怖いものなしで来日、トップセールスを目指す
学習用データを提供することでAI開発に貢献しています
当社は、AI学習用データをAIソフトウェアを開発する企業に提供する事業を行っています。AI学習用データとは、顔認証アプリ用の顔写真や、自動運転をサポートするストリートビューのデータ、自動翻訳アプリ用の多国籍の言語データなど、AIソフトウェアを開発する際に用いられる画像、動画、音声、テキスト等のデータです。
これらのデータは、自社保有のデータファクトリ、45カ国のリソースパートナー、150万人のクラウドソーサー等を通じて収集しています。例えば顔写真のデータなら、自社スタジオで異なる角度・光の条件の下で撮影したり、クラウドソーサーから携帯のアプリで撮影してもらったりして集めています。個人から収集するデータは使用許諾契約を締結した上で取得します。また、データをお客様に提供する際は、AIの研究開発目的以外では使用しないという条件で契約を結びます。
このように、自社で保有しているデータを提供する場合もありますし、お客様のニーズに応じてデータを収集し、アノテーションしてご提供する場合もあります。アノテーションというのは、例えば「りんごの画像」に「これはりんごです」と覚えさせるといった、データに意味づけをすること。お客様が保有しているデータをアノテーションすることもあります。
当社は2011年に北京で創業以降、全世界で1,000社を超える企業と取引を行い、45,000セット/2,500TBを超えるデータセットを提供しています。これは、AIの学習データサービスプロバイダーとして、世界No.1の規模なんですよ。
今ニーズが高いのは、顔認証用のデータ、特にマスクで顔の一部が隠れた状態の顔写真データです。これは、マスクをしたまま顔認証できるAIを開発するために必要です。このように、AI開発の傾向に応じたデータを提供することで、AIの応用に貢献しています。
顧客のニーズに応えることが学びに
私の仕事は、マーケティングと営業です。マーケティングは、AI市場の動向を把握し、潜在顧客を見つけ出してDMの送付やフォローをし、打ち合わせをする、新規顧客開拓の仕事です。営業は、お客様へのサービスのご提案から、交渉、契約、プロジェクトの実施、納品管理までの一連の作業を行います。
重視しているのは、お客様のニーズに応えること。日々、北京本社にあるソリューション部門と連携して、「こんなデータはないか」「お客様が必要なこんなデータを作ってほしい」など、密にやりとりをしています。
AIに関する専門知識がないとお客様の要望をきちんと理解できないので、勉強は欠かせません。ソリューション部門からレクチャーを受けたり、専門書で調べたり、日々新聞をチェックするなどして、知識を蓄え市場の動向を把握しています。一番勉強になるのは、お客様から質問されたときや見積もりを作成するときです。日頃の業務の中で、目の前の問題を解決するために、分からないことをとことん調べることで、どんどん知識が蓄積されていきます。
「日本で働きたい」一心で来日
四川の大学では、日本語を専攻しました。中国語と同じく漢字を使う言語という点で親しみを感じていました。夏目漱石や村上春樹さんの文学作品や俳句が好き、そして日本語の美しいイントネーションに惹かれ、日本が好きになりました。
大学卒業後は、成都にある日系のIT企業でSEになりました。ITへの関心が高かったわけではないのですが、とにかく日系の企業に入社したかったんです。そして、プログラミングの技術を身に付けることが自分の武器になると考えたからです。ただ、人と接することが好きなので、黙々とプログラミングすることは自分の性格には合わない、と感じていました。
あるとき、日本に出張することになり、名古屋で3か月を過ごしました。実際に日本で暮らしてみると、日本で働きたい、覚えた日本語をもっと使いたいという気持ちが湧き上がってきました。そんな折、成都オフィスが閉鎖されることになり、それを機に来日を決心。不安な気持ちはありませんでした。日本に行きたい、という気持ちでいっぱいだったんです。
コロナ禍での営業活動
当社が日本法人を設立したのが2020年2月。私は関連企業で希望どおりITの営業職に就いていましたが、転籍となりました。すぐに新型コロナウイルスが流行して、お客様との打ち合わせは全てWebに。対面でお会いできなくなったことがとても残念です。やはり、Face To Faceじゃないとお客様の本心を掴みにくいんです。
Webでも対面と変わらない笑顔で、元気に対応することを大切にしています。また、Webでの打合せ後は迅速にお礼メールを送り、議事メモや連絡事項の共有はできるかぎり速やかに行うよう心がけています。
逆に、打ち合わせがオンラインになったことで、移動時間を節約できるメリットもあります。浮いた時間を利用して資料を作成するなど、効率よく働くことができています。
日本は働く環境が良いと感じています。コロナ禍でテレワークが広がりましたが、私は他のスタッフとやりとりしながら仕事をしているので、テレワークはほとんどしていません。出社すると社内でのコミュニケーションが活発になり、仕事がスムーズに進められます。7年前、出張で日本に来ていたときは、仕事が終わっていても上司に遠慮して帰れない、という日本特有の「付き合い文化」も経験しましたが、当社ではそういった非合理的なことはなく、とても働きやすいです。
暮らしやすく働きやすい日本
日本は暮らしやすいです。今では日本食の方が慣れてしまって、故郷の重慶に帰っても辛いものを食べられなくて、友達に馬鹿にされてしまいます。
【重慶の景色(王さん撮影)】
中国に帰ると変化の速さに驚きます。日本と比べてキャッシュレス化がとても進んでいて、誰もがスマホ一つでどんな店ででも買い物を完結できます。
趣味は体を動かすこと。2019年には埼玉マラソンに参加しました。
運動はずっと続けていますが、コロナの影響で室内運動に切り替えました。筋トレやストレッチ、ヨガなどを数時間かけて行います。結構、自分には厳しいんです(笑)。
企業の事業拡大に貢献できるトップセールスを目指す
今の仕事は将来性もあって、楽しいです。目標は、早くプロフェッショナルな営業担当になること。グローバルセールスチームの中でトップセールスを目指しています。まだできて1年しかたっていない会社ですが、日本の最大手企業20社以上とお取引ができたことは、大きな自信になりました。自分の潜在能力を掘り起こし、もっともっと自己成長を続けていきたいです。
日本には、基礎データの提供から、ニーズに応じた個別収集、そしてアノテーションサービスを一貫してやる企業は他にはありません。日中間の架け橋として、当社のような海外の先進的なAIデータソリューションを提供することが自分の中で大きなミッションだと思っています。今後日本のAIの発展に貢献できるよう、がむしゃらに頑張りたいです。
#AI#グローバル
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