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AI、ドローンの活用で構造物点検を効率化 現場の負担軽減を目指す

AI、ドローンの活用で構造物点検を効率化 現場の負担軽減を目指す

システム開発プロジェクトレポート②~AI・ドローンを活用したコンクリート構造物損傷箇所の検出

日本システムウエア株式会社

2019.12. 5
プロジェクト 

このプロジェクトでは、ドローンとAIを活用することで構造物のひび割れや損傷箇所を発見するという、点検支援システムの構築を目指しています。

今回は、プロダクトソリューション事業本部マネージャーの石川さんに、同プロジェクトの概要と今後の展望などについて語ってもらいました。

ドローンとAIを点検作業の「補助ツール」に

AI・ドローンを活用したコンクリート構造物損傷箇所検出システム開発では、ドローンやAIといった技術が構造物の点検作業における「補助ツール」となるようプロジェクトを進めています。

現在、私達は構造物の中でも「橋梁」を中心に点検システムの構築を進めているのですが、こうした点検作業は本来、点検を請け負っている企業の作業員が目視で行っているものなのです。橋梁にひびは入っていないか、剥離していないかなどを、作業員の方の「経験」や「技術」をもとに確認しています。

しかし、今では作業員の高齢化が進んでいて、ノウハウの継承もままならないという問題があります。その一方で、老朽化する構造物は増加の一途をたどっており、このままではインフラや施設の老朽化が深刻化してしまいます。こうした問題を解決すべく、構造物を点検する補助ツールとしてドローンやAIが役に立てるのではないか、ということではじまったのが今回のプロジェクトです。

高所の損傷箇所をドローンで確認 作業員の負担を軽減

具体的には、まずドローンで構造物全体を撮影して3Dモデル作成用の画像データを集めます。3Dモデルは構造物全体の把握と損傷箇所のマッピングに利用します。次に詳細箇所を撮影し、その画像をもとにNSW製のAIエンジンが損傷箇所を見つけ出して解析結果を出力します。

最終的な確認は人間が行いますが、損傷箇所がどこにあるかをリアルタイムで検出し確認できるので、作業現場での意思決定をサポートすることが可能です。また、ドローンによる空撮のため高所や足場を組むことが難しい現場など危険な場所の点検にも向いていて、人手不足解消だけでなく、作業員の安全確保にも役立ちます。

このプロジェクトは昨年度から準備を進めていて、その後システムの構築やAIプログラムの作成、ドローン飛行による撮影を終えて2020年の3月までに成果を取りまとめるというスケジュールになっています。現段階ではシステムの仕様設計を終え、自動判定のAIプログラムを開発している最中です。

メンバーは若手が中心 自由な発想でプロジェクトを進められる

このプロジェクトは、若手を中心とした6~7人のメンバーで推進しています。技術者の中には大学院を出たばかりという25歳の社員もいるんですよ。AIそのものを開発する社員や、インターネットのアプリケーションやサーバー環境を構築する社員など、5名程度の技術者が対応しています。ほかに、営業としてプロジェクトに関わっている社員もいます。

近年AIは、特に若手技術者に人気がありまして、学問的にも技術的にも進歩が目覚ましい分野です。社歴30年目のベテランより、若い人たちのほうが大学でより進んだ技術や知識を学んでいるので、今回のようなAI関連のプロジェクトは自然と若手中心のチームになることが多いです。いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代の人達は、スマホを使うような感覚でシステムの構築に取り組んでくれます。若さを生かした自由な発想でプロジェクトを進めていってほしいですね。

国際色豊かな社員 技術に強い人材が世界中から集結

外国出身の社員もプロジェクトに参画しています。AIに関する技術論文は英語で書かれていることが多いので、英語のできる外国人社員は、AIの事業に「強い」という側面を持っています。

本プロジェクト以外でも、当社では多くの外国人社員が働いています。出身国はさまざまですが、ほとんどの人が日本の大学での学生経験があるので、普段のコミュニケーションは日本語で行います。しかし、システムのことなど込み入った業務内容の場合は英語で会話します。私も片言の英語で対応していますが、皆さん根気強く聞いてくれていますね(笑)。

いずれは巨大構造物の点検も AI、ドローンで目指す新たな可能性

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現在は橋梁を中心に損傷箇所検出システムの開発を進めていますが、将来的にはコンクリートや鋼材を含んださまざまな巨大構造物の点検への展開も行っていきたいです。ただ、点検とひと口に言っても確認すべき点は多岐にわたります。たとえば橋梁の場合は橋脚のひびや橋桁の損傷、各ブロックのコンクリートや金属の状態などをそれぞれチェックする必要があり、上に道路がある場合は路面部分の点検も必要です。橋梁だけでもこれだけ確認箇所があるので、より多くの構造物を点検するとなれば、ひとつずつノウハウを蓄積する必要があると言えます。

また、構造物の点検は目視だけではなく、構造物そのものを叩いたときに出る「音」で判断することもあります。作業員の「職人技」とも言える技術ですが、こうした技術もデータ化していければ点検の効率化につながるのではないかと思います。構造物の点検をAIやドローン、IoT技術を駆使することで効率化し、現場の負担を減らすことでインフラや設備の老朽化防止につなげていくことを、私達は日々努力を積み重ねながら目指しています。

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この事業は競輪の補助を受けています。

#AI#ドローン#ビッグデータ#建築#情報系出身

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