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    文系出身グラフィックレコーダー

エンジニアを経て総務業務のIT化に取り組む
文系出身グラフィックレコーダー

エンジニアを経て総務業務のIT化に取り組む<br />文系出身グラフィックレコーダー

グラフィックレコーディング&グラフィックファシリテーション➀

2021.7.14
総務/経理 

Profile

    川さん

  • さくら情報システム(株)
    業務改革部
  • 経済学部卒
  • 2005年入社

話し合いを可視化することで、相互理解や議論の活性化を促すグラフィックレコーディング・グラフィックファシリテーション。
グラフィックレコーディングを習得中の川さんに、その魅力や勉強方法、今の仕事などについてお聞きしました。

絵に描くことで認識を共有できるツール「グラフィックレコーディング」

会議や打ち合わせをすると、議事録などに残しますが、文字だけでは会議の空気感や雰囲気は伝わりません。図や絵で表現するグラフィックレコーディングは、会議のエモーショナルな部分も伝えることができ、意思の疎通がスムーズになります。

グラフィックレコーダーとグラフィックファシリテーターは、絵や図で表現することは共通ですが、会議に関わっていく役割が異なります。私は、議論をひたすら描くレコーダーです。ファシリテーターは、絵を描きつつ議論に加わり、議論を促します。

私がグラフィックレコーディングする際は、実際に描いたものを皆さんに見せながらリアルタイムで描き進めていくパターンと、後から描き起こすパターンがあります。
リアルタイムの場合は、その場でお見せすることで、視覚的な気付きにつながるのがポイントです。Zoomで会議に参加し、同時進行で紙に描いたものをスマホで撮って見ていただくことが多いです。グラフィックレコーディングでリアルタイムに確認することで、齟齬が起こらず、「ここをもう少し詳しく・・・」と掘り下げることもできます。

グラフィックの初作品は「ゴミの分別チラシ」

私がグラフィックレコーディングを始めたきっかけは、2019年の夏にセミナーを受講して、グラフィックレコーディングを実際に見て感動したことです。
それからほとんど独学で勉強を続けていて、グラフィックレコーディングの前提となる、グラフィックを初めて完成させたのが2020年の春ごろです。コロナ禍で在宅勤務が始まりましたが、最初はリモートワークの環境があまり整っていなくて、ネットワークが切れてしまうこともありました。そんな時間を有効活用して、「ゴミの分別」を周知するためのチラシを作りました。

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【初作品のごみの分別チラシ】

大阪府のホームページで調べて、ごみを分別する理由も記載したところ、周囲の人たちに「面倒なゴミの分別を、なぜしなければいけないのかがよく分かった」と好評でした。
文字だけの説明よりも分かりやすく、伝えやすくなることを実感して、グラフィックレコーディングのスキルをもっと磨きたいと思いました。

社内でただひとりのグラフィックレコーダーとして

議事録の場合は後からテープ起こしできますが、グラフィックレコーディングではリアルタイムでポイントをキャッチしなければいけないため、かなり集中力が必要です。必死で描いていますが(笑)、全て記録することはできないので、会議や論議の内容を理解し、要点を取りこぼさないことが重要です。

今は、社内で月1回行われるビジネスアイディアのピッチ大会をグラフィックレコーディングしています。ピッチ大会1回につき23件、1件質疑応答を含めて30分くらいを、1枚のグラフィックに収め、清書したものが弊社のポータルサイトの掲示板に掲載されます。
30分間集中して聴いて描くことだけでも大変なのですが、私の知識が不足している技術的・専門的な要素が多い内容だとさらに難しくなります。事前に公開されるピッチの内容を予習し、理解したうえでグラフィックレコーディングに臨んでいます。

ピッチ大会に参加できなかった人から「絵だから内容が分かりやすくてありがたい」「絵のタッチがやわらかいから内容が理解しやすい」などの声をいただけるのはとても嬉しくて励みになります。
グラフィックで記録することは、私にとってもメリットが大きいんです。描くことで内容を整理できますし、具体的なイメージにすることで理解につながります。また、自分が内容をどのくらい理解できているかの目安にもなります。

