S4f ワークショップ

講演タイトル

「残念なシステム」から「利益を生むシステム」に転換するためには!
~GQM+Strategies®の活用~

概要

ITシステムの開発においては、そのシステムが何故必要なのかということを十分に認識して開発を行われなければ、使いものにならないシステム、いわゆる「動かないコンピュータ」になってしまいます。このような問題への対応には、
1. 組織の目標と戦略が有効であること。(その根拠が明確)
2. 組織の目標が各部門の目標と戦略に展開されていること。(各組織の責任が明確)
3. 目標の達成を客観的かつ定量的に評価できること。(評価尺度が必要)
が重要です。
 このことを皆さんはよく分かっておられると思いますが、問題の根源にどのようにアプローチし、システム構築するかについては方法論が種々あるかと思います。
その内の1つの方法論として有望と考えるものについて、今回実習を通して説明します。
 そこで本セッションでは、ドイツ・フラウンホーファー研究機構IESEで開発されたGQM+Strategies®という手法(注)を用いたワークショップ(ある仮想企業を題材にした演習)を通して、皆さんに本当の意味で「動く」コンピュータシステムの開発と運用を実現するアプローチと考え方を体験してもらいたいと考えます。

(注)GQM+Strategiesは、 問題の根源へのアプローチとシステム構築の考え方を整理する手法です。早稲田大学のゴール指向経営研究会では、IPA/SECと連携しつつ、この手法の日本での有効活用について共同研究を実施しています。




                                                       

講師

早稲田大学
グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所
所長 鷲崎 弘宜

プロフィール

早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所所長、早稲田大学理工学術院基幹理工学部情報理工学科准教授、国立情報学研究所客員准教授。博士(情報科学)。再利用と品質保証を中心としたソフトウェアエンジニアリングの研究、教育、社会展開に従事。2013年にゴール指向経営研究会を産学官連携により設立、GQM+Strategies手法を中心として、ソフトウェアの開発・運用やIT経営・戦略をゴール指向および定量評価により健全かつ競争優位に進める方法を研究実践中。成果の一部は、日経情報ストラテジーに『「残念なシステム」のなくしかた』と題し2014年5-7月に共同連載。他の活動にSEMAT Japan Chapter Chair, IEEE Computer Society Japan Chapter Secretary, 情報規格調査会SC7/WG20小委員会主査、日科技連SQiP研究会副委員長ほか。著書・訳書に『演習で学ぶソフトウェアメトリクスの基礎』(日経BP)、『初級ソフトウェア品質技術者資格試験』(日科技連出版)、『ソフトウェアパターン』(近代科学社)ほか。


             

講師

早稲田大学
基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻 鷲崎研究室
学生 小堀 貴信


プロフィール

早稲田大学/基幹理工学研究科/情報理工・情報通信専攻/鷲崎研究室に所属。
研究テーマとして、主に超上流の要求工学を担当。ステークホルダー間の関係分析から網羅的に論理的な根拠を導出し、GQM+Strategiesのモデルを洗練し、保守していく手法を提案している。2013年5月より早稲田大学のゴール指向経営研究会にメンバーとして参加。
学会誌Requirements Engineering, First Asia Pacific Requirements Engineering Symposium, APRES 2014, Auckland, New Zealand, April 28-29, 2014. Proceedingsに論文掲載。


                                

講師

独立行政法人情報処理推進機構
技術本部/高信頼化センター(IPA/SEC)
SEC連携委員 平林 大典


プロフィール

独立行政法人情報処理推進機構/技術本部/高信頼化センター(IPA/SEC)連携委員。
早稲田大学/グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所招聘研究員。T&D情報システム株式会社/経営企画部/経営企画二課/サブマネージャー(係長)。1999年に大同生命保険のシステム部門に配属(後に、T&D情報システム株式会社に出向)。システム開発現場における基幹系システムのSEや情報系システムのリーダー、ユーザ企業側のシステム企画部門におけるシステム化計画の策定、推進担当を経験。2012年4月より2014年3月までIPA/SEC研究員として勤務し、現在は連携委員として普及活動を実施。 IPA/SECにおいては、GQM+Strategies手法など、主として超上流工程の研究テーマを担当。


                       

講師

株式会社 クニエ
CS事業本部 ITマネジメントサポートグループ
マネージャー 岸田 智子


プロフィール

システムエンジニアとしてプログラム開発とシステム構築の経験をつんだ後、コンサルティングファーム、外資系ソフトウェア会社、半導体会社を経て2007年より現勤務先にてコンサルティング業務に従事する。主に、さまざまな業界のIT部門/IT機能会社に対して、IT戦略立案、組織変革・プロセス変革を担当している。 2013年5月より早稲田大学/グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所招聘研究員として、GQM+Strategies手法の普及・展開に向けた活動に参画している。

  •  

このページの先頭へ▲