第2回 企画委員会 財務税制部会 IFRS WG

平成23年9月9日、第2回財務税制部会IFRS WG(部会長兼WG長:喜多昭男、ITホールディングス(株)管理本部副本部長)が、JISA会議室において20名の出席により次のとおり開催された。

1.「金融相『IFRS適用に関する検討』コメントを受けたIFRS事業の考え方」

  本年6月22日に金融担当大臣の会見によって示されたIFRS適用に関する検討について、当部会では7月に部会案をとりまとめてメーリングリストにて配信している。当日は、部会長より改めて部会案の概略の説明があったが特に異論はなく、了承された。

 大臣コメントを受けて当部会IFRS事業の考え方を示すと次のとおりである。

○今般の大臣コメントは、IFRS適用時期を中心としたものであり、IFRS適用それ自体の見直しを図るものではない。そもそも企業会計基準委員会(ASBJ)は、国際財務会計審議会(IASB)との間で、我が国の会計基準とIFRSとのコンバージェンス・プロジェクトを進めてきており、さる6月10日には、その達成状況の確認とIASBとの緊密な連携を図ってコンバージェンスを継続する合意が発表されている。

○当部会のIFRS事業は、情報サービス企業のIFRSの実務対応に資するために実施するものである。JISAは業界団体であり、上場企業のみで会員を構成していない。したがって、その取組内容は、今般の大臣コメントの対象となったIFRSの直接的な適用(アドプション)への対応だけでなく、当然にIFRSへのコンバージェンスを図った日本基準への対応も含まれる。

○特に、本年度事業は、部会参加企業の主体的な取組により、会計処理もさることながら、その前提となる取引及び会計事象を事例として整理することを目指している。これは、IFRS基準あるいはIFRSとのコンバージェンスにより新たに開発された日本基準への実務対応を図る場合に、基準に照らして洗い出した会計処理の前提となる論点(例.有形固定資産における償却の単位)の設定の妥当性など同じビジネスを営む各社共通の悩みを解決することに活動の重点をおくこととしている。

【部会の考え方(まとめ)】

今般の自見金融相のコメントを受けて、IFRS適用スケジュールや適用対象等の変更があったとしても、広い意味でのIFRSに関する理解の定着を図る当部会事業は有用であると考えている。当部会としては、JISAで推進する業界構造変革への戦略的適用を図る一翼を担っていることを自覚し、財務経理分野における会員企業等の実務対応に資する情報提供の一環として、平成23年度協会事業計画に基づくIFRS事業を継続する。

2.事例調査案作成チームによる調査活動結果の説明

 本年度IFRS関連事業成果物の原案作成の前提となる事例収集調査について、対象とする会計基準のうち、リースを除く無形資産(研究開発費)、棚卸資産、有形固定資産、無形資産(研究開発費以外)、収益認識の各基準の調査結果について部会長会社を中心とする事例調査案作成チームから報告があった。

3.事例収集の説明及びWG委員会社への依頼

 本年度IFRS関連事業委託先より、最終成果物原案を作成するためには、上記2をふまえて、委員各社からさらなる事例の収集が必要であるとして、収集すべき事例について説明が行われた。委員各社では、対象の会計基準毎に社内事例を収集することになる。

次回は、提出された事例をもとに、最終成果物作成に向けた検討を行う予定。

(田中)

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