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    データセンタでのファシリティ管理

鉄壁の対策でデータを守る!
データセンタでのファシリティ管理

鉄壁の対策でデータを守る!<br />データセンタでのファシリティ管理

Profile

    久保田さん

  • (株)ワイ・シー・シー
     データセンター管理部
  • 高等技術専門学校卒
  • 1988年入社

IT業界で働いて33年間。長らくSEとしてプログラム開発に携わってきました。
現在は、3年前にオープンしたデータセンタの運営責任者としてお客様のデータを守りながら、顧客サービス基盤の管理・運用までを行っています。

建物から室内まで張り巡らせた堅牢なセキュリティシステム

当社のデータセンタでは、お客様の基幹システムやデータをお預かりし、運用サポートまでを行っています。お客様のデータをお守りするという重大な責任があるので、当センタのデータ漏洩に対するセキュリティは堅牢です。

建物内外で合わせて16台の監視カメラを設置して室内から監視できるようになっています。また、セキュリティレベルは6段階で、ICカード、セキュリティゲートと組み合わせて、データセンタへの入退室管理には静脈形状の画像認識技術を用いた静脈認証を採用しています。静脈が登録されているのは、現在当センタでサーバの管理をする30名ほどの限られた社員のみ。業者の方に機器のメンテナンス作業をしてもらう際も、誰がいつ何人入室するか細かく管理して、必ず当社の担当者が入室から退室まで立ち会うことになっています。

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【データセンタ(イメージ)】

地震や火災などへの備えも二重、三重に

データの漏洩対策と同様に重要なのが、データの破損への対策。地震が起きても被害が発生しないように、建物の耐震性を高めています。基礎工事では、予想を上回る頑丈な杭を打ち込んでいました。データセンタがある場所も、山梨県甲府市のハザードマップで想定されている浸水の深度よりかなり余裕をもたせた高さです。

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【サーバラックを載せている免震装置】

サーバ室には免震テーブルを用い、震度7クラスの地震でも震度5レベルの衝撃にまで抑えられるようにしています。東日本大震災の時に震度5でサーバに問題がなかったので、そこまでは耐えられるという想定です。また、火災が発生した時は自動の消火システムが働きますが、電気系統をダメにしてしまう水は厳禁ですから、ガスで消火をする仕組みになっています。

電気が落ちてサーバがストップしないように、通常の高圧線と地下からの二系統の電気を変電所から引き込んでいます。どちらかの系統が生きていれば問題ありませんが、万が一変電所からの電気が完全に遮断された場合は、自家発電機で電気をまかないます。停電から40秒ほどでエンジンがかかり、サーバや空調など、サーバ室に必要な電気を全て供給できます。また、自家発電が起動するまでは、全てのサーバへ無停電電源装置から5分以上電気が供給され、フル稼働できるようになっています。

コンピュータと自然環境に優しく

サーバラックは60本設置可能で、薄いサーバ(1U)なら1つのラックの中に42台まで入れることができます。昔は物理的な数が必要でしたが、仮想化技術が発展してきてどんどん集約されてきていますので、膨大な量のデータが入ります。

サーバ室は、加湿器と除湿機によって温度は25〜26度、湿度は60%ほどに常に保たれています。局所型冷却システムを導入するなど節電・省エネを徹底していて、コンピュータと自然環境には優しい部屋ですが、人間が仕事をしやすい環境とは言えないかも。冬場は、サーバ室で仕事をする時は防寒着が必要なくらい寒いんです。

これだけの設備を備えていますので、お客様には安心してデータを預けていただけます。お客様が管理するとなると情報システムの担当者が常駐して、毎日バックアップを取らなければいけないし、停電への対策も必要ですが、このセンタに置いておけばそういう心配が一切不要ですし、運用も当社でサポートします。夜間はシステムで監視し、何かトラブルがあれば担当者がすぐに駆けつける体制をとっています。

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汎用機からパソコンの時代へ

私が当社に入社したのは33年前、26歳の時です。その前は東京の大学病院で栄養士の仕事に就いていました。全く違う業種のSEの仕事に就職したのは、山梨の実家に帰ってきてから、一年間職業訓練校の情報科で勉強したことがきっかけです。高校では理系でしたし、もともとコンピュータには興味があったのです。

当時はまだWindowsがなく、もちろんITという言葉もインターネットもない時代。会社では汎用機という大型コンピュータのSEをしていました。入社前は難しそうな仕事だと思っていたのですが、やってみると、いろいろ考えながらものを生み出していくことが非常に面白くて、私に向いていたんだと思います。職人仕事が好きなんですよね。若い頃は時間も忘れてプログラミングに没頭していました。

あの頃と比べると、コンピュータの世界は大きく変わりましたね。特にWindows95が出てからの進化は目覚ましいものがあります。パソコンやインターネットが普及して、業務システムも一般的なシステムと同じ仕組みで動くように。昔は専用機で行っていたサーバの管理が、パソコンのOSでできるようになったとき、最初は信じられませんでした。

この道33年。仕事を大変だと感じたことがない

データセンタの管理をするようになったのは当センタがオープンした3年前です。電気系統を改めて勉強する必要があったので、この3年ほどはメンテナンスに来る業者さんに、どこでどんな風に電気がまわっているのかを教えてもらっていましたね。

でも、仕事自体は大変だと感じたことはありません。特に健康に気を使っているわけでもなくて、少し散歩をするくらいですが、入社してから病欠もしたことがないんです。まだまだ元気なので、年金をもらえるようになるまで頑張って働きます(笑)。

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#データセンタ#山梨#転職

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