第1回 企画委員会 知的財産部会

平成23年8月24日、第1回企画委員会知的財産部会(部会長:内池正名、日本電子計算(株) 代表取締役会長)が、JISA会議室において14名の出席により開催された。

当日は、まず、内池部会長が開会挨拶の中で、「知的財産部会に参加しているメンバーが業界各社で知的財産権に係るプロフェッショナルとして活躍することを期待している。経営資源の一つである知的財産は、活用することが大事であり、そのヒントは現場にある。JISAの取組においては、政府への必要な働きかけを行っていくことになるが、領域の広がりとともに関連団体との連携も考慮しながら行動をとっていくことが大事」と述べた。

続いて、以下のとおり会議が進行された。

(1) 平成23年度企画委員会知的財産部会の活動について

知的財産部会の位置づけや企画書の確認を行った。

同部会の主な活動内容は次のとおりである。

・知識集約型へのシフトを促進するための知的財産権確保の検討

・近年の知的財産権法改正等を踏まえた著作権ブックレッツの改訂

・知的資産経営を推進するためのセミナー開催

(2) 知的財産権に係る各社の取組等に関する情報交換

参加メンバー各社の「知的財産部門の体制や主な役割」「最近の注力ポイントや業務上の課題」「JISA知的財産部会に期待すること」等について情報交換が行われた。

業務上の課題として挙げられた「社員意識の向上」や「事業貢献」については、「知識がないと意識が湧かないため、知的財産の重要性に係る普及啓発活動が重要であること」「知的財産については、売上とのトレードオフで考えることよりも、企業にとってどのような利益をもたらすかという視点で考えることの必要性」を共有した。

(3) 法務・知的財産に係るJISAのこれまでの取組について

これまでにJISAで作成した法務・知的財産に係る主な報告書や「知的財産推進計画2011」策定に向けた意見等提出意見の概要について事務局が報告を行った。

続いて、昨年度、経営層向けに開催したJISA知的財産権セミナー「知的資産を活かした企業経営」において紹介した「情報サービス業の知的資産マネジメント」の内容について、永田義人委員((株)野村総合研究所 法務・知的財産部知的財産室長)が報告し、JISAの将来展望や知識集約の重要性について情報共有を図った。

(4) 著作権ブックレッツの見直しについて

著作権に係る啓発ツールである著作権ブックレッツの見直しについて意見交換が行われた。「知的財産権法の整備状況(法改正)の反映」「当業界におけるビジネスの現状や将来展望の反映」「最近の判例や論点等を踏まえたトピックのリニューアル化」を予定している。今後は、一定期間、部会メンバーで意見を募集し、知的財産部会に設けた著作権等制度対応WGで改訂原案を用意する予定である。

(5) 画面デザインの意匠保護について

「知的財産推進計画2011」(16頁)に明記された「3Dデジタルデザインを含む意匠の保護対象拡大について検討し、結論を得る」に基づき、特許庁意匠課(本件調査の委託先は一般財団法人知的財産研究所)で調査研究が開始される予定である。

当日は、特許庁審査業務部意匠課意匠制度企画室から提供された資料「画面デザインの意匠保護の経緯と課題」に基づいて情報共有を行い、法改正による保護のニーズ等について意見交換を実施した。

なお、知的財産研究所での係る調査研究は、本年9月から開始される予定であり、JISAもこれに委員を選出し、引き続き、ビジネスへの影響度等を推し量りながら政策への意見反映を目指すことが確認された。

(茂木)

  •  

このページの先頭へ▲