• TOP > 
  • イベント > 
  • パラスポーツショートインタビュー②
    NPO法人STAND代表 伊藤数子さん

2021.3. 3

パラスポーツを応援しよう!

パラスポーツショートインタビュー②
NPO法人STAND代表 伊藤数子さん

パラスポーツショートインタビュー②<br /> NPO法人STAND代表 伊藤数子さん

一年延期された東京オリンピック・パラリンピックまで、あと半年と迫ってまいりました。
コロナ禍が続く中、東京オリンピック・パラリンピックの開催可否について様々な意見や憶測が報道されていますが、そんな中でも出場を目指しているパラアスリート達は本番に向けて一心に準備しています。
パラスポーツ支援コミュニティ(JPSSC)では、そんなパラアスリートの表情をオンラインインタビューでお伝えすべく活動していますが、流石にこの時期になるとパラアスリートにお声掛けすることは難しいです。そこで、パラアスリートとの交流が多く、大会組織委員会の顧問もされているNPO法人STANDの伊藤代表をお招きし、JPSSCメンバーとのオンライン座談会を開催しました。パラアスリートの現状や、選手たちがどのような思いでこの一年を過ごしているかについてお伺いするとともに、半年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックについてJPSSCメンバーたちがどのように思っているか、本音のトークをしましたので、是非ご覧ください。

JPSSC(JISAパラスポーツ支援コミュニティ)小林賢也(東京海上日動システムズ(株))
2021年1月28日実施

伊藤数子さん
 1991年、企画会社パステルラボ設立、代表取締役。2003年から電動車椅子サッカーなどのパラスポーツ大会のインターネットライブ中継を開始。誰もが明るく豊かに暮らす社会を実現する「ユニバーサルコミュニケーション活動」のため2005NPO法人STANDを設立し、パラスポーツ事業を本格始動。パラスポーツを通して共生社会を目指す。ウェブサイト「挑戦者たち」での情報発信、スポーツイベントや体験会も開催。2014年にはボランティアアカデミーを開講。2016年には新設されたスポーツ庁の第1期スポーツ審議会委員を務めた。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会顧問、総務省情報通信審議会専門委員、日本パラリンピアンズ協会アドバイザーなども務める。2020年には日本ITU協会賞 特別賞を受賞。

インタビュー概要

I017_1.png
[上段左:伊藤さん、JPSSCメンバー(上段中央から時計回りに)千葉、部田、菅野、小林]

小林:1回パラスポーツショートインタビューで、車いす陸上選手の小西恵子選手から前向きなメッセージをいただいて勇気づけられました。今回は私たちJPSSCメンバーが、JISAボランティアセミナー等でご講演をいただいたNPO法人STANDの伊藤数子さんをゲストにお招きし、半年後に延期された東京パラリンピックに向けて私たちに何が出来るのか、議論したいと思います。
はじめに、伊藤さんからパラアスリートの実情についてお話をお願いいたします。

伊藤:パラアスリートの実情についてですが、「準備期間が延びた」とポジティブに捉えた選手もいれば、1年伸びたことによって現役引退を決断した選手もいます。

小林:パラアスリートは現在、練習が出来ているのですか?

伊藤:選手たちは工夫をしながらトレーニングをしています。先日、車いすテニスの国枝慎吾選手が「私たちは、制限や制約の中でこれまでもやってきたので、コロナがきたからといってそんなに大変とは感じていない」と言ったのを聞いて衝撃を受けました。

菅野:パラアスリートの発想力は凄いと思いますが、コロナ渦で発想力豊かな練習法などが生まれていますか。

伊藤:生まれたというよりも、もうやっていたという方が近いかもしれません。民間のトレーニングジムは、障がい者お断りのところが多く、これまでも施設が使えなくて、ホームセンターで材料を買ってきて、トレーニング器具を作ったりしてきたんです。

小林:JPSSCでは昨年度ボランティアセミナーを開催し、その参加者で大会ボランティアに応募をして当選された方も何人かいます。大会ボランティアの状況について何か情報をお持ちですか。

伊藤:大会組織委員会のボランティアは、昨年、決定した人に対して1年延期になったが、再度ボランティアに参加していただけるかを調査をしたところ、多くの方が「参加します」と回答しています。それから、各地域の自治体ボランティアについては、例えば、NPO法人STANDのある渋谷区はすでに応募していただいた人たちの研修をリモートで行っています。1年延期したことによって国際交流、福祉、防犯活動等もやるといいのではないかという意見もあります。

小林:千葉さんは大会ボランティアの予定でしたね?

千葉:私はパラ陸上のボランティアをする予定ですが、コロナワクチンがすごく気になっています。このままボランティアをやっていいのかと思うこともありますが、開催に向けて情熱を持ってきたことをモチベーションにしていきたいです。

小林:部田さんはどうですか?

部田:開催をしてほしいし、観客も入れてほしいと思っています。言葉にするのは難しいのですが、スポーツは理屈抜きで感動するし、ドキドキ、ワクワクする。今の世の中に必要なものだと思います。

小林:菅野さんはどうでしょうか?

菅野:パラアスリートは色々な苦難を乗り越えていっているメンバーたちですので、今回もコロナに負けなかったオリンピックということで、工夫をしながら開催してほしいと思っています。

小林:結果的にどうなったとしても、この状況下でも「やると決まったところまではやりきる」という経験が凄く重要になるんだろうと思います。あと半年、皆さんと一緒にできる限りの活動をしていきたいと考えています。伊藤さん、引き続きよろしくお願いいたします。

伊藤:もちろんです。オリパラは一つの大会ですが、日常スポーツがあっての大会です。「オリパラはどうなの?」というところから日常のスポーツに関心が広がっていくことは、非常に良いことだと思います。多くの人に議論していただくのは、素敵なことだと思っています。

小林:伊藤さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。

#JPSSC#パラスポーツ

この記事をシェアする
  • この記事はいかがでしたか?