社会の仕組みを考えて最適なシステムを提案できることが面白い
- 2020.10.21
- プロジェクトマネージャ
Profile
- 櫻井さん
- 伊藤忠テクノソリューションズ(株) デジタルイノベーション部
- 電気通信学部 修士課程卒
- 2006年入社
入社から13年間、流通小売業の決済システムの企画・開発に携わってきました。昨年からは、新たに立ち上がったサービス「CTC DX Solution for Retail」のプロジェクトマネージャを務めています。
データ活用で新たなビジネス戦略を可能に
私がプロジェクトマネージャとして携わっているCTC DX Solution for Retailは、小売・流通業に向けたマーケティング支援やスマートストアの導入を支援するシステムです。これまで取得できていなかったデータを取得し、利活用することで、新たなビジネスにつなげることが狙いです。
例えば、POSデータ(*)は数十年前から取得されていますが、来店しても買い物をしなかった人のデータは残らないため、どんな人がどのくらいの時間店舗に滞在したのか、というリアルな情報を取得することはできません。そこで、AIカメラのようなIoTデバイスを店内に設置し、来店客数や客層などの情報を取得してPOSデータに掛け合わせ、マーケティング戦略につなげていきます。
このように情報を得られるスマートストア化の一つがモバイルオーダーです。事前にユーザ登録をしてもらうことで、来店して現金を支払うだけでは分からないお客様の年齢やリピート回数などの情報を取得できます。こうして集まったデータは、メーカーなどさまざまな企業にとって大きな価値を持ち、社会に新しい変化を生み出します。
(*)POS(Point of Sales)データ:「いつ」「どこで」「どの商品が」「いくらで」「何個」売れたか、販売時のデータ。
顧客の業務に踏み込んで、社会の仕組みを支えるDX
これまでのシステム開発は、プロジェクトの中で請け負う範囲をあらかじめ決定し、作業をして利益を確保するという受注開発が一般的でした。DX(デジタルトランスフォーメーション)の解釈は一つではありませんが、私は、システム開発によって発注者の業務を変革させることを目指し、その結果を分析するところまで踏み込んでいくことだと考えています。
このシステムは、エンドユーザには新たな購買体験を提供できます。例えばモバイルオーダーでは、スマホで事前予約、事前決済をすることで、店舗に行けば待ち時間なしで商品を受け取ることができたり、クーポンでお得に新商品が買えたりと、高い利便性と新しい価値をもたらします。
この仕事の魅力はまさに、こうした身近なところで社会インフラを支えられること。会社や社会の仕組みを考えて最適なシステムを提案できることに面白みを感じています。しかも、そこには特別なスキルや大学で学ぶような専門知識は必要ありません。誰もが一流のプロフェッショナルになりうる領域だと思っています。
高校卒業からプロジェクトマネージャになるまで
もともとは、IT業界で働きたいたいという気持ちは全くありませんでした。しかし、高校で物理に興味を持ったことがきっかけで、大学では工学部に進学。ハードウェアもソフトウェアも学べる電子情報の学科を選びました。研究室が情報系だったため、そこで学んだことを仕事でも生かしたいと思い、IT業界に就職。当社を選んだのは、会社説明会でコンビニエンスストアのシステム開発をしていると聞き、身近に感じたからです。
入社してから昨年までは、ずっとコンビニのシステム企画・開発を担当していました。子どもは小さい頃「お父さんはコンビニの店長をしている」と思っていたようです(笑)。コンビニの仕組みには詳しくなりましたね。
昨年の7月にはコンビニ独自の決済システムを立ち上げ、そこで20〜30人をまとめるプロジェクトリーダーを務めました。途中でトラブルも発生し、お客様から厳しい言葉をいただくこともありましたが、最終的には無事リリースすることができて自信がつきました。その経験が買われ、今回の案件でもプロジェクトマネージャを任せてもらえたのです。
人を大切にするプロジェクトマネージャという仕事
プロジェクトマネージャの仕事は、進捗を管理し、発生しそうな問題を予見して防ぎ、万一問題が起きてしまった場合には対処法を考えること。最終的に大事なのは「人」ですから、人間性や気配りも求められます。
現在のプロジェクトチームのメンバーには1〜5年目の若手が多いので、世代間ギャップを感じることはあります。部内でざっくばらんに意見を出し合えるよう、親睦会をセッティングしましたが、実は飲み会にストレスを感じる若いメンバーが多かった、ということもありました。チーム内のコミュニケーションは何より大切ですから、普段から家族の話や週末ことなど、たわいもない雑談をすることで、意見を言いやすい関係を築いています。
【同じ部の上條さんと】
コロナ禍でテレワークをした時は、改めてオフィスで仕事をする意義を再認識しました。気軽な相談がなかなかできないので、朝から晩まで会議になってしまって自分の作業時間が削られましたし、若手にとっても分からないことを相談しづらい環境だったと思います。そこで、オンライン朝会で各メンバーのタスクを確認し、夕会で進捗を確認するということを毎日行っていました。
チーム一丸となって大規模プロジェクトに挑んでみたい
風通しのよい職場ですから、悩んだときは同僚や上司に相談します。厳しい指摘を受けて落ち込むこともありますが、メンバーに支えられながら、前進するにはどうすればよいか、と前向きに考えることができています。プロジェクトマネージャは、私にとって、とてもやりがいを感じるポジションです。
今後は、100名以上のメンバーを束ねるような大規模プロジェクトも統括してみたいですね。お客様やチームメンバー、委託するベンダーさんを見渡して細やかに調整を行い、一丸となってプロジェクトを成功させたいと思っています。
★「CTC DX Solution for Retail」は、JISA Awards 2020 Finalistです。
#DX#データ活用#商社・小売り・物流#理系出身
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