S4a 経験報告

講演テーマ

要求仕様書の品質向上に向けた活動報告 ~一貫性検証の形式知化および自動化~

発表者

東芝ソリューション株式会社
○木村 隼人
北川 貴之
工学院大学
位野木 万里

概要

 高品質な要求仕様書の作成にはステークホルダ間での要求の検証が重要である。要求工学知識体系REBOKでは、要求の検証の観点として、完全性、トレーサビリティ、一貫性などの品質特性が定義されている。これらの特性のうち、要求間に矛盾がないことを示す一貫性の検証は、弊社では技術者や分析者に依存した属人的な方法で実施されており、その結果、検証の品質にバラつき発生するという問題が発生している。

 そこで、要求の一貫性検証を均質に実施するために、我々は、ベテラン技術者の検証ノウハウを形式知化し、要求仕様書の品質を検証する手法を提案する。また、一貫性の検証は、膨大な量の仕様書を人手で行うにはコストを要するため、自動化した。今回、検証する対象として、要求の種類のうちアクターに着目した。アクター間の矛盾は仕様書全体の品質に影響するため、優先して評価実験を行った。実際の要求仕様書を対象に本提案手法を適用した結果、アクター間の一貫性に不整合がある箇所を特定できた。さらに検証を自動化したことにより、効率良く不整合を発見することができ、仕様書の品質検証に有効な手法であることを確認した。

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