令和7年12月3日に第2回技術委員会(委員長:冨安寛(株)NTTデータグループ 常務執行役員、副委員長:吉田英嗣(株)NTTデータグループ 技術革新統括本部 システム技術本部長)が、JISA会議室及びオンライン(Zoom)によるハイブリッド方式にて開催された。参加者は18名。当日の報告内容の要旨は以下の通りである。
1.委員長挨拶
冨安委員長より開会の挨拶があり、本日は経済産業省からの講演をはじめ、シンポジウムやコンテストの報告など盛りだくさんな内容である旨が述べられた。
2.講演:DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けた政策のご紹介
木村紘太郎(経済産業省)氏より、DXの停滞要因となっているレガシーシステムからの脱却に向けた政策について講演が行われた。レガシーシステムの技術的・経営的課題や、ユーザー企業とベンダー間のエンジニア偏在による問題点が指摘され、対策として「経営層のコミットメント」「IT資産の可視化」「徹底した標準化」の重要性が説かれた。また、経営層向けの「DX推進指標」の改定や、デジタル人材スキルプラットフォームの整備など、国の最新施策について共有された。
・レガシーシステムモダン化委員会
https://www.ipa.go.jp/disc/committee/legacy-system-modernization-comittee.html
3.システム開発への生成AI活用の現状と課題について
吉田副委員長より、日経クロステックの取材対応内容をもとに、システム開発における生成AI活用の現状について報告があった。生成AIの活用が上流工程を含む全工程に進み、「AIエージェント」や「AIネイティブ」な開発へとシフトしている現状や、今後のSIerに求められる役割(業務変革パートナー、AIネイティブSIer、領域特化SIer)について意見交換が行われた。
4.SIS2025について 技術委員会主催のソフトウェアイノベーションシンポジウム(SIS)2025(12/18開催)について
、最新のプログラム構成が共有された。エンジニアリング部会のワークショップに関連した書籍が出版されることや、基調講演・パネルディスカッションの企画概要について報告された。
・ソフトウェアイノベーションシンポジウム2025
-未来を切り拓く人と技術の新たな挑戦-(12/18)
https://www.jisa.or.jp/sis
5.インプレス「生成AI時代のデータマネジメント調査報告書」原稿執筆について 岡本委員より、インプレス社発行の「生成AI時代のデータマネジメント調査報告書」において、技術委員会として「データエコシステムと生成AI」に関する章を執筆した旨が報告された。(12月23日発刊予定)
6.事業者確認のデジタル化と認可制御に関するアンケートについて
岡本委員より、経済安全保障やEUの動向(デジタルプロダクトパスポート等)を踏まえ、事業者確認(KYC/KYB)のデジタル化に関する実態把握アンケートをJISA会員向けに実施する提案があった。
7.技術コンテスト第4回の実施について
技術コンテスト実行委員長谷川委員長より、現在開催中の第4回コンテストについて報告があった。参加者は過去最高の156名となり、「AIエージェント」を新テーマとして導入し、活発な取り組みが行われている状況が共有された。
8.部会報告
技術調査部会:現在「2025年度情報サービス産業における技術成熟度調査」を実施している。
・2025年度 情報サービス産業における技術成熟度調査(情報技術マップ調査)ご協力のお願い(1/28まで)
https://www.jisa.or.jp/public_info/web_news/tabid/4040/Default.aspx
サイバーセキュリティ部会:IT団体連盟との情報交換、SI事業者における脆弱性関連情報取扱に関する体制と手順整備のためのガイダンスの見直しの検討について報告があった。
(溝尾)