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ドローン展示会に出展! これまで開発してきたシステムの価値をお客様に届ける

ドローン展示会に出展! これまで開発してきたシステムの価値をお客様に届ける

システム開発プロジェクトレポート④~AI・ドローンを活用したコンクリート構造物損傷箇所の検出

日本システムウエア株式会社

2021.3.31
プロジェクト 

このプロジェクトでは、ドローンとAIを活用することで構造物のひび割れや損傷箇所を発見する点検支援システムの構築を目指しています。

最終回である今回は、システムの成果発表の場である「展示会」についてです。

展示会はこれまで構築してきたシステムをお客様に知っていただく大切な機会です。コロナ禍での出展となり、対策に追われた展示会となりましたが、今回の展示会について日本システムウエア株式会社(以下、NSW)の石川さんにインタビューしました。

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1.展示会概要

出展した展示会は「Japan Drone 2020」です。

Japan Drone 2020 概要】

日時 :2020929()~30()2日間)10:00~18:00
会場 :幕張メッセ 展示ホール8
主催 :主催:一般社団法人日本UAS産業振興協議会/株式会社コングレ
参加者:

月日

929

930

展示会・コンファレンス参加者

4,119

3,949

オンラインコンファレンス参加

460

451

合計

4,579

4,400

JapanDrone 公式サイト:https://ssl.japan-drone.com/index.html

2.インタビュー

展示会当日のことについて、担当のNSW石川さんにインタビューしました。

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(リモートインタビューに答えてくださった石川さん)

――当日はどんなシステムを出展しましたか?

このプロジェクトでずっと開発してきた、コンクリート構造物の損傷を自動判定するAIを搭載した点検システムを出展しました。
ドローン搭載カメラで構造物を撮影し、撮影された画像から私たちのシステムで損傷を解析します。今までは人が直接目で見てチェックしていた損傷を、画像から判断しようという仕組みです。
静止画像だけではなく構造物の3Dデータも提供していますので現状その構造物の損傷箇所がどの位置にあるのか非常に分かりやすくなります。

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(出展ブースの様子)

――建物の点検が楽になるということなんですね。

そうですね。楽になるようにしたい思いがあります。
法的に大規模な構造物は何年かに一度点検しなくてはならないのですが、構造物が大きければ大きいほど、足場を組んだり、道路を封鎖したりといった点検コストがかかります。
第3回
で紹介した橋は全長1キロほどもありますから、足場を組むのは大変ですよね。下は水ですし()
しかし、ドローンであれば人のための足場も不要で、長い橋でも一日で簡易な点検ができてしまいます。ドローンと組み合わせることで検査の一次スクリーニングとしても活用いただけます。

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(第3回で紹介した橋の点検)

――橋以外にはどんな建築物を点検できるんでしょうか?

ドローンの飛行許可の問題はありますが、クリアさえすれば橋以外には、コンクリートのビル、マンション、学校などの建築物全般の点検が可能です。マンションはコンクリートではなくタイルで作られていることの方が多いですね。

――何にでも使えるんですね! 展示会当日はどんな方がブースに立ち寄られましたか?

一番多かったのは、すでにドローンを使って仕事をされている点検業者さんですね。
全体の8~9割は点検事業者さんでした。他には省庁の方などもいらっしゃいました。

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――当日は何名程度いらっしゃったのでしょうか?

二日間で200名程度です。コロナ禍の中、予想より多くのお客様にお立ち寄りいただきました。

――ブースではどんなお話をされたのでしょうか? どんな要望が多かったですか?

やはり「今は人の手でやっている点検や帳票作成を自動化したい」というお客様が一番多かったです。
点検者の高齢化や人手不足が深刻化していたり、古い橋だと図面のデータがなかったり、過去の劣化との比較ができず管理が難しい場面が多々あります。バラつきなく、熟練した技術者と同レベルで解析したいというご要望も多かったと感じます。

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――他にはどんなお話がありましたか?

今のシステムではコンクリート構造物のヒビや遊離石灰(※膨張ひび割れや強度低下の原因となる現象)を検出していますが、コンクリート以外の建築物、例えば道路や工場などの建築物の点検をしたいといったお話や、鉄の損傷(鉄のヒビや錆)など、写真だけでは判断できない損傷についても検出したいといったお声はたくさんありました。
赤外線で検知し、温度差で判断するなどチャレンジはしていますが、まだまだ課題はたくさん残っています。

――展示会で出会ったお客様とはその後の商談に続くのでしょうか?

「展示会はその場で名刺交換だけ」というパターンが多いと思われがちですがもちろん商談に続いているケース、受注に繋がるケースもあります。
他には、直接このシステムで受注しなくてもこの展示会をきっかけに当社に興味を持ってくださり、ドローンのソリューションではなく別のソリューションをご案内させていただくこともあります。

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――本当に大切な出会いの場なんですね。最後に、今回はコロナ禍での出展となりましたが、ご苦労などはありましたか?

元々この展示会は20203月から延期されました。3月に開催するのであれば、ブースにパンフレットや映像のみを流す無人出展にしようと思っていました。
しかし9月に延期され、更には緊急事態宣言も解除されていたため、感染対策をしっかり取った上で出展しようと決めました。ただ、別の展示会では感染対策のためにブースに人は立たず、問い合わせを受けたらバックヤードから出て対応するなどといった状況ではありましたね。

――やはり大変な中ご出展されたんですね。

ただ、お客様に関していえばコロナ禍でこういった展示会に足を運んでくださったためか本気度が高かったと思います。
本当に解決したいことがあって、そのために展示会に話を聞きにきてくださっている印象を受けました。今回は特にAIというキーワードで出展していた会社様が少なかったので、そこに興味を持って足を運んでくださった方が多かったです。

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(会場内オープンステージでのプレゼンテーションの様子)

――ありがとうございます。プロジェクトの今後の展望を教えてください。

今後は自動化の精度を高めたいですね。それから検出できる損傷の種類を増やしたいです。ヒビ、遊離石灰、漏水、摩耗...それ以外の損傷も検出できるよう開発を進めています。
また、将来的にはやはりこのシステムを「点検のスタンダードなツール」にしたいですね。インフラ点検する時には必ずNSWのシステム使う! というレベルにまでなるのが目標です。

――ぜひ、そうなっていただきたいです! お話ありがとうございました。今後とも更なるご活躍を祈念しております。



4回に渡り、irodoruではNSWのプロジェクトを取材させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
チームでシステムを開発し、実証実験をし、実際にお客様にお届けするまでの流れが分かったと思います。
今後ともNSWの活躍にご注目ください!

システム開発プロジェクトレポート
~AI・ドローンを活用したコンクリート構造物損傷箇所の検出

これまでの記事

1回 入社半年で新プロジェクトに参加 「社会貢献できている」確かな実感がやりがいに
こちら

2回 AI、ドローンの活用で構造物点検を効率化 現場の負担軽減を目指す
こちら

3回 ドローンで橋の空撮にチャレンジ! AIシステム開発プロジェクトに潜入してみた!
こちら

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この事業は競輪の補助を受けています。

#AI#ドローン#ビッグデータ#建築

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