JISA 「情報サービス産業白書2005年版」を発表

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2005年6月9日

JISA「情報サービス産業白書2005年版」を発表

 (社)情報サービス産業協会(JISA)は、このたび「情報サービス産業白書2005年版」を発表した。

【本白書のテーマ】
「グローバル化進展における変革への実践~継続的成長のための人材育成・確保」

【本白書の主な内容】
1.業界の人材育成状況(国内)

  • 人材の充足状況
  • システム開発環境の変化や企業の戦略変化に伴い、求められる人材も役割に応じて細分化・高度化する傾向がある
  • 「プロジェクトマネジメント」は会員企業全てに共通し不足感を感じているが、「セールス・マーケティング」「コンサルタント」は企業規模が大きくなればなるほど、不足感が高まる傾向がある。

図表1事業展開上で不足している人材

図表1 事業展開上で不足している人材(3つまで)
資料:JISA「事業者アンケート調査」(2004年8月)

  • 人材確保
  • 新卒採用の重視される判断基準としては9割を超える企業がスキルや経験よりも資質を重要視している。背景には、日本におけるIT関連の専門教育を受ける学生数が少ないこと、IT関連専門教育を受けている学生も、実践的な教育機会が少ないこと、などがある。

図表2 採用判断基準
資料:JISA「事業者アンケート調査」(2004年8月)

  • 人材拡充への取り組み
  • JISA半数企業では人材育成戦略を策定しているものの、他半数の企業では「特に実施していない」と回答しており、産業全体における取り組みは十分とは言えない。
  • スキル体系については、「自社独自の教育体系を保持している」企業が半数あるが、一方で、「ITSS等に準拠した教育体系を保持している」と回答している企業はわずか。
        • 教育体系
        • 日本では多くの企業が入社後一定期間、テクニカルスキル・ビジネススキルを修得するための共通研修を実施する傾向。オフショア化等に対する教育体制構築について未整備である企業が多い。
        • 育成手段
        • 「実プロジェクトへの参加(OJT)」が最も有効な育成手段と考えられている。

        図表3 教育体系の有無


        図表3 教育体系の有無

        資料:JISA「事業者アンケート調査」(2004年8月)

        図表4 最も効果のある育成手段
        資料:JISA「事業者アンケート調査」(2004年8月)

        2.継続的成長のための人材育成・確保のあり方

        • 人材育成のカギは戦略と運用の充実が不可欠
        • 「戦略」「制度」「運用」という三つの視点において、今回のJISA会員アンケート調査の結果から見られる実態は、国内情報サービス企業が「人材育成制度」の充実に偏重しており、「人材戦略」、「人材育成の運用」において課題が存在。
        • 戦略面の課題である戦略そのものの定義ができていない企業と、人材戦略と事業戦略がマッチしていない企業を合わせると、実に40%以上に上る。
        • 運用面で見れば、必要な人材を従業員に提示できていないなどのコミュニケーション不足が課題となっている企業も22%も存在する。
        • 人材育成を効果的に運用をするために
          日本の情報サービス企業の多くは、制度は充足しているものの、運用面が弱く、効果を出せていないという状況。制度を効果のあるものとするための、運用ポイントを整理。
          • コミュニケーションの充実
          1. 企業の目指す方向性(戦略)と、個々人の目指す人材像の方向性の相互のベクトルを合わせることが必要となるが、そのためのコミュニケーションを十分行うことが必要。
          2. 業績評価制度とスキル評価の区別
            より広い視野を持ち高度な対人能力などが必要とされるため、評価を目的とした育成ではなく、結果として評価される制度を構築することが必要。
          3. 人材流動性を意識した採用機能の強化
            人材の流動化の状況における人材確保のためには採用機能の強化が企業に必要。
          4. 評価者・経営層に対する育成、啓蒙
             育成は育成対象者本人だけでなく、育成評価者による評価が重要。評価者トレーニング、考課者研修、経営層研修など。
          5. 経営者のマインド改革
          6. 企業として目指す方向性、戦略を自らの言葉で語り、従業員の意識を変えさせていく努力が必要不可欠。
          • 個別企業の努力に加え、業界として高度IT人材を育成する取り組みを行っていくことが不可欠であると考える。単一企業の枠を超えた人材育成の取り組みの一例を提言する。
          1. 取組み案 産学連携機会の創出
            漠然とした産学連携にとどまらず、企業側が具体的に求める人材像やスキルを提示し、大学と共有する。
            取り組みが即座に実践スキルを有する高度IT人材の育成につながるわけではなが、基礎教育を教育機関が担い、個人の成長スピードを速めることは、業界全体の人材教育コストを低減させることにもつながり、取り組む価値は大。
          2. 取組み案 OJTの場の創出
            業界においてOJTに必要な環境・場を備えた、何らかの組織(機能)を設ける。すなわち、業界協同のOJT環境の設置。
          3. 取組み案 業界の魅力向上
            IT人材が働きやすい環境を整備していく。
          4. ex.フレックス制度や在宅勤務など
          5. より自由な勤務制度導入に関する
          6. ガイドライン作成。
          7. 住環境に優れた地方でのソフトウェア・パーク展開。


          図表5 産学連携の実施・希望状況

          資料:JISA「事業者アンケート調査」(2004年8月)
          なお、本白書のサマリーについては、JISAホームページ(http://www.jisa.or.jp/)に掲載予定。
          本白書の入手方法については、政府刊行物センター及び全国の大手書店で販売される他、出版元であるコンピュータ・エージ社(03-5531-0070)から直接購入することも可能である。


          問い合わせ先:(社)情報サービス産業協会 調査企画部 田畑 TEL:03-5500-2610

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