アイディアを形にする楽しさ1000%! IoTジェンガ作ってみた!
- 2019.12.25
- 開発/研究
今日は「IoTワークショップ」という社外のエンジニア向けの研修に参加し、センサだらけの新しいジェンガ「IoTジェンガ」を製作した(株)シーエーシー(CAC)「IoT Jenga Lovers」の4人に、新しい技術でモノを作る楽しさをとことん聞いた。(2019年11月11日取材)
IoTジェンガって?
IoTジェンガとは普通のジェンガに「IoT技術」を組み合わせた新しい形のジェンガです。ブロックの中に、センサなどたくさんのIoT部品が仕込まれていて、Webアプリと連携して、ブロックがセンサから得た情報を元にプレイヤーの獲得ポイントを計算して遊びます。
*遊びのルール*
加点
同じ色のブロックの隣に置くと、カラーセンサが隣の色を感知し、獲得ポイントが高くなります。
減点
タッチセンサに触れた回数をカウントし、一定回数を超えてしまうとブロックが「キャーッ!」と悲鳴を上げ、ポイントがマイナスされます。
一部のブロックに仕込まれている距離センサに近づくと、ブロックは悲鳴をあげ、ポイントがマイナスされます。
つまり「とりやすいジェンガをとり」「同じ色の隣に」「距離センサに近づかずに」積み上げられた人が高い得点となり、Winnerとなります。
作った人たち:Jengaloversに直撃インタビュー
――まず初めに簡単にみなさんのことについて教えてください。
Imamura
- みんな社会人2~3年目のエンジニアで、大学時代は基本的にはIT以外のことが専攻でした。IoTも半年前は基本的には初心者。会社は同じですが、医薬系や金融系等、配属されているプロジェクトが違うので、働いているフロアは違いますね。
Julian
- 私とBaoとNoriは同期で、一緒に休日にボルダリングに行ったりするくらい仲が良くて、僕が二人をIoTのガジェット作らない? と「IoTワークショップ」研修(2019年3月~2019年7月開催)に誘ったんです。
Imamura
- 僕は去年自分の同期が参加しているのを見て、ずっと行きたいと思ってたんです。僕だけが研修で初対面でした(笑)
――研修では一人1作品を作るのが普通ですが、なぜチームでやろうと思ったんですか?
Nori
- 誰が言い出したかは忘れちゃったんですけど、一人ひとりの作品を考えているとき、チームで1つ作ったら面白いんじゃない?ってなったんです。全員で案を持ち寄って、Imamuraさんのジェンガ案に投票で決まりました。
Bao
- 私は感情認識AIを作る仕事をしているので、子ども部屋に設置して、子どもの感情によって部屋のレイアウトや色を変えてくれるガジェットがいいと思ってたんですけどね! 負けました(笑)
Imamura
- たまたまジェンガで最近遊んだだけですよ(笑)
IoTジェンガの中身
用途 | 品名 |
Arduino + Bluetooth | ADA-2829 Adafruit Feather 32u4 Bluefruit LE |
タッチセンサ | ADA-1982 Adafruit MPR121 静電容量センサ(12ch) |
カラーセンサ | SFE-SEN-12787 SparkFun ジェスチャーセンサ(RGB、環境光センサ付き) |
距離センサ | SFE-SEN-13959 超音波距離センサモジュール HC-SR04(SparkFun販売品) |
バッテリー | DPTL-DTP502535 リチウムイオンポリマー電池400mAh |
スピーカー | ADA-4227 ショートワイヤ付きミニ楕円形スピーカー(8Ω 1W) |
ON/OFFスイッチ | スライドスイッチ EEHD-5GB7 【KV】 0.3sq (白) 10m 0.3 KV L-10 白 |
タッチセンサ用伝導体 | Scotch 導電性テープ 12mm幅 1.5m |
その他 | LED、銅線、PCB基板、ブロック資材(厚紙)など |
――ジェンガの中にはこんなにたくさんの部品が入っているんですね!
Julian
- 基板はAdafruit FeatherというBluetooth付きの小型Arduinoを使ってWebアプリに連携しています。持っている時間を測るタッチセンサ、隣のブロックの色を判別するカラーセンサ、目玉に近づきすぎるとマイナスポイントになる距離センサなどを搭載しています。あとは、ジェンガが悲鳴を上げる用のスピーカーですね(笑)
Nori
- 持ちすぎるとすごく悲鳴上げるので注意です!(笑) ちなみにジェンガはすべてがIoTジェンガというわけではなく、ただの箱もあります。同じ色の箱ジェンガを近づけるとポイントアップするなど、色んな遊び方があります。
Bao
- 箱だけが耐久性がなく心配なので、今度は3Dプリンタで作りたいと思っています!
Imamura
- 基板に一つ一つはんだ付けしているので、最初は慣れなくてブロック1つを作るのに3時間くらいかかりました。グルーガンで固定したり、レンタルスペースでレーザーカットして箱作ったり...思い返すと大変でした。
――このジェンガブロック1個のコストはどのくらいですか?
