SIS2021 プログラム詳細

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基調講演
誰一人として取り残さない、人に優しいデジタル化
13:05-13:50
國領 二郎(慶應義塾大学総合政策学部 教授)
 デジタル庁は、「誰一人として取り残さない、人に優しいデジタル化」を目指している。このシステム的な意味について考えたい。

【プロフィール】
1982年東京大学経済学部卒。日本電信電話公社入社。1992年ハーバード・ビジネス・スクール経営学博士。1993年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授。2000年同教授。2003年同大学環境情報学部教授などを経て、2009年総合政策学部長。2005年から2009年までSFC研究所長も務める。2013年から2021年5月まで慶應義塾常任理事を務める。

基調講演
重機が自動で走り省人化される次世代土木工事の世界
14:00-14:45
杉浦 伸哉(株式会社大林組 ビジネスイノベーション推進室 副部長)
 建設重機のロボット化を進めている技術は多いが、実現場での利用までには課題も多い。その課題は何でどう解決すべきなのか、また、その課題を解決するためには何が必要なのかを、技術の観点から、運用の観点から、安全の観点からご紹介します。

【プロフィール】
土木現場や設計、技術開発を経て、2012年からは大林組土木部門のICT推進責任者として活動。2017年にはAECAward2017で世界三位を受賞。2019年からは建設分野におけるInnovation活動を中心とした取り組みを加速。現職に至る。

経験報告セッション
仕様工程でのモデル導入を狙ったポチポチモデルの提案と評価
10:00から公開します
興津 綾弓(株式会社デンソークリエイト)
【共同研究者】林 香織、小林 展英
車載ソフトウェアの大規模・複雑化に伴い、開発文書のモデル化によって開発効率・品質を高めようとする動きがある。しかし実開発でのモデル活用はモデルの学習・変換コストが障壁となり進んでいないのが現状である。
本報告では、学習・変換コストの低いモデル記法として、データフローおよびトリガーフローのみに着目したポチポチモデルを提案する。また、モデル変換の手段としてポチポチモデリングツールを提案する。

経験報告セッション
障がい者が活躍するデータ準備体制の構築
10:00から公開します
福永 圭佑(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)
【共同研究者】三浦 基斉、柳田 雄二、江口 文乃
AI業界・金融業界など、データを扱う多くの業界で、データ収集・加工等のデータ準備作業(データプレパレーション)がボトルネックになっている。この課題を解決するため、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社では、障がい者が中心になって活躍している特例子会社CTCひなりと協力し、データプレパレーションの専門体制(ひなりData Preparation Center:ひなりDPC)を組成した。
もともと清掃や農業等の肉体労働を中心に活動していたCTCひなりの知的障がい者スタッフに対し、Pythonプログラミングのトレーニングを行い、単純な画像分類やタグ付けだけではなく、より競争力の高い作業に従事できるよう育成したことがポイントである。この育成方針の背景には、「障がい者スタッフのポテンシャルを健常者側で勝手に決めつけない」という決意があった。
1年以上の育成期間を経て、投資運用機関のテキストデータ可視化プロジェクト等にひなりDPCのスタッフを実戦投入した結果、速度・品質共に想定を上回るパフォーマンスを発揮した。
今後は、トレーニングの洗練化・作業環境の共通化等によりスキル・ナレッジを引き上げながら、参画者の裾野を拡げるための取組も開始する見込みである。

経験報告セッション
グリーン貢献サービスのデザイン思考によるユーザ要求獲得手法の提案
10:00から公開します
薄田 隼人(ステージストリート株式会社)
【共同研究者】位野木 万里
本研究ではグリーン貢献サービスの価値設計のため、デザイン思考によるユーザ要求獲得手法を提案する。
考案した手法では、Customer Value Chain Analysis (CVCA)とGoal Directed Task Analysis (GDTA)に基づきサービス設計を行い、とくにGDTAモデルをベースに、ユーザ脱落回避のためのアンチパターンをサービス設計プロセスで適用する。本報告では、グリーン貢献サービスを対象としたプロトタイプ開発とユーザテストの評価結果についても報告する。

経験報告セッション
SRE:Site Reliability Engineering はじめの一歩!~SRE 1st Steps~
10:00から公開します
島田 雄太(TDCソフト株式会社)
DevOpsやアジャイルというキーワードが、ユーザ企業などでも語られるようになってきています。DevOpsやアジャイルを推進する上で重要となるSREという役割をご存知でしょうか。
本発表ではSREとは何か?というテーマで、SREの役割や文化について説明します。

