S1d IPA/SECセッション


                            

講演タイトル

ソフトウェアプロジェクトトモグラフィ
-ソフトウェア品質の第三者評価に向けたソフトウェア開発管理-

講師

奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 教授 松本 健一

概要

ソフトウェア品質の第三者評価の普及と高度化を目的とする新たな枠組み「ソフトウェアプロジェクトトモグラフィ(SPT)」について,IPA/SEC・2012年度ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業の成果を中心に紹介します.ソフトウェア開発では,ソフトウェア品質そのものや品質に大きな影響を与える開発過程の情報の多くをベンダのみが知り得る,という,いわゆる,「情報の非対称性」が問題となっています.SPTは,一般的なソフトウェア開発管理システムが収集・蓄積しているソフトウェア開発データを,「要件」,「作業」,「組織」,「プロダクト」,「課題」の5つの観点に分類した上で,解析結果と関連するプロダクト断片を付加し,スナップショットと呼ぶデータ複合体の時系列として再構成することで,「品質評価に必要となるソフトウェアプロジェクトデータの提供」と「提供されたデータに基づくプロジェクト理解」を容易にし,「情報の非対称性」の解消を目指します.本講演では,SPTの基本概念を概説すると共に,いくつかのケーススタディを紹介します.

プロフィール

昭和60年大阪大学基礎工学部情報工学科卒業.平成元年同大学大学院博士課程中退.同年同大学基礎工学部情報工学科助手.平成5年奈良先端科学技術大学院大学助教授.平成13年同大学教授.工学博士.エンピリカルソフトウェア工学,特に,プロジェクトデータ収集/利用支援の研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,日本ソフトウェア科学会,ACM,IEEE各会員,電子情報通信学会フェロー,IEEE Senior Member.
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