Bao
- 大体1万円くらい! 会社が製作を承認してくれたので、部品は会社に申請して買ってもらっています。
――では私たちは1個1万円のジェンガブロックを積み重ねて遊んでいるんですね...! 得点表のWebアプリはどうやって作ったんでしょうか?
Julian
- Node.jsで作りました。Webアプリ内の画像や動画部分はNoriがGIFアニメーションをスマホアプリで作っています。
チームで製作する大変さ・楽しさ
――製作で苦労した点はありますか?
Nori
- みんながばんばん出してくるアイディアをまとめるのに本当に時間が掛かりました! 研修の成果発表のギリギリに「これで行こう!」ってみんなが納得するよう紙に書いて決めていきました。
Bao
- それが初めてのチームワークだったよね(笑)
Imamura
- Noriは絵が上手なので、みんなのアイディアを紙にまとめてダーティモデリングしてくれたんです。
Noriさんが書いた最初のモデリング
――たくさんアイディアが出てくることは技術者として本当にすごいことだと思いますが、まとめるのに苦労されたんですね。では、逆に楽しかった点はありますか?
Nori
- 手を動かすのが好きなので、どんどん作っていくのは楽しかったです。あと、最初にJulianがアプリを作ってくれたとき「GIF入れて飾ろうよ」って新しいアイディアが出てきて、動画作ったり加えてアップデートしていくのが本当にワクワクしました。
Bao
- 作ったものが動いて、人が遊んでくれるのはすごく楽しかったよね。最初にメンバー以外に遊んでもらったときの楽しそうな反応は嬉しかったなって思います。
Imamura
- 私は組込やIoT分野での開発経験がなかったので、自分でプログラムを書いたり、会社からサポートを受けて部品を買わせてもらって、自分の力を試せたのが楽しかったですね。
Julian
- 前半は元々好きなプログラミングが楽しかったけど、後半はハードウェアの勉強もできて、みんなで仕様を決めてプログラムもハードも実現していくところが楽しかったですね。
――研修の最後の展示会と、その後3か月後に横浜ガジェット祭りの2つの展示会にIoTジェンガを出展されたとのことですが、完成した時の感想はいかがですか?
Nori
- 達成感はありましたよ! 研修の最後の展示会で、初めてお披露目したので、人に遊んでもらえて盛り上がって本当に安心したし、ジェンガの中身や動画の感想をもらったときには、やりがいを感じました。
Bao
- 横浜の展示会では、アドバイスや新しいアイディアをたくさんもらえて嬉しかったです。例えば、今ジェンガの外側は手作りだけど、3Dプリンタの会社の人が見に来たとき「試しに作ってみようか?」という話をもらえて、新しいつながりや更なるアップデートが見えてきてわくわくしました。
Imamura
- 横浜の展示会のための完成後は、無でした(笑) 完成したの朝6時くらいでしたから。
Bao
- 私は徹夜だったので、意識飛びましたね!(笑)
研修の成果発表展示会の写真
――会社からサポートをもらえたのはどうしてでしょうか?
Nori
- 最初の展示に上長が見に来てくれたことがきっかけです。その時に作った感想を聞かれたんですが、みんなが「もっとああしたかった、こうしたかった」と不平ばかり言ったら「じゃあもっと作っていいよ」って言ってくれたんです。
Bao
- 社員教育の一環でサポートしてもらっています。制度としてはAIやIoTといったテーマごとに集まって勉強するクラスターなどもあり、会社は社員がやりたいことをさまざまな形でサポートしてくれるんです。
――会社からのサポートは心強いですね。IoTジェンガの今後について教えてください。
Julian
- 将来的には社内でオープンソース化して、誰でも興味がある人がIoTジェンガの中身を組み換えていけるようにしたいと思っています。会社もほかの社員にいい影響があるならどんどんやってみて! といろいろサポートしてくれます。
――最後に、ずばり開発することの面白さを教えてください。
Imamura
- 頭の中のイメージを実際に動く形にするのが開発ですが、それがやっぱり楽しい。特にIoTは、センサやアクチュエータを使って実際の環境に作用させることができるので、このスキルや考え方は、アプリケーション開発の幅も広がると思います。
Nori
- お客様の社内イントラサイトのデザインをしたことがあるんですが、自分の考えを形にできることはやりがいもあるし、わくわくしますね! IoTは3Dのモノづくりも含むので、実際のモノを作れるというのも魅力だと思います。
Julian
- 誰かのニーズに対して自分が作ったものが、評価していただけると嬉しいです。お客様やチームメンバーから改善点を言われたときも、新しい領域にチャレンジできるので楽しいなと思います。
Bao
- 今アプリケーションを作るチームにいます。だからこそモノとアプリケーションを繋げられたら絶対楽しいと思えるので、IoTがすごく好きです。私はアイディアがたくさん浮かぶタイプなのですが、今回ジェンガを作っているとき、「アイディアからモノ」にする力が足りないことに気づきました。もっと勉強してアイディアを全て実現できるようになりたいです! 最後に、ジェンガを作ったときは、みんなで意見を言いながらチームプレイで作れたのはやっぱり楽しかったですね!
――ありがとうございました。IoTジェンガの発展を楽しみにしています!
#IoT#グローバル#研修
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