在職中に青年海外協力隊としてザンビアへ

在職中に青年海外協力隊としてザンビアへ

Profile

  • Kさん
  • 明治安田システム・テクノロジー(株) デジタル・システム開発部
  • 工学部卒業
  • 2007年入社

生命保険会社のグループ企業内で損害保険システムの開発業務、教育業務を経て、現在は営業向けのシステム開発を担当しています。2年間会社を休職し、青年海外協力隊の一員としてザンビア共和国で活動していました。

ザンビアでの活動で広がった視野と人間関係

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もともと学生の頃からボランティア活動に取り組んでいました。冬に長野県に雪かきに行ったり、湘南の海岸や渋谷の街中で開催されるゴミ拾いに参加したり。社会人になってからは休暇中に発展途上国を中心に海外旅行をすることもあり、海外でのボランティア活動への興味が芽生えて、青年海外協力隊に参加したいという気持ちが大きくなりました。

2年間の長期にわたる活動なので退職覚悟で会社に意志を伝えたら、籍を置いたまま行っていいと、許可をいただけました。正式にボランティア休職の制度があったわけではないのですが、熱意を伝えられたことで、特例として認めてもらえたんです。ですから、帰国後の心配をすることなく海外での活動に専念することができました。

青年海外協力隊の一員として、2年間ザンビアに赴任しました。ザンビアでの業務は職業訓練校でのコンピュータ講師だったのですが、これまでいかに自分が恵まれた環境にいたかということを実感しました。

まず、食事が辛かった(笑)。毎日同じメニューで、飽きるんです・・・。
仕事上の苦労としては断水や停電が非常に頻繁に起こること。停電すると、コンピュータの起動もできず、コンピュータの授業なんて何もできない、と最初は困りました。

しかし、次第にそういった環境の中でも工夫してできることを考えるようになりました。例えば停電の時はコンピュータを分解して中の部品の構造や物理的な仕組みを理解してもらったり、キーボードだけ用意してタッチタイピングの練習をしたり。

日本の会社のオフィスだと綺麗な机があって、電気も点いているし何もかも揃っている。でも世の中はそういう環境ばかりではない。資源が足りない中で、目的を達成するために何をするかを前向きに考えることを学びました。

これは他の青年海外協力隊のメンバーと交流する中でも実感したことですが、本当にいろんな環境のメンバーが参加しているので、自分の会社以外の世界を知ることができたのがとてもよかったと思います。ザンビアでの活動を通して視野が相当広がりました。

後輩には好奇心とコミュニケーションを大事にしてほしい

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会社に復帰してからは、ザンビアでの経験を生かすことができる教育業務の担当になりました。新人を4か月弱教育するのですが、むしろ教えられることが非常に多いと感じました。最近の新入社員は向上心を持って頑張る人が多い印象です。ぜひ、勢いをそのままに成長していってほしいですね。

新人からは、流行っているアプリや言葉を日々教えてもらっていました。IT業界は変化が早いので、新聞やネット記事には載っていない若手からの生の情報は、僕のような中堅にとっては大変貴重だと感じています。

未知の分野や新しいことに積極的に興味を示して学ぶことで道が広がっていくので、若手には好奇心を持って仕事に取り組んでいってほしいです。僕はボランティアへの取り組みが青年海外協力隊やその後の会社でのキャリアにしっかり繋がりました。好きなことが未来を作るんです。ですので、大学生のうちに好きなことをとことんやったらいいと思います。

コミュニケーションをとることも大事です。エンジニアというとPCに向き合って黙々と作業するイメージがあるんですが、実際には打ち合わせも相当多いし、一人ではできない仕事がほとんどです。幸いなことに当社はかなりオープンな雰囲気で、チームのメンバーはもちろん、部署が違えど質問等も気軽にできる環境です。周囲と積極的に関わることで人脈もできるので、実現できる選択肢が増えます。

根本にあるのは「人の役に立ちたい」という思い

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現在は保険の営業担当者が現場で使用するタブレットのアプリの開発に携わっています。使用するプログラミング言語も、今まで経験したことのないものだったので日々勉強中です。品質の高いシステムを設計するには、しっかりと言語の特性を理解する必要があるからです。

今注目している技術はブロックチェーンです。ビットコインなどの暗号資産をきっかけに注目されたシステムですが、現在は改ざんができない特徴を生かして様々な分野で導入が進んでいます。保険会社のシステムを担当していますから情報の信頼性は非常に重要です。今後導入されるのでは、と考えているので、個人的に情報収集や勉強をしています。

あとは社外のMeet Upにも2か月に1回程度顔を出して、社外の人とも交流するようにしています。社内にいるだけでは得られない経験や情報を得ることができる貴重な時間です。

今後は開発業務を行いながら社内でマネジメントに携わることが目標です。人の役に立ちたい、人の役に立つものを作りたい、という思いが常に根本にあるので、組織としての視点、開発者としての視点を持ちつつ、本当に役に立つシステムを作り出していきたいと思います。

一生の宝物

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ザンビアで現地の人や子供達、仲間と撮影した写真が一生の宝物です。日本じゃ考えられないことがたくさんありましたから。
下は小学校の低学年から上は大学生くらいまで教えるんですが、小さい子にしっかり授業を受けさせるのには日本と違った工夫が必要でした。授業中に知らない謎のおじさんが教室に入ってきて、一生懸命何か話しかけてくるんだけどさっぱりわからない、ということが起こったりしますから(笑)。

そういった驚きも含めて本当に貴重な体験でしたし、ザンビアで知り合った現地の方はもちろん、協力隊の仲間とは今でも連絡を取ったり集まったりしています。青年海外協力隊での2年間は一生の財産となりました。

#キャリア#ワークライフバランス#働き方#理系出身

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