第3回 技術強化委員会

 平成27年2月24日、第3回技術強化委員会(委員長:國井秀子 (株) Pro-SPIRE)がJISA会議室で開催された。参加者は17名。当日は傘下部会およびWGの今年度の活動報告と、27年度事業計画骨子について意見交換を行った。

1.活動報告

(1) 技術企画部会(部会長:國井委員長兼任)
 部会は関連団体との連携活動を推進した。主に連携を取っているのは、情報処理推進機構(IPA)、enPiT(分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク)、統計数理研究所、情報処理学会で、各所が主催するセミナーやシンポジウムの協賛を行った。特にIPA高信頼化センタ(IPA/SEC)「ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業」には、SPESで発表された事例研究セッションの発表内容を照会し、当業界の現場の課題を研究者に提供した。

 情報技術マップWG(亀津敦:野村総合研究所)は、平成26年度「技術成熟度調査」を11月17日から12月26日の間で実施し、分析を進めている。本年度報告書は、5月発行を予定している。

 クラウド技術調査WG(吉成安宏:富士通エフ・アイ・ピー)は、4月に「クラウド時代の新しいソフトウェア開発の潮流」、11月に「クラウドインテグレーションにおけるSLAの検討ポイント」を発行した。itSMF JAPAN2014で、本レポート内容をベースに講演を行った。なお本レポートは、JISA WEBメンバーであれば、無料で入手できる。

(2) ソフトウェアエンジニアリング部会(佐藤敏明:リコーITソリューションズ)
 SPES企画WGは27年度JISAコンベンションとの共催を予定している。またSPESのテーマの一つである「プロセス改善」の定着が進んでいないとの認識から、2月に「PSP(パーソナルソフトウェアプロセス)紹介セミナー」を開催した。

 ビッグデータに関する活動は10月に「ビッグデータ解析入門」トライアルセミナーを開催した。受講者評価も高いため、次年度以降も継続して実施する。

(3) 要求工学推進部会(青山幹雄:南山大学)
 REBOK普及WGでは、前回に引き続き、要求開発の実践事例を共有し、要求開発の底上げに繋がる活動を実施している。また要求品質向上活動として「要求仕様書インスペクション設計法の活用による要求仕様書の品質向上」の実証実験を行う。すでに4社が参加を表明している。

 REBOK企画WGでは、要求獲得の代表的な技術を中心に、要求工学を実践する具体例を含めてパターンとして整理し、開発現場での要求工学知識体系(REBOK)の実践的な活用例を周知する「要求獲得を成功させる15のパターン」を制作している。またREBOK英語版の制作にも取り組んでいる。なお、REBOKは5刷りが決定した。

(4) 情報セキュリティ部会(丸山宏:統計数理研究所)
 6月に3つのレポート「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)とクラウドセキュリティの国際規格動向」、「クラウドコンピューティングのセキュリティ」、「情報セキュリティにおける訓練の方法論とベストプラクティス」を発行した(既報)。
 引き続き情報セキュリティマネジメントおよびクラウドセキュリティの国際規格の動向の把握に務める。また高度情報セキュリティ人材の育成に関する情報収集のため、有識者から説明を受けた。さらにIPAが主催する「情報モラル・セキュリティコンクール2014」の標語部門、ポスター部門、4コマ漫画部門についての各々にJISA会長賞を授与した。

(5) 標準化部会(伏見諭:東海大学)
 部会では情報規格調査会へ派遣しているリエゾン活動から当産業に資する情報を収集している。また12月に「ソフトウェア開発の技術標準活用セミナー」を開催し、80名の参加者を得た。

 ITBIZ改訂WG(木村雅信:キヤノンITソリューションズ)は9月に発行した「ITbiz標準 活用ガイド2014」をベースに、標準化ウェブサイトの構築を進めている。年度内に公開する予定である。

 健全性評価指標WG(早乙女真:NTTデータ経営研究所)では、プロジェクトが成功といえるのはプロジェクトが健全であるため、と言えることから、プロジェクトの成功を5つの観点から定義した。第一版の指標からのアプローチだけでなく、より複眼的に見る必要性を示している。レポートは5月発行を予定している。

 VSE標準WG(部会長兼任)は、VSE(Very Small entity) に Security & Safety を組み込むためのガイドラインを引き続き検討している。

2.次年度活動に向けて(意見交換)
 27年度事業計画骨子を事務局から説明した。専門委員会と研究会の違いや位置づけ、運営の方法などの質問があった。

 また27年度技術強化委員会主催研修の日程が決定した。詳細は別途案内する。

 (鈴木)

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