平成30年8月29日(水) 17時より、会員連携コミュニティ参加企業の女性メンバーで構成している「Woman's Working Life Community」(WWL)のグループ会合が、ソフトウェアエンジニアリング標準化研究会座長・構造計画研究所 川田葉子氏を講師に招き、JISA会議室で開催された。参加者は6名。
当日のアジェンダは、1.プチセミナー JISAの他活動を知ろう!、2.働く女性の現場情報共有ディスカッション、など。
- プチセミナー「JISAの他の活動を知ろう」 標準化研究会編
川田氏からは、メートル法、ピクトグラム、クレジットカードのサイズ、電波帯域など、身の回りの標準化の例をあげ、標準化の重要性が紹介された。また先端技術の分野では、認定まで2年ほどかかる公的標準(デジュール標準)をまっていられず、業界関係者でフォーラムをつくって標準を決める方法がメジャーになってきていることが紹介された。
標準化研究会では、参加各社の事例を共有することと、テーマを決めて研究を進めている。
古くて新しい「標準化」の話題だが、技術が複雑化する中で、業界として生産性を上げるためにも、標準化が重要であると改めて感じた。
- 働く女性の現場情報共有
川田氏を交えて、昨今の女性を取り巻く働く環境からシステム開発業務に関する話まで、多岐にわたってディスカッションを行った。以下の点が話題に上った。
- 管理職志向でないのに管理職に登用されるケース
女性活躍推進法が施行され、管理職の割合に注目が集まりがちだが、管理職になりたいわけではないのに登用されてしまう女性が増えて、かえって不幸になっている。その女性を会社として最終的にどうしたいか、会社と本人がよく話し合う必要があるのではないか。
男性にも同じことがいえる。技術者として能力が高い人がリーダーにされ、パフォーマンスを発揮できないケースがある。女性、男性問わず、スペシャリスト制度が充実するとよい。
- 育児がキャリアの障壁になると悩むケース
いまだに、結婚、出産のハードルがあると悩む人が多いが、すべて仕事に活かせるものだと考えると良い。育児は、クリティカルな運用システムで、止めてはならない。しかしイレギュラーばかり起こる。これをこなせることはマネジメント能力の向上に繋がる。
育児はいつか終わるが、深刻になりつつあるのが介護の問題。介護には終わりがない。
- 情報編集能力
作業手順=業務と思ってしまっていて、業務の本質をとらえる能力が養われていない。なぜその業務が必要か、誰も説明できないことがままある。要件定義において「普通このくらいだろう」という一般論で決める人がいると、非現実的な運用のシステムが出来上がったりする。
ルールを決める人は全体を把握して業務設計をする必要があるが、システム設計に携わる人とそうでない人で認識にずれがある場合がある。
- 要件定義
要件定義の難しさを美容室の話に例えることがある。美容室で、希望の髪型を美容師に伝えたけれど、仕上がりがイメージと違い、がっかりした女性は少なくない
⇒自分のイメージを正確に相手に伝えることは難しい。システムの要件定義も同じで顧客が伝えきれないところをくみ取って、経過を見せながら要件を組み立ててゆくべきだろう。
- Woman's Working Life Communityのご案内
- コンセプト
働く女性が楽しく、自分らしく、無理なく仕事を継続し、社会で活躍していくことを目的とした「働く女性の連携コミュニティ」です。
- 活動内容
第1部:30分程度のセミナー
- JISAコミュニティや委員会などの活動共有
- IT関連のビジネスに関するテーマ
- 女性活躍に関するテーマ
など
第2部:上記を受けたディスカッション
- ブログでの情報発信
活動発信、働く女性のリアルなつぶやきなどを配信。
【Woman's Working Life サブコミュニティの紹介】
http://wwl.blog.jp/
(山本)