SIer企業の現役社員が小説を発行~小説の執筆も仕事もチームで ➀
(左から堀江さん、鎌田さん、山内さん、野村さん、藤田さん)
- 2020.8.12
- プロジェクト
Profile
- 山内さん
- ITインフラソリューション事業本部
- 文学部卒
- 2003年入社
- 野村さん
- 鉄鋼ソリューション事業部
- 人文学部卒
- 1992年入社
- 鎌田さん
- ITインフラソリューション事業本部
- 理工学部卒
- 2007年入社(転職)
- 堀江さん
- 技術本部システム研究開発センター
- 理学部卒
- 2002年入社
(藤田さんは欠席)
2020年7月に発行された矢野カリサ著の「HumanITy」。実はこの小説は、日鉄ソリューションズ(株)に勤務する5名の共著で、1作目の「シンギュラリティ」(2017年)以来毎年発行を重ね、SIer企業の社員ならではのリアルな仕事現場の描写も興味深い「HumanITy」はその4作目。執筆メンバーに、その経緯や裏側を聞いた。(全2回)
「HumanITy」:入社5年目のSE・花が異動した先は、とある製造業のアプリケーション開発部隊。日本の未来を大きく変える「全自動化システム」実現に向け、奮闘する花たちの行く手を阻むものとは・・・(帯より)
※著者名の「矢野カリサ」は、執筆メンバー5人の名前を1文字ずつ組み合わせたものです。
今担当している仕事
鎌田:名古屋で大手企業のアカウント営業を行っています。
あるお客様一社を担当し、あらゆる商品やソリューションを提案する仕事です。データベース製品を一括で卸しており、私は大規模プロジェクトの契約管理やお客様の要望のキャッチアップ、課題管理、進捗管理などを行っています。
堀江:お客様先でシステムの設計や構築をするSE職を経て、現在は横浜オフィスで研究開発部門に所属しています。
研究所には約100名の研究員が在籍し、二つの研究部の下の10グループで、各々の研究開発を推進しています。
私はそのうちの1グループを任されており、ITをビジネスに効果的に活用するためのプロセスを研究テーマとしています。
お客様の課題や実現させたいことといった、事業の企画・検討の段階からそれをシステムに実装するまでのプロセスに加え、システムのリリース以降に、事業が抱えていた課題と実際にITで実現した結果とを照らし合わせ、改善のループを効果的に回しつづけるためにはどのようなプロセスを作り込めばよいのか、ということを研究しています。
野村:親会社やグループ会社へのシステムの提案や開発を担当する部門に所属し、主に鋼材の受注業務を支援するシステムを扱っています。 親会社の海外事業に対するシステムサポートの統括も兼務しています。
山内:製造業や流通業、携帯電話会社などさまざまなお客様に対して、システムが安定稼働するための仕組みを検討する運用設計を担当しています。例えば、障害が発生した際にどの担当者がどのツールを使いどのように動くか、メンテナンスはどのタイミングで何を実施するか、といった設計を行っています。
小説執筆のプロジェクトに参加したきっかけ
松本(運営担当者):私は小説執筆プロジェクトのサポートをしています。IT業界の仕事は、外部の人からはとても分かりにくく、パソコンに向かってずっとプログラムを作っていると思っている方も多いですが、実は、お客様の要望をどう実現するかを考え、コミュニケーションをとりながらチームで動く仕事。さらに、システムの多くが社会インフラを支えており、最終的には世の中の役に立っているんです。
小説を通してITに興味のない方にも私たちの仕事を知ってもらう目的で、このプロジェクトを立ち上げ、執筆メンバーは社内公募することになりました。
執筆は終業後や休日のプライベートタイムを充てています。
一作だけだと一時の盛り上がりで終わってしまうので、シリーズ化することは当初から決めていました。そのうちのどれか一冊でも気に入ってくれる人がいるといいな、と思っています。
鎌田:私はもともと本が好きで、いつか自分でも本を書きたいと思い、3年前から毎日SNSに小ネタをアップしていたんです。ですから、募集を見てすぐに「これだ!」と。熟慮する間もなく応募しました。
堀江:私は、単純に好奇心からです。それに、情報システムは形のないものなので、本という形のあるものを作ってみたかったという思いもありました。
そこで1作目に参加したのですが、制作活動の後半で妻の出産があり、それに伴って仕事も一時期休んでいたため、離脱することになってしまいました。2作目も育児休暇中で参加できず不完全燃焼だったので、3作目で改めて挑戦。最初から最後まで関わってみると、次はもっとうまく作れるんじゃないかと思い、4作目も続けて手を挙げました。
野村:小説は好きですし、文章を書くこと自体も嫌いではないのですが、気後れして見ているだけでした。3作目が出版されたばかりの頃、4作目のお誘いを受けて参加することになりました。
山内:私はドラマや映画が好きで、物語を作ることに興味をひかれ、参加しました。
主人公の入社理由は「世の中で話題になっている人気の会社だから」。私の場合は・・・
鎌田:今後世の中を支え伸びていく業種だと感じていたからです。新卒で2002年に外資系のハードウェアベンダーに就職し、お客様にハードウェア製品を販売する仕事をしていました。でも、もっと前段階でお客様に関わり、製品を通じてプロジェクトを実現できるような仕事がしたいと考え、当社に転職しました。
営業って、自分が外に狩りに行って獲物を獲るというイメージがあるかもしれませんが、今私がやっている営業は農耕のイメージです。プロジェクトが農場でSEは特定の作物を育てることに長けた農家。私たちは戦略を立ててみんなを巻き込みながら計画的に敷地を広げていく仕事をしています。農場を広げることに成功すると、自分が役に立っているという実感を抱くことができますね。
堀江:私は理学部出身で、研究の手法としてプログラミングをしてシミュレーションを行うことがあったので、もともとITへの興味関心がありました。現在も、最新のテクノロジーを駆使して自分たちが実現したいものを生み出し、世の中に価値あるものを提供できていると実感しています。当社に入社したのは先輩の紹介がきっかけですが、入社してよかったと心から思いますね。
野村:小中学生の頃に発売されたばかりの家庭用パソコンを親に買ってもらい、プログラムを作ったり雑誌を見ながらコードを打ち込んだりしていました。大学では社会学を学んだのですが、やっぱりパソコンの面白さに惹かれて、ITで世の中に貢献したいと思い、この業界に入りました。
プログラミングというよりもITを使ったコンサルをしたい、というのが当初の願いでしたが、現在はITの専門知識をベースにお客様の課題解決につながるような提案をすることが多いので、やりたいことが叶っていると言えますね。お客様から感謝されることも多く、やりがいの大きい仕事です。
山内:私は文系出身なのですが、IT業界を選んだのは、世の中の役に立てる仕事がしたかったからです。当時は就職氷河期で他の業種は採用を凍結しているなか、IT業界は活況でしたね。
実際仕事をしてみたら面白いです。エンドユーザーがいつどのようにシステムを使っているかに気を遣って設計しないといけないので、他業種のことを深く知ることができて興味深いですね。
私は出産も経験していますが、当社は産育休制度が整っていますし、周りの先輩たちも利用していて、出産や結婚で仕事を辞めるという人はほとんどいません。男性も育休を使いますし、周りの理解もあるので働きやすいです。もちろん家族の協力もあってのことで、家事・育児はスパッと半分ずつ夫と分担しています。
・・・②に続く
#IT業界#ワークライフバランス
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