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2013.05.09その他

JISA国際委員会日中部会活動レポート「-今後の日中間 ITサービス・ソフトウェアビジネスに関する展望- 」

【概要】

 まず、24年度の日中関係を一言で著すと、尖閣問題に端を発した政治リスクがこれまでになく高まった1年ということにつきる。

 中国でのオフショア開発には対立の影響はないが、最近の円安によって中国での人件費高騰をカバーできなくなった。沿岸部でのオフショア開発はコスト的メリットはなくなったと考えていい。今後、中国ではオーバーヘッドコストの削減、単価アップ等を考慮せざるをえず、国内回帰か他国へシフトすることを検討するところもあろう。

 なお、日本のマスコミ報道については非常に疑問であるとの声が部会でも多い。日中部会では、「中国はいぜん重要なパートナーであることを認識すべき」としている。

 3章と4章では、部会及びワーキンググループで行われた発表や議論をもとに、ローカルビジネスで注意しなければならないことを、列挙している。

 例えば、次のことが記載されている。

・ 日本側が売りたい製品やツールを売るのではなく、成功ノウハウを提供することが必要で、その中にソリューションがあるべき
・ 価格は日本の5分の1,そして10倍を売るぐらいにしないと現地ビジネスに適応できない

また、ビジネスでトップ同士の顔合わせがあった際に、相手側の要請を「持ち帰って検討する」とせず、即断即決でまとめた事例も記載されている。グローバルビジネスでのトップ会談の意義をあらためて示している。これは、中国だけでなくどの新興国市場にもあてはまることと考えられる。

 最後に残った課題として、現地のオフショア拠点をどのようにローカル市場開拓の拠点に変貌させていくか、ということがあげられる。オフショアは、待ちのビジネスで、指示されたことをそのまま実施することが重要で、これは現地市場開拓に必要な資質と相容れない。市場開拓にはマーケット分析の実施と、リスクはあっても積極的に動くことが求められる。

 これに対応するための事例として、日本のノウハウを元に、中国のノウハウを組み込んで、現地子会社にローカル市場向けソリューションを苦労して開発させた経験談が記載されている。この事例をもとに、本レポートの結論として、新興国市場向けには、日本の持つノウハウを現地市場にあった形で現地で低コスト再開発し、現地主導でマーケット開拓を進める必要があることを提案している。そして日本は、ソリューションをつくるため、品質を維持し、ソリューションを改良していくために必要な指導を現地に対して行い、その指導についてのノウハウ提供料、いい方を変えれば生産ライセンス料のような形で、収益を還元させることを一つの軸として検討すべきだ、ということを提案してまとめとしている。





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