S2f 事例研究

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講演テーマ

高品質なコア資産開発のためのレガシー資産活用の取組み-コードクローン検出ツールCCFinderXを用いたレガシーソース コードの分析事例-

発表者

東芝ソリューション株式会社
長岡 武志 


概要

近年、ソフトウェアプロダクトライン(SPL)の取組みに代表される、再利用を前提としたソフトウェア開発が注目を集めている。弊社ではSPLの取組みにおいて、レガシーシステムの成果物を活用することで再利用資産であるコア資産を効率よく開発することに取り組んでいる。しかし本取り組みの中で著者らは次のような問題に直面した。

問題1:品質の良くないレガシーシステムの成果物をそのままコア資産に組み入れてしまうとコア資産全体の品質を低下させてしまう。例えば、冗長・複雑なソースコードをコア資産に組み入れるとソースコードの保守性を低下させてしまう。

問題2:大規模なレガシーシステムの成果物を分析するのはコストが多大である。

そこで、著者らはレガシーシステムの成果物がコア資産としてふさわしいものなのか、効率よく、客観的に診断する手法として、コードクローン検出ツールCCFinderX[1]に基づいた診断手法を考案した。

考案した手法を事例に適用した結果、問題1に対しては、流用・再利用によって発生した複雑・冗長なソースコードを適切に特定できるという進歩があったが、これらのソースコードがどれだけ品質へ影響があるかを導くことは今後の課題となった。問題2に対しては、手法を用いることで専門知識を持たない分析担当者でも分析を効率的に実施することができ、大規模なシステムにも対応できることを示すことができた。

モジュール間の依存度やソフトウェアメトリクスの計測など、より多くの視点から品質を診断することが今後の課題として挙げられる。

(参考文献)
[1] CCFinderX http://www.ccfinder.net/

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