第2回 市場委員会 価格モデル部会

 平成24年12月11日、市場委員会価格モデル部会(部会長:宮地秀明、(株)インテックソリューションパワー代表取締役社長)がJISA会議室において10名の出席により開催された。

 当日は次の3点を議題として開催した。

● 価格決定の合意形成ガイドの作成に向けた検討

● 市場委員会主催シンポジウムへの当部会提出プログラムに関する検討

● 連続セミナー「ここまでやれば成功するプロジェクト管理」企画開催報告

 冒頭の議題は、前回合意が得られなかった、JISA価格モデルを深化(詳細化)する取組と次世代モデルに発展させる取組という活動フレームの全面的な見直しを図ることとし、 本年度企画案に掲げたベンダとユーザの価格合意形成」に向けてどのような取組を進めるべきかについて検討を行った。

1.活動フレームの見直しにあたっての前提となる認識

 活動の在り方の見直しにあたっての前提となる認識は次の通りである。

 ・ 業界挙げての活動の盛り上げを図り、取引慣行を変える空気の醸成が必要

 ・ ユーザのITコストに対する関心の高まりに応える取組が必要。

 この認識をふまえた、活動フレームを修正する視点は次の通りである。

2.活動フレームを修正する視点

(1)取引や見積時のおける課題から,モデルの深化(精緻化)を図る

 現行モデルと次世代モデルは式を変形するだけで実質的に同じである。したがって、当部会の活動を推進するには、(1)ユーザとの折衝時の課題 (2)ベンダ社内の見積業務遂行上の課題等を整理し、対処の仕方を提示することに重点をおいてモデルの深化を図る方が効果的と考えられる。この取組こそがモデルの深化と呼べるのではないか。この結果を取りまとめた成果物は価格合意形成に役立つものと期待できる。

(2)「情報サービス取引慣行の改革」という本来の活動目的に立ち返ると、ユーザとの連携による取組の推進が重要。

 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)では、見積標準体系に基づくリスク表のJUAS会員への展開を計画している。

 JUASではこれを現在実施中のソフトウェア・メトリックス調査に盛り込んでおり、JUAS会員企業が取引の現場で活用していくための普及活動も構想中とのことである。

 ユーザ・ベンダ間取引のコミュニケーションの改善を図るためには、両者共通の指標があることが望ましいといえる。JUASの目論見どおりに展開されることになれば、ベンダ側はリスク表に対応する必要が生じることから、当部会としてもJUASのこの取組に対応していくことが必要である。

3.活動修正案

 上記の視点をもとにした活動の修正案は次の通りである。

ステップ1: 価格合意形成課題の洗い出し                

 JUASのメトリックス調査のリスク表の普及展開の趣旨を把握すると共に、取引現場の目線で、ユーザとベンダで共有すべき価格合意に関わる課題の洗い出しを行う。

ステップ2: 価格合意形成に向けた論点整理(案)に関する検討 

 ステップ1の結果をもとに洗い出した論点について整理を行い、ユーザとの合意形成を図る上での出発点となり得るかに関する意見交換を行う。


ステップ3:「ベンダとユーザの価格合意形成に向けた論点整理(仮称)」取りまとめ 

 ステップ2の結果をふまえて「ユーザ・ベンダ間取引のコミュニケーションの改善」を図る成果物として取りまとめる。

4.活動修正案に対する主な意見

・ベンダでいうプロジェクト要件は、ユーザからみればリスクといえる。モデルのバラメータを洗い出して合意項目とするのがよい。リスクの洗い出し状況はJUASのメトリックス調査から読み取れる。

・ユーザと連携していくことについては異議なし。モデルの必要性は今後も言い続けていく必要がある。モデルをこのような考えがあるということでユーザとの対話のファーストステップと位置付けるのがよい。

・修正案は見積もりのフレームワーク、見積もりの根拠を示すということ。そもそもどんな要素があるかの共通認識が得られていない。この修正案はそれを明らかにするということ。

・現場からのボトムアップ的なアプローチで取引当事者の納得感を得る。価格だけでは比較できない。

・合意形成項目を満たせなければ、一括でなく、準委任で請けることになる。項目には、進捗報告の仕方からユーザ側の体制、検収条件、品質のチェック、バグ残量の許容範囲まで取り決めることを想定している。

・合意形成項目を詰めるには取引上の「見積プロセス」に時間がかかる。相見積もりで一発で決めるユーザには対応できない。

・合意形成項目は、リスクの捉え方を紹介するものになる。ベンダサイドにおいては、リスクをどこまで認識しているかがある種の競争になるかもしれない。

・合意形成項目を世に出すことで価格の合意の仕方についてのノウハウが蓄積できるかもしれない。

 このほか、市場委員会主催シンポジウムへの当部会提出プログラムについては、事務局に一任することになった。

(田中)

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