第5回 技術委員会 標準化部会

 第5回標準化部会(部会長:伏見諭、東海大学)が12月11日、協会会議室において開催された。委員15名が主席。

1.規格動向報告と意見交換
 規格動向の情報収集をされている委員からの報告及び意見交換が行われた。
 伏見部会長からソフトウェア工学関係全般(SC7)の規格動向について報告された。プログラミング言語を検討するSC7/SC22では、文法だけでなく使われ方やその環境まで議論を広げ、Code signingやTraceabilityに関する議論が行われているとのことであった。

 室谷委員からはSC7/WG7の活動について報告された。WG7が審議している規格は広範囲に及んでいる。「システム及びソフトウェアの保証」「ライフサイクルマネジメントのガイド」「製品品質達成のためのフレームワーク」「アプリケーションマネージメント」「検証と妥当性確認」「SOAへのSLCPの適用」「構成管理」「SLCPとシステムライフサイクルの統合」。これらの規格について、室谷委員から規格審議上のステータスや今後国際規格に提案される予定などが報告された。

 北野委員からは「プロセスアセスメント」規格の33000シリーズ規格について報告された。

水野委員からはSC27/WG1で審議している「情報セキュリティマネジメント」規格について報告された。要求事項に関する規格と管理策に関する規格が国際規格の草案審議まで進んでいて、早ければ来年の4月、遅くとも10月には国際規格の改定が行われることになっている。これはISMS適合性評価制度に影響を与えるもの。JIS化については26年以降の見通しとのことであった。また、その前にJIPDECで対訳を出すことを検討しているとのことであった。
 また、日本が提案している「クラウドサービス利用のための情報セキュリティ管理策に関するガイドライン」は現在、委員会草案の段階にあるが、経済産業省が他国に働きかけるなど力を入れて国際規格化を進めているとの報告があった。

 川田委員からはVSE規格の動向についてレポートが提出されていた。本人に替わって伏見部会長が報告した。

2.ワーキンググループ活動報告及び意見交換
 ITBIZ標準ガイドブック改定WGの活動について、木村座長(キヤノンITソリューションズ)から報告があった。当WGは「ITビジネス標準化に役立つ情報をまとめて紹介する本」の改定を検討している。改定版では最近の技術動向などを盛り込む予定で調査・検討を進めていたが、改定企画案がほぼまとまりつつあることが報告された。

 健全性評価指標WGの活動について、後藤座長(構造計画研究所)からは、「プロジェクト健全性評価指標」についてJUASや発注者側への説明を行い、色々とご意見を頂いていることや、当WGに新たにユーザ企業からも参加者を得ていること、更に参加を希望しているユーザ企業がいることなどが報告された。また、関係者の合意形成に資する「利用差ガイド」の作成を進めていることが報告された。

 VSE標準普及WGの活動について伏見座長から報告があった。これまで3回の議論を重ね、VSE解説書の構成が固まったことや、規格の解説にとどまらず、重要な留意点を積極的に取り上げることや、囲み記事なども入れて,読者に伝えたいことを補強することなどが伝えられた。ドキュメントテンプレートなどは産業技術総合研究所で作成し筑波大学でも現在実証研究に使っているものを解説書に反映する予定で進めているとの報告があった。

3.情報技術標準化シンポジウム開催について
 当シンポジウムの企画案は固まっているので、今年度中の開催に向けて、日時、場所、講師をアサインすることなど準備を進めることが改めて確認された。

(尾股)

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