第2回 国際委員会

平成23年8月1日(月)、平成23年度第2回国際委員会(委員長:五十嵐隆富士通FIP(株)会長)が開催された。出席者は事務局を含め16名。

五十嵐委員長からは「中国の大変化を目の当たりにして、グローバル人材への投資の必要性を痛感した。忌憚のない意見交換を行い、活力を持ってこれから2年間活動していきたい」旨、開会に当たり自己紹介と所感が述べられた。引き続いて、参加各委員の自己紹介とグローバル化関連の現状や意見が述べられた。主な意見を次の通り紹介する。

○ グローバル人材教育に投資するのは、会社のお金の使い方として本当にそれでいいのか疑問に思うことがある。多額の投資をしても、社員は2週間のノーティスで辞めることができる。グローバル人材の確保と日本の雇用制度の問題はよく考えるべき。

○ オフショアから市場化の方向へという流れも意識している。グループとして海外売上比率を高める、という高い目標を持っている。ここ2-3年で大きな流れが出来て方向性が決まるように思う。

○ 中堅以下の社員は海外へ出るのをいやがる人が大部分を占めている。円高のため海外投資が活発になってきているが、日本人がいくとコストが高くつくので悩みどころとなっている。

○ ソーシングビジネスにおいては、サービスノウハウを日本に残しながら何とか進められないか、努力しているところだ。

○ 現在、日中の関係を双方向性の市場として見ることが重要だと思う。ビジネスリスクが大きいことは間違いないが、隣にいる大国であることもまた事実であり、避けて通れない。JISAの活動としては、地方会員や中小会員のことも念頭に置く必要性がある。

○ リーマンショック以降、国際展開への関心が高まってきたと考えている。現在はクラウド等パラダイムシフトも起きており、国内市場縮小の懸念もあって、海外に向けての意識が変わってきている。「日本のITサービス産業は恐い」と思われるよう、サービス化等構造改革に取り組んでいくべきと考えている。

事務局から現在の活動の進捗状況と今後の予定について資料説明の後、最後に「何を強みとしてグローバル化していくか」について再度意見交換があった。

○ ITの技術力は海外の方が先行していて、日本の方が優れている、という状況ではない。日本のITベンダーの特徴は業務知識しかないことになる。これが海外へ行くときの強みになるのか、よく検討することが必要だ。

○ 業務知識は本来ユーザーが持っているものであるが、これをサービス化し、海外にはできない「あうんの呼吸」のような暗黙知を形式化してメソドロジーにしていくような方法ができないか、関心を持っている。

いったん閉会の後、懇親会に場所を代え、再び活発な国際化論議が終了時まで行われた。

(山本)

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