S5c チュートリアル


   

講演タイトル

システム及びソフトウェアの品質要求定義と評価
-ISO/IEC 25000 SQuaREシリーズの概説-

講師

日本電気株式会社
込山 俊博

概要

 発注者と開発者との間でのソフトウェア品質要求の合意、ソフトウェアの検証結果に基づく工程移行や製品リリースの判断、ニーズに合致したソフトウェア製品の評価・選定などを行う際、ソフトウェア品質の捉え方や評価の仕方に一貫性がないと混乱をもたらします。このような問題意識に基づき、ISO/IEC JTC1 SC7/WG6では、システム及びソフトウェアの品質モデル、品質メトリクス、品質要求定義と評価プロセスに関する国際標準化に取り組んでいます。

 本チュートリアルでは、同WGで制定を進めている国際規格ISO/IEC 25000 SQuaRE (Systems and software Quality Requirements and Evaluatio)シリーズに基づき、システム及びソフトウェアの多角的かつ定量的な品質の要求定義と評価の進め方を解説します。最初に、SQuaREという国際規格の体系を説明します。次に、システム及びソフトウェアの品質評価の観点を規定する品質モデル、品質モデルを構成する品質特性、各品質特性の代表的メトリクスを説明します。最後に、SQuaREに基づくソフトウェア品質認証制度の動向を紹介します。

 

プロフィール

1985年、慶應義塾大学・理工学部卒業。同年、日本電気株式会社に入社。以来、ソフトウェア製品評価技術、ソフトウェアプロセス評価技術、システム開発方法論などの研究開発に従事。2000年から、CMMI Institute-Certified SCAMPI Lead Appraiser/CMMI Instructor、iNTACS-Certified ISO/IEC15504 (AutomotiveSPICE) Competent Assessorなどの資格を取得し、ソフトウェア開発組織の業務プロセス改善コンサルテーションに従事。現在は、主にソフトウェアエンジニアリング技術の社内展開を推進している。対外的には、ISO/IEC JTC1 SC7/WG6国際セクレタリ/エディタ、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)・PSQ判定委員会委員などを務め、ソフトウェアエンジニアリング分野の国際標準化やJIS化、業界への技術普及などに貢献している。1997年度標準化貢献賞(情報処理学会・情報規格調査会)、2007年度国際標準化貢献者表彰(経済産業省産業環境局長表彰)受賞、2014年度国際規格(ISO/IEC 25051)開発賞受賞。共著書/共訳書:「ソフトウェア品質評価ガイドブック」日本規格協会、「パーソナルソフトウェアプロセス技法」共立出版、「情報サービス産業白書2010」日経BPなど。発表論文多数。IEEE、ACM、情報処理学会、電子情報通信学会、PM学会各会員。

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