第2回 技術強化委員会 標準化部会

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 標準化部会(部会長:伏見諭、東海大学)が6月18日、JISA会議室において開催された。委員14名が出席。
 新たなメンバーが参加されたこともあり、伏見部会長より、JISA標準化部会の経緯や活動について概略の説明があった。また、伏見部会長は標準化部会について、今後取り組みたいテーマや部会活動への要望などあればフランクに議論できることを話された。

Ⅰ.各WG活動について
 ITBIZ標準化ガイドブック改定WGの活動状況について、木村座長(キャノンITソリューションズ)から報告があった。『「ITビジネス標準化」に役立つ情報をまとめて紹介する本』で紹介した80本のガイドブック等のうち63本については、改定版でも取り上げる予定となったことや、今後の作業の進め方、新たな作業が生じたことなどが報告された。
JISA標準化Webの改定については、佐枝委員(城西国際大学)から構成、作業項目とスケジュール、分担などの説明があり、原稿執筆等について協力が依頼され、各WG及びリエゾン委員などから了承された。

 健全性評価指標WGの活動については、生田座長(SCSK)から説明があった。はじめに、長年、本ワーキングの座長を務められた後藤委員(構造計画研究所)が6月末で定年退職されるため、座長を引き継がれたことや後藤委員にはネットワーク等では引き続き議論にご参加いただくことなどが報告された。作成中の利用ガイドラインについては、完成しつつあることやユーザーのレビューなどを入れ、完成度を高めていることが報告された。

 VSE標準普及WGは伏見部会長から本WGが策定に関わったVSE規格(JIS X 0165)が6月20日に日本規格協会から出版されることが報告された。VSE規格の解説書作成状況については、7月以降、解説書案全体を通した検討に移行しつつあることが報告された。

Ⅱ.リエゾン活動について
 伏見部会長からISO/IEC JCT1/SC7(ソフトウェア工学)全般に及び各規格策定の動向について報告があった。また、モントリオール市(カナダ)で5月26~31日に開催されたSC7及びWG24(小規模組織のソフトウェアライフサイクル)の会議について報告があった。WG24はプロジェクト期間が延長され、Editorの一人として日本から参加している塩谷和範氏が再任された。

 水野委員(JISA)からSC27(情報セキュリティ)に関する規格動向について報告があった。ISO/IEC 27001及び27002(要求事項及び情報セキュリティマネジメントの実践のための規範)は原案審議の最終段階にあり、半年後には国際規格になる見通し。
 本規格案は、経済産業省の『クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン』を国際規格として日本が提案したもの。国際規格化されるのを見越して、JIS化の作業も同時に進められている。
水野委員は27001には要求事項が、27001には管理策がそれぞれ記述されている。管理策は若干少なくなっているが、内容は厳しくなっていると注意を促した。また、情報セキュリティが強く要求されるシステムのベースとなる規格であり、業界として注視するとともに先駆けてビジネスに活かすことなどを示唆された。

 室谷委員(TIS)からはSC7/WG7(ソフトウェア保証、ライフサイクルマネジメント等) に関する規格動向について報告があった。WG7が担当しているプロジェクトは多く、範囲も広い。『システム、ソフトウェア保証』については、4つのパートに分かれて検討され、それぞれ国際規格が発行され、改定作業が順調に進んでいる。『ライフサイクルマネジメントのガイド』は6つのパートに分かれて検討されているが国際規格のJIS化を検討しているところ。その他、室谷委員からは『製品品質達成のためのフレームワーク』『SOAにISO/IEC12207を適用するガイドライン』『検証と妥当性確認の研究グループ』『ISO/IEC12207と15288のハーモナイゼーション』などの検討の現状について報告が行われた。

 北野委員(新日鉄住金ソリューションズ)からはSC7/WG10(プロセス評価)に関する規格動向について報告があった。WG10はISO/IEC15504の後継シリーズ規格ISO/IEC33001シリーズの規格を審議している。ISO/IEC15504は当初、5つのパートから成っていたが、現在では10のパートから出来ている。本規格の審議の現状について、北野委員はレーティングのスケールを細かくすることなどについて、国際の議論と日本との間に若干ズレがあるとの認識が示された。

 佐枝委員(国際城西大学)からは、ISO/TC258(プロジェクト、プログラム及びポートフォリオマネジメント)に関にする規格動向について報告があった。ISO21502の委員会原案が完成したが、検討の結果まだ未成熟でありセカンドバージョンを作成し、更に詳細な議論を行うことになったことなどが報告された。また、TC258事務局から、2014年総会の日本開催に関する依頼が来ているとのことであった。

 次回は8月27日(火)開催の予定

(尾股)

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