経験報告セッション
もうユーザが喜ばないモノを作るのはやめませんか?
~無知な私がもっと早く知りたかったUXデザイン~
10:00から公開します
打越 郁蕗(TDCソフト株式会社)
社内のSharePoint上に作成したUXに関する情報を載せたポータルサイトをリプレイスするにあたり、UXデザイン未経験者がUXデザインを実践しリプレイスを行いました。
ユーザ目線に立ててるつもりでも、ユーザ調査をしないと立つことはできないなどUXデザインの実践を通して得られた気づきをまとめています。

経験報告セッション
YOROZU ZERO-BASE ~観察を起点とした「真の課題」発見アプローチ~
10:00から公開します
大森 幸介(株式会社リンクレア)
【共同研究者】平田 貞代、岡田 日出則、樋口 潤子
多様化してきている世の中を生き抜いていくために、企業には「変革(Transformation)」が求められている。では、どのようにTransformして行けば良いのか?
従来は、企業に「ありたい姿」が明確にあった。現状とのギャップ(ニーズ・課題)を解決することが求められていたため、システム化構想立案フレームワーク”CANVAS-SAⓇ”を用いて顧客を支援してきた。ところが現在では、「ありたい姿」が不明、曖昧になっており、顧客から要求・要件が提示されなくなってきている。
そこで、文化人類学で使われる中心的な研究手法「エスノグラフィ」に注目した。ありのままの行動や環境を観察することにより、企業が自らの「ありたい姿」を発見できるのではないか、とエスノグラフィを用いた新サービス開発プロジェクトを開始した。
本報告では、「男性社員の育休取得率向上のための調査事例」を通じて、企業の変革=DXを支援する新サービス開発の経験と、その成果について報告する。

経験報告セッション
これからのSAFe導入
10:00から公開します
高岸 大路(株式会社NTTデータ)
当社が保有するキャッシュレス決済総合プラットフォームであるCAFISの周辺決済APIにおける大規模Agileフレームワーク導入を通した経験則を共有する。
CAFISは、キャッシュレス決済市場において1984年のサービス開始以来37年間の実績と月間処理件数7億件を誇る日本を代表する国内最大級のプラットフォームである。
そのため付随するAPI群も、ミッションクリティカル性を有し非機能要件レベルが高く、開発体制も大規模であるという特徴を有している。
そのような大規模プロダクトにおけるAgile開発の適用を段階的に進た事例と結果の共有になります。

ワークショップ
新たな価値創造とビジネスモデル構築のためのREBOK(DX編)体験ワークショップ
15:00-17:30
講師:
野村 典文 (伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)

コーディネーター:
斎藤 忍 (日本電信電話株式会社)
北川 貴之 (東芝デジタルソリューションズ株式会社)
田中 貴子(NTTテクノクロス株式会社)

企画・運営:
位野木 万里 (工学院大学)
JISAデジタル技術部会要求工学グループ
JISAデジタル技術部会要求工学グループの活動成果である「要求工学知識体系REBOK」の発行から10年を迎えました。REBOKは、要求工学の知識を実践の視点から整理し体系化した手引書として、多くの実務者らに利用されてきました。
ところで、Digital Transformationの社会実装の加速や、持続可能な社会実現のための開発目標への取り組みなど、
社会から求められる要求はさらに多様化し、要求工学が対象とする範疇も広がりを見せています。そこで、JISAデジタル技術部会要求工学グループでは、社会にインパクトを与える「問題発見」や「価値創出」を重視した、Digital Transformationの社会実装を円滑化するための要求工学知識体系、REBOK(DX編)の定義にも取り組んでいます。
今回、REBOK(DX編)に提示している新たな価値創造やビジネスモデル構築に関するプラクティスの体験ワークショップを企画しました。とりあげるモデリング手法は、ステークホルダの洗い出しとステークホルダ間の関係を可視化し、ビジネスアイデアの洗練化や具体化を行う手法であるCVCA:Customer Value Chain Analysis(顧客価値連鎖分析)と、提案価値をさらに高めるためのVPC:Value Proposition Canvas(価値提案キャンバス)を予定しています。参加者を複数のグループに分け、リモートワークショップを行います。オンラインホワイトボードやチャットなどのツールを駆使した、リモート下での新たな要求獲得ワークショップの工夫点を体験し、楽しいイベントになるように準備いたしておりますので、どうぞ奮ってご参加をお願いいたします。

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