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グラフィックレコーディングは、絵に描くことで認識を共有できるツールですが、現時点では、その良さはまだまだ分かってもらえていません。
ビジネス上の議論の場はもちろん、家族同士の会話などでも意見が食い違ったり、内容がうまく伝わらなかったりすることがありますから、グラフィックレコーディングは、多くの場面で活用できると思います。

私もそうでしたが、グラフィックレコーディングは、気軽に始められますので、興味がある人はどんどんやってみてほしいですね。一緒に勉強できる仲間が欲しいです。

「文系」から「エンジニア」そして「総務」...幅広い職種を経験

大学時代、1コマだけ受けたプログラミング授業で、自分が作ったものが動くのが楽しくて、「ものづくりがしたい」と思ってIT業界を志しました。
文系の学部からエンジニア畑に飛び込んだため、最初は「ロジカルシンキング(論理的思考)」ができず苦労しました。先輩方に鍛えられ、入社して45年たった頃、家族や友人に「会話が理屈っぽくなった」と言われるように(笑)。ロジカルシンキングが身に付いたことを実感しました。

入社して3年くらいはERP(基幹システム)アプリを担当、その後インフラを3年、次に研究開発部門でオープンソースの技術開拓、仮想化など当時の新しい技術にチャレンジしました。

2015年大阪に転勤になり、親会社のインフラ部門に出向し、2年後に大阪支店の総務部門に配属されました。エンジニア職種から事務系職種に変わったのではなく、大阪支店の総務部門をIT化する業務を任されました。
現在は総務の事務系の仕事と拠点内の端末やサーバー、インフラ周りを管理する業務、ポータルサイトなどのコンテンツ管理を行っています。将来的には事務作業の自動化なども視野に入れています。総務業務を担当する8人の中でIT化担当は私1人だけですが、皆さんに納得してもらいながら進めています。

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【業務履歴(川さんに描いていただきました)】

間接部門もIT化で自由な働き方を実現したい

IT化を進める上でのハードルは「業務整理」です。総務には紙のやりとり、物の受け渡し、押印などの業務があり、自動化するためにそれらを取捨選択することがとても大変です。総務など間接部門は、会社のルールに基づいて業務を行っていますので、時には根本の会社の規定から見直す必要もあります。また、業務は単なる作業ではなく、そこに人の思いが入っていることもあります。それを考慮し、業務の仕訳は丁寧に行うことを心がけています。

私は、総務に配属されるまでは、「全ての業務をIT化すればいい」と漠然と思っていました。ところが、実際に総務の業務を整理するとオンライン、自動化、IT化それぞれできることできないことがあり、どうすることが最適なのかを考えるようになりました。

弊社に限らずどの企業も共通かもしれませんが、結局「面倒だからこのままでいいのでは?」と、IT化が停滞してしまいがちです。
私の理想は、総務などの間接部門も完全テレワークができるような環境を実現して、もっと自由な働き方ができるようにすることです。
そして、複雑な総務業務を自動化するソリューションを作りたいですね。同じ課題を抱える企業は多くありますので、会社の新しい事業領域創生につながりそうです。新しいサービスを生み出すことにも携われたら嬉しいです。

興味あることに次々とチャレンジしたい

1年後には一人前のグラフィックレコーダーになって、全社に展開したい。予定では今頃一人前になっているはずでしたが(笑)。とにかくたくさん描かないと上達しないので、どれだけ場数を踏めるかが重要です。さらにグラフィックファシリテーションもできるようになりたいです。

グラフィックレコーディングを始めてからユーザーインターフェイス(UI)にも興味が湧いてきましたので、楽しいUIづくりにも生かしていきたいです。

1年ほど前に、作業のイノベーション活動のワーキンググループに総務として参加し、AIを使った感情分析ソリューションを作ったことがあります。オンライン業務が増えてコミュニケーション不足になるので、オンライン上で感情を可視化できるプロトタイプを作ったのです。このような、イノベーション活動ももっとやってみたいです。

これからも、興味を持ったことにどんどんチャレンジしていきたいです。

#キャリア#スキル#大阪#文系出身

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