第3回 技術委員会 標準化部会

 技術委員会・標準化部会(部会長:伏見諭、東海大学)が8月28日、JISA会議室で開催された。委員13名が参加した。情報規格の動向報告、傘下の3つのワーキンググループからの報告が行われ、標準化セミナーの企画案などが検討された。

情報規格の動向については、JTC1/SC7(ソフトウェア工学)のなかから、トピックスとして、モデル化記法の規格がIEEEからISOにFast Trackであがり、審議が進んでいること、また、専門委員会のメンバーが数百名と巨大化したSC7をJTC1から切り離して、もう一つのJTCを作ろうとする動きが出ていることなどが報告された。

情報セキュリティマネジメント関連では、経済産業省が作成したガイドラインをもとにしたクラウドセキュリティ規格が国際規格化に向け、他国への働きかけなど強力に推進されているとの報告があった。また、セキュリティの管理策の規格であるISO/IEC 27002について、現在133ある管理策を109に減らす案が検討されており、改訂された場合、ISMS適合性評価制度への影響は大きいとの報告があった。

ITBIZ標準化ガイドブック改定WG(座長:木村雅信、キャノンITソリューションズ)は、2014年の改定版発行に向け、改定の方針と構成等の検討を始めているが、初版発行以降に生じたクラウドの進展やスマートフォンやタブレット端末の普及などの変化に応じたテーマ選定の調査に着手したことが報告された。

健全性評価指標WG(座長:後藤卓史委員、構造計画研究所)は、当WGが7月に発表した『健全性評価指標』の普及を目的として活動することとして、以下に取り組むことが報告された。(1)ユーザーとも連携した取組、(2)シンポジウム・セミナー等での発表、チェックリストの充実、実プロジェクトでの試行、(3)コミュニティ作り、各種イベントでの発表、関連機関との連携等を行うことになったと報告があった。

VSE標準普及WG(座長:伏見諭)は、VSE規格の解説書を作成することにして、日本規格協会と著作権の扱いなど調整していることが報告された。

VSEは今年末にはJIS化され、来年3月には出版される予定になっている。JIS化についてはJISAが原案作成にあたった。ISOは本規格をPublic Availableにしていることから、解説書を出すことについて特段の制約はないだろうと規格協会の見解が紹介された。

今年度、標準化部会では情報技術の標準化に関するイベントを企画開催する予定であるが、中小中堅企業のソフトウェアエンジニア向けのセミナー案について検討し概ね了承された。

(尾股)

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