S5a チュートリアル

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講演タイトル

要求工学の実践
〜要求工学知識体系を読みこなすために〜

講師

有限会社エス・ラグーン/筑波大学
中谷 多哉子

概要

この講演では,要求プロセスの課題を再度検討することから始める.要求プロセスの課題の中は,要求分析者が要求分析技術を習得して適用するだけでは解決できないものも多い.たとえば,技術者と要求者が協力するだけでなく,成果物である要求仕様書の構成管理も必要となる.しかし,システムやビジネスの環境変化は避けることはできない.そして,要求は,これらの変化の影響を大きく受ける性質を持っていると言われている.
 
要求工学知識体系REBOKに続いて,今年,REBOKガイドが発刊された.この講演では,「私のプロジェクトで何をすればよいのか」という疑問を持ち続けておられる技術者,要求者の方々と共に,要求プロセスの5つの課題を提示し,共有することにする.これらの課題を解決するためには,第一に技術者と要求者双方に「課題の認識」と「協力」という変革が必要である.第二に,双方が,REBOKに示された技術を学ぶ必要がある.しかし,要求プロセスにおける多くの課題は複合化しており,解決は一筋縄ではいかない.
 
講演の中では,具体的な事例の調査結果を示しながら,複合問題を解決するための糸口も紹介する.

プロフィール

東京理科大学応用物理学科卒業後,日本電子計算㈱入社.富士ゼロックス情報システム㈱を経て1996年Sラグーン(現,㈲エス・ラグーン)を起業.オブジェクト指向モデル化技術,UML,要求獲得技術などの実践を支援.1998年東京大学大学院総合文化研究科修了.博士(学術).現在,筑波大学大学院ビジネス科学研究科で,社会人学生と共にソフトウェア工学の研究を行っている.主な研究テーマは,要求変更履歴の分析,要求抽出手法の開発と評価,漸進型要求獲得技術の開発.情報処理学会ソフトウェア研究会要求工学ワーキンググループ主査として,年3回の要求工学ワークショップ,および企業技術者向けの要求工学の東京サブワークショップを企画/運営している.情報サービス産業協会技術強化委員会要求工学推進部会委員.
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