令和4年12月6日、第4回財務税制部会(部会長:山崎徹也日鉄ソリューションズ(株) 財務部単体決算グループ グループリーダー)をオンラインで開催した。出席者は12名。
今回は、次の3点を議題として開催した。
1 研究開発税制要望の積み残し論点の検討
2 収益認識会計基準適用開始後フォローアップの意見交換
3 当部会の活動の在り方について
1 研究開発税制要望の積み残し論点の検討
当部会で6月に実施した税制改正要望項目のタマ出しのアンケートでは、研究開発税制関係では4点の要望が上がっていた。このうち、令和5年度税制改正要望では、「試験研究費の範囲の見直し(自然科学以外も対象に含めること)」を要望したが、前回の部会で検討の結果、「『専ら要件』(注)の緩和」を要望見送りとしたため、これが積み残しとなっていた。
そこで、この論点の取扱いについて検討し、「専ら」要件のうち、「従事期間がトータルとして相当期間(概ね1ヶ月(実働20日程度)以上)あること」が実態よりも長いために、研究開発税制の適用が困難となっているとの仮説を立てて検証する取組(ヒアリング・アンケートなど)を実施していく方向で調整することとなった。
2 収益認識会計基準適用開始後フォローアップの意見交換
3月決算企業においては本年4月より適用開始となった収益認識に関する会計基準は、損益計算書のトップラインである売上高にかかる会計ルールの変更を定めたものであることから、当部会では、2009年からIFRS15号への対応を皮切りとして意見提出やガイドラインの公表など多面的に取り組んできた。
本基準の適用開始前に実施した調査でも、適用に関する懸念が多数寄せられていたことから、アフターフォローの調査の実施を視野に、足下の課題認識について共通フォーマットで次の3点について情報交換を実施した。
a) 適用開始を受けて変更した運用・ルールの有無
b) 適用範囲について
c) 適用開始後に生じた問題の有無
この結果、aについては、規程の改定、適用案件の金額引き下げなどがあった。bは全社適用が多かった。cはすべての委員会社で問題は生じておらず、監査法人からの指摘もないとのことであった。
これは、概ね他の会員にも同様の傾向があると推察されることから、収益認識会計基準の適用に係るフォローアップの調査については見送ることとなった。
3 当部会の活動の在り方について
当部会の活動は、コロナ禍に入って以降、オンラインで実施している。JISAでも会合のハイブリッドやリアルでの開催が実施されてきていることから、活動のあり方についてZoomの投票機能を用いて確認した。
この結果、財務経理部門に所属する委員のテレワークは定着していることが明らかとなった。
(注)
試験研究費税額控除制度における人件費に係る「専ら」要件の税務上の取扱いについて(通知)課法2-28 平成15年12月25日
(田中)