、これはクラウドへの移行によるものとWGは推測しています。調査年数が10年未満で統計的には参考扱いながら、クラウドはSaaS、PaaS、HaaS/IaaSのいずれもが採用実績を伸ばすと推計されました。資産を持たない方向性のユーザ企業にとっては不可欠な要素となることから、クラウドは確実に拡大するとWGでは予想しています。
■サーバOSではオープンソースが伸長も、オンプレミスからクラウドへの置き換えが進む
Linux等オープンソースのサーバOSは一貫して成長すると推計されました。
しかし、WGでは、サーバOS全体としてはオンプレミスからクラウドへの置き換えが進み、サーバOSを扱う技術者の活躍の場面は高集約かつ統合的な基盤の構築などとなり、技術者は少数精鋭になるとの見解を示しています。
■クライアントはスマートフォンが伸びるが、業務端末が巻き返しの可能性も
スマートフォンの採用実績が増えると推計されました。一方、WGでは、業務端末は実績が多く、過去からの技術蓄積があることを踏まえると、IoTの刺激により巻き返す可能性があると指摘しています。
※予測結果の詳細は以下のとおりです。
「5年後に必要な技術」予測結果
※「5年後に必要な技術」の予測結果概要、「情報技術マップ調査」の概要、 「5年後に必要な情報技術」の選定方法については以下をご覧ください。
「5年後に必要な技術」の予測結果概要他
※2015年度の調査は現在、会員からの回答受付中であり、本年5月に報告書の発行を予定しています。
https://www.jisa.or.jp/it_info/engineering/tabid/1839/Default.aspx
問い合わせ先:(一社)情報サービス産業協会 広報サービス部
press@jisa.or.jp