第1回 企画委員会 知的財産部会

 平成24年5月15日、第1回企画委員会知的財産部会(部会長:内池正名、日本電子計算(株) 代表取締役会長)が、JISA会議室において開催された。会議は、同部会のメンバー12名に加え、特許庁審査業務部意匠課本多誠一課長始め特許庁から6名、経済産業省商務情報政策局情報処理振興課から朝倉大輔課長補佐他1名の計20名の参加を得て行われた。

 当日は、まず、内池部会長が開会挨拶の中で、「JISAの平成24年度事業計画書に『重大な岐路に立つ情報サービス産業』とあるように、業界を取り巻く環境は厳しいが、強みや利点にも目を当てて、課題については、前向きに取り組んでいきたい」と述べた。

 続いて、以下のとおり会議が進行された。

(1) 平成24年度企画委員会知的財産部会の活動について

 知的財産部会の位置づけや企画書の確認を行った。

 同部会の主な活動内容は次のとおりである。

・知識集約型へのシフトを促進するための知的財産権の在り方の検討

・近年の知的財産権法改正等を踏まえた特許ブックレッツの改訂

・知的財産関連事項への対応

(2)特許ブックレッツの見直しについて

 特許に係る啓発ツールである特許ブックレッツの見直しについて意見交換が行われた。今回の改訂では、「近年の知的財産権制度の整備状況(法改正等)の反映」「当業界におけるビジネスの現状・将来展望の反映」「判例・論点等最近の動向(海外含む)を踏まえたトピック等の最新化」「表記の修正等微調整」を予定している。今後は、一定期間、部会メンバーで意見を募集し、知的財産部会に設けた制度対応WGで改訂原案を用意する予定である。

(3) 知的財産権に係る情報交換

 昨年度の知的財産部会で共有した同部会参加メンバー各社の特許出願状況、登録状況を再度確認した上で、各社共通に寄せられた知的財産権に係る主な課題等について共有した。

 各社共通の主な課題として、「社員の知財意識の啓発」「限られた人数での知財業務の遂行」「特許推進の意義の明確化」が挙げられた他、特許出願件数が比較的多い会社からは、「グローバル対応」「特許の活用」等の課題が挙げられた。

 また、特許侵害回避のための調査についても各社の取組状況等に関する情報交換を行った。

 さらに、商標、著作権、秘密管理等への取組について、参加企業の状況を確認したところ、商標出願は、事業展開に合わせて、海外出願も含めて件数を伸ばしている傾向にあることを共有した。

(4) 3Dデジタルデザインを含む意匠の保護対象拡大について

 同議題からは、特許庁審査業務部意匠課を交えて、特許庁審査業務部意匠課意匠制度企画室から提供された資料「意匠法による画面デザインの保護について」に基づく情報共有を行い、意見交換を実施した。

 山田繁和特許庁意匠制度企画室長からは、「意匠制度の概要」「意匠法による画面デザイン保護の沿革」「画面デザインの現行の意匠審査基準」「意匠法による画面デザイン保護の現状」「画面デザイン保護額中の検討状況」「今後の検討項目」の観点から説明を受けた。

 これを受け、JISA知的財産部会メンバーからは、「意匠登録や意匠権の侵害回避のためにも、何が意匠法改正で保護され、何が保護されないのか分水嶺となる基準や事例を示して欲しい」等の要望が出された。

 意匠法による画面デザインの保護については、現在、産業構造審議会知的財産政策部会意匠制度小委員会で審議がなされている。JISA(知的財産部会)からも委員を選出しており、選出委員等を通じて、今後も意見を施策に反映していく予定である。

【参考】

○JISAブックレッツ6「情報サービスと著作権」改訂第2版の発行について

(茂木)

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